« 雑誌(7/16) | トップページ | 行政経営計画(7/22) »

決算速報(7/17)

今日、平成19年度の浜松市の決算速報が発表されました。

民間企業では、3月末で締めて、4月末には決算発表するのですが、自治体の決算はどうもタイムラグが大きいですね。

加えて、議会の「決算審査特別委員会」は10月下旬ですから、これでは、議会がチェックしても来年度の予算策定に反映するのが難しいですよね。

最も大きな理由は、「出納(すいとう)整理期間」という制度だと思います。これは3月末に年度が終わった後も、5月末まで、その年度の収入支出の経理を行うことができるという制度です。

自治体会計は、企業と違い、「現金主義」という制度で運用しています。

この背景は「その年度の支出は、その年度の収入でまかなう」という原則に従っているためですが、企業会計を見慣れている私には、ちょっと違和感があります。

考え方はともかく、結果的に決算審査が遅れて、結果の反映がさらに1年遅れてしまうわけですから・・・。スピードが求められるこの時代になんと悠長な・・・、って感じです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

前置きはこのあたりで、内容の報告をします。

★明日の新聞見出しは、「浜松市 実質61億円の黒字」でしょうか・・・。

H18年度は83億円の黒字でした。昨年7月、その新聞記事を見た人から、「浜松の財政ってそんなに良かったのか?」と質問をもらったものです。

昨年も今も変わりません。借金を抱えた中での単年度黒字であり、浜松の財政がバラ色になったわけではありません。一般会計が黒字だからといって、決して行財政改革の手綱は緩めてはいけません。

しかし、評価できる部分も多々あります。

★借金は着実に削減

H18年度末の借金5631億円は、H19年度末、5493億円となり、138億円削減しました。

当初予算では、5550億円の見込みでしたから、当初計画の81億円削減から、さらに上乗せして、57億円前倒しで削減したことになります。

「すばらしい!」 市長(と担当部門)の財政運営です。

この調子で財政運営できれば、「H26年度末に5000億円未満」という、中期財政計画の目標を前倒しすることも可能ですし、何よりも「子どもたちにツケをまわさない」政治が進むことになります。私は大歓迎です。

★貯金(基金)は増加

貯金(基金)の合計は約245億円です。

幅広く使える「財政調整基金」は4億円増え、147億円になりました。また、特定目的をもった「その他の基金」は合計で24億円増え、98億円になりました。

なお、基金取り崩しの大きなものとして、「天浜線」への経営助成2億円があります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

★財政4指標の公表

財政健全化法の施行に伴う「4指標」を、他都市に先駆けて1年前倒しで公表しました。

財政情報の公開に前向きな浜松の姿勢をあらわすとともに、国の示している健全化基準をクリアしていることもわかりました。

この制度は「夕張市」のような自治体破綻を未然に防ぐために、国が新たに導入したチェック指標です。

企業が「単独決算」から「連結決算」を重視し、また、「退職給付債務」や「減価償却」など、将来負担に備えた会計手法をとっているのに対し、自治体財政では「一般会計」や「普通会計」しか公開していない都市もたくさんありました(企業でいえば「単独決算」だけ)。

今回導入された指標の特徴を簡単に言えば、「企業会計の手法を加味したもの」と言ってよいでしょう。4指標により「連結決算」や「隠れ借金」を明らかにすることにより、今後、自治体財政の情報公開が進みます。

浜松はこれまでも、特別会計や企業会計を含めた「総会計」で財政を公表していました。また複式簿記も導入し、バランスシートも公表しています。民間企業とは資産評価の精度など違いはありますが、前向きな姿勢は評価してよいと思います。

なお、私は他の政令市のデータに非常に興味があります。地下鉄やバス事業など公営交通を持っているところは、企業会計や特別会計を公表すると、びっくりするような財務内容の都市がでてくるハズです。

「身の丈にあったまちづくり」が大切です。

★その他

△財政力指数は0.89→0.91へ(3か年平均)。ただし単年度は0.94→0.93とダウン。

△公債費比率は15.1%で変わらず。

×経常収支比率は83.6%→86.4%へ、やや財政が硬直化しています。

×累積滞納額は70億円→76億円へ増加。

詳しい内容は10月の決算審査特別委員会に向けて勉強します。

|
|

« 雑誌(7/16) | トップページ | 行政経営計画(7/22) »

08.行財政改革」カテゴリの記事

A企画・総務・財政」カテゴリの記事

コメント

 遅くなりましたが、決算見込みについての考え方をお知らせします。田口先生の鋭い視点には、充分答えられずすみませんが、制度の仕組みとして、改革に向けてご意見をいただければと思います。
 なお、財政力指数について、皮肉はわかりますが、私は、1に近いほど、さらに1を超えるほど、財政の自由度が高まるという説明をしていますので、ご理解いただければと思います。  山崎

投稿: 山崎泰啓 | 2008年7月26日 (土) 22時18分

山崎副市長 ありがとうございます。

副市長のブログは、行政用語や財政の仕組みなどをわかりやすく書いてくださっているので、とても参考になります。
実は、これまでもずいぶん参考にさせていただいています。

「財政力指数」は皮肉ではありませんよ・・・^^; 数字をそのまま書いただけで、評価も×ではありませんから・・・。

私は企業会計と比較してみるのですが、財務のプロではありませんのでまだまだ見方は甘いかもしれません。しかし支援者の中には財務に詳しい方もたくさんおり、いろんなご指摘をいただくことがあります。

これからもアンテナを高くして、改革につながるような、前向きな提言をしていきたいと思います。

ついでながら、今年から「建設委員会」になりましたので、副市長も以前からご指摘の「上下水道の借金」についても、これから研究したいと思っています。

よろしくお願いします。

投稿: 田口 章 | 2008年7月27日 (日) 17時44分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/187245/41886502

この記事へのトラックバック一覧です: 決算速報(7/17):

« 雑誌(7/16) | トップページ | 行政経営計画(7/22) »