H19年度補正予算案の感想
本会議初日は、10時から14時過ぎまで行われ、休会しました。再開は27日の10時です。次回はCATVとFMハローで中継予定です。お楽しみに。
今日は、平成19年度の補正予算案と、平成19年度実施事業関係の条例などが提案され、21・22日の常任委員会に付託(審議を託すこと)されました。
補正予算は、全般的には「繰り上げ償還」による財政効率化や、学校耐震工事の前倒しなど、やすともカラーが出されており、概ね妥当なものですが、内容を見ていきますと、今後の課題がいくつか見えてきます。
とりわけ「一般会計」よりも、「特別会計」「企業会計」に課題があるようです。いくつか記しておきます。
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○介護保険事業特別会計
「保険給付費」が5億円減額されています。
当初予算404億円から399億円の減なので、大したことないと思うかもしれませんね。しかし、詳細をみると、給付が増えている項目もあるのですが、「地域密着型介護サービス給付費」「介護予防サービス給付費」が、当初予算に比べて合わせて12億円強減額されています(使われていません)。
監査報告でも「地域密着型サービスについて、介護保険事業計画では、小規模多機能型居宅介護施設をH19年度までに24か所設置するとしているが、現在の設置数は7か所にとどまっている」との指摘がありました。
この件は11月議会でも議員からの指摘を受けています。今のままでは、市の介護施策に課題があるということです。
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○駐車場特別会計
駐車場会計では「使用料および手数料」が7474万円減額されています。当初予算が約7.6億円ですから、民間企業でいいますと10%近い減収ということです。
当初の見込みより増えているのは、「駅北駐車場」約3000万円、「万年橋駐車場」約460万円。
逆に大きな見込み外れ(減額)が、「ザザシティ駐車場」の△約8900万円、「新川北駐車場」△1000万円、「新川南駐車場」△約940万円などとなっています。
歳出で、管理費として「負担金補助及び交付金」として約2000万円増額しています。
説明がしっかり聞こえなかったのですが、「静岡県に出す」というようなことを言っていたような気がしました。県が設置した「駅南の地下駐車場」も課題があるようですので、関係があるのかもしれません。これは私の憶測ですので、実際のところはわかりません。
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○病院事業特別会計
「医療センター」「リハビリテーション病院」の患者数が大きく減る見込みです。
「医療センター」は、入院患者が年初見込みの196,186人から191,062人に、△5,124人の減。通院患者が262,150人から260,435人に、△1,715人の減を見込んでいます。
「リハ病院」は、医師の退職で適正な医療が提供されていないことから異常事態となっており、入院患者が45,018人から18,941人に、△26,077人の減。通院患者が22,050人から10,780人に、△11,270人の減となっています。
このため、医療収益は「医療センター」で、当初見込みの約136億円から△約1.6億円減。「リハ病院」に至っては、約13.5億円の見込みが△約7.5億円の、約6億円になっています。
「リハ病院」の指定管理者を「聖隷福祉事業団」に委託する論議は、あすの「厚生保健委員会」で議論されます。速やかな立て直しが必要です。
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また、議案審議に先立ち「監査報告」があったのですが、非常に参考になりました。
冒頭、「合併して新たな組織になったが、今だに長年の習慣が残っており、不適切な処理が見られる」と、「ひとつの浜松」がまだ不十分なことを厳しく指摘したのをはじめ、「医療公社」についてもしっかりと監査しています。
「医療公社」では、たとえば、基本協定に書かれている「事業報告書」を提出していないことや、理事会で「経営健全化の協議をしていた」との説明があったのに対し、理事会議事録にはその旨の記載がないこと、市準拠の給与制度にもかかわらず、手当の見直しなどが実施されていないこと、観葉植物の賃借料が契約金額以上に支払われていること、薬品在庫管理がずさんなこと、などが指摘されています。
今、これまでの市の管理責任が問われていますが、監査委員の指摘のとおり、不十分だったと言わざるを得ません。ここで、ウミを出し切る必要があるでしょう。
今後、地方独法化の議論が進みますが、先行している事例では、薬品の在庫管理や購入などで、財政的な成果を上げているところもありますので、今後の改善に期待したいと思います(もちろんチェックもします)。
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最近、市政のチェック機関としては、どうしても「行革審」がクローズアップされますが、監査委員会や包括外部監査の「監査機能」もしっかり指摘しています。
私たち議会も負けちゃいられません。
問われているのは「問題発見能力」、そして「政策提案能力」ですね。ガンバリます。
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