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フォルテについて

3/12におこなわれた「環境経済委員会」で、フォルテの売却にむけた方向性が示されました。

「フォルテ」は今から約18年前の平成2年11月にオープンしました。

現在の土地は、もともと遠州鉄道が3割、旧国鉄が7割所有していました。昭和61年に浜松市が旧国鉄分を購入し、第三セクター「浜松都市開発㈱」を設立して開発したものです。

施設の概要は、フォルテのHPをごらんください。

一昨年、行革審から「年間1.8億円をホールの赤字補填に投入」「市の入居施設の賃貸料は銀座並み」などの指摘を受け、その経営課題が明らかになりました。

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地方自治体における第三セクターの経営問題は、鉄道をはじめ、夕張で脚光を浴びた観光開発事業など、枚挙にいとまがありません。

国においても、“特殊法人”と呼ばれる第三セクターが批判を浴びているのはご存じでしょう。

第三セクターや特殊法人は、そもそも「官」と「民」の良いところをミックスして、より良い事業体をめざしたのですが、結果的に、経営責任が不明確だったり、ノウハウが不十分だったり、機動的な経営ができなかったりと、「官」と「民」の悪いところがミックスされたようなモノがたくさんできてしまいました。

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さてフォルテの現状を記します。

まず主要な権利者が3者ありますので、それをご理解ください。その3者とは「浜松市」「浜松都市開発㈱」「遠州鉄道㈱」です。

Forteフォルテの「土地」は約1000坪ありますが、前述のとおり、遠州鉄道が300坪、浜松市が700坪を所有しています。

「建物」は写真のとおりの形態ですが、延床面積約6500坪のうち、遠州鉄道が約2000坪(30.7%)、浜松都市開発㈱が約4500坪(69.3%)を所有しています。

次に浜松都市開発㈱の経営状況を見てみましょう。

まず株主は次のとおりです。

  株数 出資額(万円)
浜松市 4,500 45,000
日本政策投資銀行 2,000 20,000
遠州鉄道㈱ 1,000 10,000
㈱静岡銀行 500 5,000
浜松信用金庫 500 5,000
中部瓦斯㈱ 500 5,000
西日本電信電話㈱ 300 3,000
中部電力㈱ 250 2,500
日本トラスティサービス信託銀行 250 2,500
浜松商工会議所 200 2,000
  10,000 100,000

平成18年度末の貸借対照表は次のとおりです。

資 産      (百万円) 負 債          (百万円)
流動資産   65 流動負債   443
現預金 53 短期借入金 193
その他 12 1年以内返済保証金 *2 151
    その他 99
固定資産   3,279 固定負債   1,768
有形固定資産 3,264 長期借入金 270
無形固定資産 2 入居保証金 *2 932
投資その他資産 13 預かり敷金 *3 533
    退職給付引当金 33
    資本   1,133
    資本金 *1 1,000
    利益剰余金 133
  資産の部合計 3,344   負債・資本の部合計 3,344

上記のうち浜松市の債権は、

*1のうち4.5億円

*2のうち10億円

*3のうち4億円 となっています。

ちなみに有形固定資産は、区分所有するフォルテの建物そのものですが、ここには「簿価」が記載されています。先日報告された時価評価額は23.4億円とのことですので、この部分だけ見ても9億円の債務超過になります。

今回示された売却スキームでは、テナント入居者への補償や、解体費用負担などを含め、浜松市は最低でも14億円ほどの債権放棄が必要となりそうです。

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同時に示された「浜松都市開発㈱」の平成32年まで(築後30年)の財政シミュレーションでは、事業継続した場合、市がこれまでと同じように賃貸料を払い続けても、収支見通しでは、累計繰越欠損額が約19億円と予想されています。

また資金計画は、施設改修の約33億円に運営経費などを加えると、事業としては約155億円の借入金が必要とのことです(施設改修費は浜松都市開発㈱分のみ。遠鉄負担分は別途必要)。こんな経営状況の民間企業にお金を貸してくれる金融機関はたぶんありません・・・。

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また「浜松市」のシミュレーションも示されています。

売却した場合には、今後の浜松都市開発㈱への補填は不要になりますが、現在入居している市関連施設の新たな入居費用負担が発生し、約4億円の経費が必要となります。

フォルテを継続した場合は、引き続き、年2億円弱の費用負担が発生し、H32年までの累計では約26億円の経費が必要です。

このシミュレーションでは、売却した方が、負担は22億円少ないということになります。

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売却にあたっては、演劇愛好者の方々からホール存続の要望が出され、また、議会でも情報公開が不十分だという声が出ています。

ホールについては、施設や音響は一長一短あるのでしょうが、利用率からみても、市内中心部に代替施設があるようです。また現在、売却先に対しても、ホールの設置を要望しており、前向きに検討してくれているとのことです。

情報公開については、株主や利害関係者もいることから、このタイミングで出されたことについてはやむを得ないと思います。

遠州鉄道㈱は、前述のとおり、フォルテビルの区分所有者であり、浜松都市開発㈱が建物を売却するときには、協定により事前に了承を得ることになっています。

このことから、遠州鉄道㈱を売却先として交渉が進められることになると思います。

今後、動きがあれば「環境経済委員会」に報告されることになっています。マスコミも注目の的でしょうが、私からも引き続き情報提供していきます。

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コメント

ブログいつも分かりやすく解説していただいてとてもありがたいです。この投稿は公開しないでいただいて結構です。

フォルテのホールって大赤字だって聞きました。
そうすると存続の条件分は売却価格が安くってしまうから、条件なしで売却した場合との差額の大金は、ごくごく一部のホール利用者のみが受益するような感じになりませんか。
市役所のしせいはおかしいと思います。

それと新聞で見た委員の報酬引き下げの件で、市民委員っていいますが、中小企業で働くサラリーマンがなってるケースあるんですか?推測ですけどメンバーが偏ってると思います。

私みたいなのが市に意見を言うには、電話とかメールとかになりますけど、もし時間かけて長々と電話したって、市の職員さんの迷惑になるだけで500円の商品券もくれません。
別に商品券が欲しいんじゃないですよ。
お金あるひとか時間ある人か専門知識ある人しか委員になれないんだから、職業がなんであろうが報酬払うこと自体が不公平だと思います。

投稿: 一市民 | 2008年3月16日 (日) 10時01分

一市民さん、ご意見、ありがとうございます。
「公開しないでよい」とのコメントでしたが、市民の方の率直なご意見と考え、掲載させていただきました。

もし、削除希望があれば、ご連絡ください。

まずフォルテの件。ホール機能を維持することを売却先に要請した場合、その分、安くなってしまうのではないかという心配ですよね。

ご懸念のように、一部の受益者のために税金をムダにしないという姿勢は必要だと思います。

売却はやはり適正な価格で行われるべきです。
2月の環境経済委員会の中でも、ベテラン議員から「随意契約」の心配の声があがっていました。

市はホール機能や公益性の高い施設の入居を要請していますが、売却価格としては、不動産鑑定価格の23.4億円が目安となるでしょう。

あとは、売却先の民間企業が、ホールなどの運営が成り立つかどうかを検討する問題ですね。

名古屋駅前の名鉄百貨店10階には「名鉄ホール」があります。
お客様のシャワー効果などを狙っているのだと思いますが、規模やレイアウトなど、いろんな機能が考えられますね。


審議会委員報酬へのご意見も貴重な声だと思います。ありがとうございます。

私は議員になる前、労組役員をやっていたときに、2つの市の附属機関の委員を経験しました。
立場としては「市民委員」ではなく「専門委員」ということでした。
もちろん、サラリーマンの視線で意見を述べましたが、報酬を8800円もいただくことには抵抗がありました。「えっ、こんなものもらってイイの?」が率直な感想でした。

結果的に報酬としていただきましたが(「な~んだ、結局受け取ってるジャン」と言われそうですが・・・^^;)、私は無償でも3000円でもまったく問題ないと思います。
また、「市民委員」と「専門委員」を分けることも不要だと思っています。私は一市民でしたから。

私のブログの読者にはサラリーマンがたくさんいます。まさにサラリーマンの声を伝えるのが私の役割だと思っています。

これからもご意見をお聞かせください。

投稿: 田口 章 | 2008年3月17日 (月) 09時49分

お世話になります。

こういう情報公開、とてもありがたいです。
議論が盛り上がるきっかけにもなるかと思います。

これからもよろしくお願いします。

投稿: 白あん | 2008年3月17日 (月) 21時18分

白あんさん、お久しぶりです。

お伝えしたいことはヤマのようにあるのですが、まだまだ要領よく書くことができません。

ぜひとも、ご不明な点やお知りになりたい情報をお聞かせくださいね。

投稿: 田口 章 | 2008年3月17日 (月) 22時51分

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