浜松の子ども②
今日は「児童相談所」に行きました。「児童相談所」は、今年度浜松市が政令市となり、新たに設置されたものです。
「児童相談所」は文字どおり「家庭などから児童に関する相談を受ける」わけですが、最近、特徴的なのは「児童虐待」の相談です。
浜松市の「児童虐待」の現状については、浜松市のこのHPをご覧ください(広報はままつ2007年10月5日号)。
今日聞いた話では、今年度の「児童虐待」の相談件数は156件。対応済が133件、対応中が23件ということです。市のHPに載っているとおり、H18年度は166件(年度内対応済の件数)でしたが、今年度はさらに増える見込みです。
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☆課題① ケースワーカーが足りない
相談に応じるのは市の職員です。現在、14人のケースワーカーを含む、総勢49人の職員が対応に当たっています。県からの移管事務のため、そのうちの4人は県からの派遣です。
市のHPに、単年度の対応件数が記載されていますが、その年にすべての相談事案が解決するわけではありません。したがって、相談にあたる児童の数は、年々積み上がります(長い場合は10年以上続くこともあるそうです)。
現在、14人のケースワーカー1人あたり30人ほどの相談を受けているということでした。
「児童虐待」では、当然、児童だけでなく、家族にも対応しなければいけません。
学校の先生も「子どもに勉強を教えるより、親への対応が大変」と言いますが、「児童相談所」の仕事はさらに大変です。職員さんの「身体を張った」対応には頭が下がります。
全国的にはケースワーカー自身が精神的に参ってしまう例もあるそうです(そりゃそうでしょうね…)。ケースワーカーの人数は、アメリカでは日本の20倍、イギリスでは5倍いるそうです。
どんどんアメリカナイズされて、政治も対米追従政策をやるのなら、このあたりも追従してほしいものです。
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☆課題② 虐待の早期発見
「虐待の早期発見」については、学校、幼稚園や保育園の他、市民のみなさんの協力が欠かせません。詳しくは、上のリンク先の「広報はままつ」をぜひご一読ください。
来年度、新たにスタートする事業に「こんにちは赤ちゃん事業」というのがありますが、これもマタニティブルーによる虐待の早期発見につながると思います。
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☆課題③ 保護した後どうするか
相談後、一時保護所に預けられた児童は、その後のケアで「帰宅可能」と判断された場合は家族と生活します。
そうでない場合は「児童福祉施設」や「里親」に預けられることになります。「児童福祉施設」の概要はこちらのHP(浜松の子ども)をご覧ください。
現在、施設はほとんど一杯のようです。児童相談所の所長は言います。
「できれば温かな家庭のぬくもりの中で育ててやりたい。そのためには里親になってくれる人を増やさないといけない・・・」。
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大変な仕事だと思いますが、お会いした職員のみなさんは、非常に使命感に燃えているように見えました。
しかし私は、「行政施策のあり方」と同時に、「家族」や「ゆがんだ日本社会」を考えさせられ、胸の奥に非常に重い塊が残った一日でした。
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