第三セクターの功罪
「浜松都市開発㈱」の役員会で、今後の「フォルテ」の経営方針が決まり、2月議会に提案するようです。
新聞報道を見る限りでは、「地下の“フォルテホール”を市に借り上げてもらう」「市が借りている施設のテナント料を3割程度引き下げる」ということのようです。
「行革審」の答申では、「フォルテ」についてこう述べていました。
①フォルテの機能について、市と会社の役割を明確にした上で、市が関与することが市民に納得できる説明を行うこと。
②役員体制の是正や賃貸料金等の民間レベルへの見直しを行い、その上で健全な自主運営を実現する経営計画をH18年度中に策定すること。フォルテガーデン及びホールについては、所有も含め運営のあり方について併せて検討すること。
今回の決定が、この答申内容に応えているのかどうか、残念ながら、少なくとも新聞報道では読み取れませんでした。
特に本質論である①について、新聞は何も伝えていません。
わずかに「フォルテホールの稼働率が6割程度あることから、市に賃貸して維持する」という記載はありましたが、これまでの「行革審」の議論で明らかにされた「アクトシティ」の利用率向上との整合性はどうするのでしょうか?
参考までにお伝えしますと「アクトシティ」の利用率(H16年度)は、大ホール77.4%、中ホール85.0%、“展示イベントホール”51.9%ということです。
“フォルテホール”と“展示イベントホール”は、もちろん同じ性格の施設ではないのかもしれませんが、①についての市の説明を聞きたいものです。「フォルテ」のあるべき姿については、私自身、さらに勉強して、今後、お伝えしたいと思います。
今はもう、箱モノにこだわり、維持運営費に税金を費やす時代ではありません。今日は、一般論としての「第三セクター」の課題を提起します。
「フォルテ」を運営する「浜松都市開発㈱」はいわゆる「第三セクター」です。細かい説明は省きますが、自治体と民間企業が共同出資する「第三セクター事業」は、事業内容や経営責任が不明確な場合があることから、赤字事業となっているところも少なくありません。
以前、ある勉強会で下記のようなことを聞きました。
「特殊法人」は、官民の良いところ(・・・すなわち「国の持つ安定した基盤と知識などと、民間の生産性向上意欲やスピーディな意思決定など」)を兼ね備えた組織を目指したが、その実態は、官民の悪いところを兼ね備えた組織になってしまっている・・・。
「第三セクター」も同じではないでしょうか。地方自治体の外郭団体についても経営責任をしっかりとチェックすることが必要だと思います。
【余談】
2枚の写真は、記事とはまったく関係ありません。・・・が、この雰囲気、ステキだと思いませんか。さてこの街はどこでしょう?
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