市民税減税(4/27)
名古屋市長選挙で「市民税10%減税」を主張した河村たかし氏が当選しました。
でもホントに「市民税減税」はできるのでしょうか?
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市民税には「個人市民税」と「法人市民税」がありますが、ここでは「個人市民税」について書きます。
「市(町村)民税」は、均等割3000円+所得割6%という「標準税率」があります。「標準税率」ですので、“標準”を超えたり下回ったりするのは、理論的には可能です。
浜松市の市民税は「標準税率」を適応しています。
ちなみに「(都道府)県民税」は1000円+4%となっており、両方あわせて「住民税」と呼んでいます。
なお静岡県は、個人県民税の均等割に「超過課税」として「森づくり県民税」400円を上乗せしています。
余談ですが・・・、財政健全化を進めている夕張市では、標準税率を上回る超過課税(6.5%)を行っていますし、「軽自動車税」も標準税率の1.5倍となっています。財政が厳しい自治体は市民も大変です。
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では、下回る場合どうなるのか・・・。
最大の課題は「起債許可団体になる(借金しにくくなる)」ことではないでしょうか。
都道府県と政令市が起債する場合、健全な財政状況であれば、総務大臣との事前協議をすれば、同意・不同意にかかわらず起債が可能です(市町村は知事と協議)。
ところが夕張市のように財政状況が厳しくなると「許可」を得ないと起債できません。これと同じペナルティ(?)が、“標準税率未満団体”には課せられます。
どういう場合に「許可」「不許可」になるのかは明確ではありませんが、名古屋市が「市民税減税」を行った場合、道路や施設をつくるときに、総務大臣が起債許可を与えなければ、借金ナシで事業を行わなければなりません。
名古屋市は「不交付団体」で財政力はありますが、無借金で市政運営をするのは大変なことです。
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ちょうど先週の財政研修でこのお話があり、講師は「理論的には可能だが実際は困難」との評でした。
市民税減税は可能であれば最大の政策です。私もできる方法があるなら知りたいと思います。
河村氏が公約に掲げたこともあり、何か妙案(抜け道)でもあるのかと思い、講師に質問してみましたが、残念ながら「その候補者はこういう制度を知らないんじゃないの・・・」と一蹴されてしまいました。
しかし、今後、地方分権の進展とともに、こうした税財政の議論が進むのではないでしょうか。地方自治体の課税自主権については、今後も勉強します。
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ついでに、先週受講した「地方財政入門」の研修報告書をアップします。
上記の件は報告書には書いていませんが、公債管理など参考になることがたくさんありました。
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