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「地方行革シンポジウム」報告

シンポジウムで聞きたかったポイントは2つ。

1点目は、市長の進める「市民協働」。これを進めるにあたり、市組織の在り方や議員の役割について参考になった。「コストだけでなく、ノウハウやサービスを買うのだ」という視点で進めないと、「市でやれない(やらない)からやってくれ」と、いらない事業の下請けのように取られかねない。これは市にとっても受託組織にとっても不幸なことであり、やはり第一に「市民の利益」を考えねばならないと感じた。議員の役割は施策のチェックが中心ではあるが、説明責任を果たす上でも、委員会でのチェックなど議会の役割は大きいと感じた。

2点目は「市場化テスト」の進め方。特に「我孫子市」の事例は以前から知りたかったので概要は聞くことができた。しかし、わずか20分の事例報告であり、やや消化不良であった。今後、直接視察に行くなどして、浜松市における市場化テストの導入を促進したい。

○基調講演の主な内容

少子高齢化、三位一体改革、税収の減少、インフラ資産の更新など地方自治体を取り巻く環境は大きく変化している。そうした中で、自治体組織は変化できていない。

例えば、「タテ割りの弊害により全体最適になっていない」ことや、「過去は見るが、現在や未来を踏まえた対応ができていない」ことがあげられる。

30年~50年前に造られたインフラには更新整備が必要になる。公共事業は必要なものはやらねばならない。公共事業費をすべてソフト施策にまわすことはできない。

市組織は、首長の「マニフェスト」は実行できるが、「総合計画」を実現するための組織になっていない。「フラット化」「目標管理」など、いろんなパーツは導入しているがベクトルが一致していないなどの課題がある。

今後、さらに「財政健全化法」の施行や「内部統制」の強化が進んでくる。「内部統制」の議論では、監査委員や議会の役割が問われることになる。

自治体のサービスのあり方は変わらねばならない。これまでは「行政サービス」として、「官」が中心となってサービスを提供してきたが、今後は「公共サービス」の概念が必要。「官」が提供すべきものは「官」が行うが、「民」が提供できるものは、住民やNPO、企業などとのパートナーシップにより行うべき。

その際には行政の説明責任が不可欠。今の行政の説明はわかりにくい。情報公開というが住民の目や耳に届いていない。事業委託は説明が不十分だと、「官」の下請けと取られる。「コスト」だけでなく、パートナーの「ノウハウ」を活かすという視点が重要。住民と対話のできる自治体にならねばならない。業務改善努力を評価する仕組みや人材育成が必要。

○広島県の事例報告

広島県では平成16年度から現業部門をすべて民間開放し、現在、現業職はいない。基本的考え方は、「効率性」「専門性」「経営能力の活用」の3つ。平成17年度から導入した指定管理者は現在154事業。191月からは「全庁的モニタリング制度」を開始し、チェックを行っている。

その他、事務事業総点検を実施し2610事業のうち1192事業を見直しした。そのうち206事業を廃止・終了し、986事業に対し改善施策を検討している。現在、人件費を含めたトータルコストで199億円の削減効果額をあげ、770人を削減した。

○千葉県我孫子市の事例報告

我孫子市では、「官」の発想による民間委託を前進させ、「民」の提案に基づく委託・民営化を進めている。「提案型行セーサービス民営化制度」と呼ぶこの制度は、前市長のトップダウンで進められた。

市の全事業(1131事業)を公表し、民間(個人は除く)から委託や民営化の提案を募集。まず、ラフな提案を受け付け、担当部門と協議して、最終的な提案を提出した。担当課による予備審査後、専門家・受益者による分科会で審査し、最終的に学識経験者と市職員からなる「審査委員会」により採否を決定した。

審査基準は、「市民の利益」を第一に置き、効率性のほか、サービスの向上や地域活性化の視点なども加え判断。単独提案は「随意契約」とし、複数提案は、改めて公募による「競争入札」を実施した。

平成18330日から831日までの第一次募集期間で79件応募、その後の二次募集で6件の計85件の応募があり、取り下げや不採用を除く37件が採用された。応募は企業が多いが、NPOなどの団体からも13件あり、「新しい公共」という枠組みは理解してもらったと評価している。

今では、愛知県高浜市や福岡県の市でも導入しているとのこと。実施効果の一つに、民間との話し合いの中で、「職員の意識改革が進んだ」という点があったことも見逃せない。

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