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2008年6月23日 (月)

同化と統合と共生と(6/23)

日伯移民100周年事業がマスコミをにぎわしていますね。明日は凧揚げです。風が弱いと聞いていますが無事あがってほしいものです。

さて、“多文化共生”という言葉はずいぶん一般的になってきましたが、なんとなく聞こえのイイ、この言葉のスマートさの中で、現場のドロドロした部分が見逃されてしまっていないか・・・。

私自身、あまり気にもせずに、“多文化共生”という言葉を使ってきましたが、今日、静岡文化芸術大学の池上教授のお話を聞いていて、そんな気がしてきました。

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外国人の受け入れにあたっては、“同化”、“統合”、“共生” この3つの考え方があるようです。

私は学術的な言葉の定義は得意ではなく、意味合いをよく理解していませんでしたが、池上さんから聞いて自分なりに解釈してみました(おかしければ指摘してください)。

★同化(assimilation)

“同化”は、アメリカ式だそうです。アメリカを“人種の坩堝(るつぼ)”ということがありますが、まさに字のごとく、どこから来た人でも、ドロドロに溶かして、同じ仲間にしてしまうということでしょうか・・・。

“郷に入っては郷に従え”というのがこれにあたります。「アメリカに来たなら、英語を話すのが当たり前」「アメリカの文化に合わせるのが当然だ」ということです。

「日本にきたら日本語を話すのが当たり前だ」と思っている人は、“同化政策”を支持しているって事ですね。

★社会的統合(social integration)

先月会ったある人は“社会的統合”という言葉を使っていました。その人が言うには、「欧州」では、東欧やアフリカ系移民の受け入れにあたり、政府として“統合政策”を打ち出し、移民政策を進めたそうです。

“統合”は、外国人がその国で暮らしていける力を身につけること。そのために必要な最低条件、すなわち「言葉」、「社会保障」、「教育」を、国が用意し、外国人自身も努力する中で生活力をつけていくということです。

まさにこれから、日本がやっていこうとしていることです。

★多文化共生(英語はナイ)

それをさらに進めたものが“共生”。“共生”は元は生物用語で、イソギンチャクとクマノミの例などが有名です。また90年代からは「環境との“共生”」などと使われていました。

これから私たちがめざす“多文化共生”モデルのひとつにオーストラリアがあるといいます。

オーストラリアは多くの国から移民を受け入れており、他国の文化を受け入れる国民性や社会文化が備わっているそうです(詳しくは池上さんが研究しているようです。また調べてみます)。

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さて、今の日本、そして浜松はどうでしょうか。

日本には、3つの壁があるといいます。「言葉の壁」、「制度(法律)の壁」、「心の壁」の3つです。

“統合政策”に必要な条件も不十分な中、国の果たすべき役割・責任は多大ですし、私たちも声を大きくして求める必要があります。

さらに、浜松が“共生”を標榜していくには、国に頼らないフロントランナーとしての施策、あるいは集住都市としての+α施策や、「心のカベ」をなくす取り組みが必要ですね。

行政、地域(自治会)、企業、NPOなど、各セクターがやれることをフルにやらねばならない時期に来ています。私も、理念だけでなく、実際になすべきことを具現化していきたいと思います。

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