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2008年8月 7日 (木)

多文化共生勉強会(8/7)

静岡文化芸術大学の池上教授のお誘いで「多文化共生勉強会」が開催されました。

受講生は浜松市議会議員。

任意の勉強会でしたが、各会派から17人が集まり、多文化共生への関心の強さを感じるとともに、今後の活動に力を得ることができました。

池上教授からはデータに基づく現状報告がありましたが、その他、浜松国際交流協会(HICE)のポルトガル語相談員として活動している日系ブラジル人2世の三池さんから、日系人の視点からのお話もうかがいました。

質疑応答では、「集住地区の課題」、「教育」、「情報伝達」などについて意見交換をおこないました。

たとえば「情報伝達」について、日系人の主な情報源は、1位インターネット、2位母国語新聞(浜松に2紙)、3位母国語フリーペーパー(浜松3誌+広域版)、4位母国語ラジオ・テレビとなっています(池上教授のアンケートから)。

ちなみに「広報はままつ」ポルトガル語版は、アンケート回答者の33.7%が「利用する」と答えていますが、市役所のHPはわずか5.2%しか利用していません。情報源のNo1がインターネットなのに、なぜ、市役所のHPの利用者が少ないのか、考える必要がありますね。

★浜松市のHP(ポルトガル語)

もうひとつおまけですが、フリーペーパーの主な広告主が「住宅・不動産関係」というのも面白い事象だと思いました。滞在期間が長くなるにつれ、一戸建て住宅のニーズが高まっているということですね。

池上教授からは、「浜松は価格が高いのでまだ少ない。湖西や磐田、袋井方面ではかなり需要がある」とのことでした。これに対し、議員から、「浜松でも地域によって日系人が戸建て住宅を建てるケースが増えている」との報告がありました。

Welcome_pack三池さんからは「知らないこと、知らされていないことが多い」との声がありました。

市では「ウエルカムパック(写真)」を用意し、来日した日系人に市の情報を提供しているのですが、学校教育の仕組みや税金のことなど、正しく理解していない日系人が多いようです。

このあたりのミスマッチを解消するだけでも、共生は進むのではないでしょうか。

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この他にも、多くの情報を共有化できました。「外国人の問題としてとらえるのでなく、日本社会全体の課題として取り組むべき」との意見もありました。学校の不就学と不登校、そして非正規雇用など、確かにそのとおりです。

人によっては物足りないという方もいらっしゃったかもしれませんが、議員同士でもこれまでこういうテーマで話し合う機会がなかったので、私にとってはイイ勉強会になりました。

今後、個人的には、「自立支援」を基本に、日本語教育のあり方(親子とも)、子どもたちへの教育、日系人家庭への情報提供、地域共生への支援など「行政施策のあり方」、そして「企業の社会的責任」も含め研究していきたいと思っています。

来年の国会では、入国管理制度の見直しが議論されますが、その後の大きな変化に向けて、動き出さねばなりません。浜松は日系ブラジル人が日本一多い都市です。池上教授は「浜松はベンチマークの一つとなる」と発言していましたが、情報発信の拠点として、共生に向けた取り組みを進めていく必要があります。

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