環境自動車税(11/29)
先日、「環境自動車税についてどう思うか?」と聞かれたので、自分なりの考え方をまとめてみました。いかがでしょうか?
「環境自動車税」の内容については総務省の原案をご覧ください。
これに対する私見は次のとおりです。
○総論
平成24年度までに車体課税の簡素化、グリーン化、負担の軽減等を行う方向で抜本的な見直しを検討することとなっている(税制改正大綱)が、今回案は「重量税」と「自動車税」を表面上まとめただけで、2つの課税標準(CO2排出量割と排気量割)を用いており簡素化とはいえない。
また、道路特定財源だった自動車重量税(国税)は一般財源化により課税根拠を失っている。
それらをベースにした環境自動車税は不合理。
○軽自動車について
そもそも自動車工業会はじめ業界は、自動車にかかる税率は国際的に見て高すぎ、軽自動車の負担が国際水準であると考えている。したがって軽自動車の税負担を引き上げるのでなく、むしろ小型自動車を引き下げるべきである。
軽自動車は省資源で低燃費、環境にやさしいクルマであり、軽自動車の税額を引き上げることは環境対策に逆行している。
軽自動車は公共交通機関が未整備な地方の移動手段に欠かせない足であり、とりわけ農業や漁業、個人商店など零細事業者の移動手段として不可欠なことからも、税額を引き上げるべきではない。
なお、自動車関係諸税の問題については、下記のサイトに詳しく書かれています。
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財政同様、環境問題についても「次世代にツケを残してはいけない」のは言うまでもありません。しかし政府内でも環境諸税について統一した見解が示されていない中、総務省から出された今回の提案は、少々唐突感があります。
一方で、総務大臣の片山善博さんは、鳥取県知事時代から“根回しナシ”のガチンコ政治を実践されていた方なので、「さもありなん」という気もします。
現時点で環境自動車税の導入議論は来年以降に先送りされたようですが、是は是、非は非で、真摯に国民の声に耳を傾けていただけるものと思っています。
写真は「スイフト・レンジエクステンダー」。今後はこのようにモーターで動くクルマが増えるんでしょうね。
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久しぶりに来ました。随分こまめに、深い洞察力で色々な話題で更新がされていて、すごいと思います。
最近読んだ週刊誌で、「CO2が増えたから温暖化したのではなく、温暖化して海水中のCO2が大気中に放出されたからCO2が増えた。地球温暖化の原因はCO2ではなく、CO2は環境問題ではない。」という記事があり、CO2削減を掲げる今の環境対策は本当に正しいのかと思いました。本当に何が正しいかは、学者でさえ諸説あって、一般人の我々には分からないと思います。
しかし、枯渇対策としての資源節約、これは間違いなくやるべきことだと思います。その意味で実効性のある税制改正であればやるべきです。
これまでのエコカー減税やら補助金は、消費促進策であって、環境改善・資源節約にはなってないですよね。田口さんの仰るように、軽・小型へのシフトを促進する方向でのシンプルな税制構築であって欲しいです。
投稿: kawa | 2010年12月 2日 (木) 00時38分
Kawaさん、コメントありがとうございます。
ほぼ一月遅れのレスになってしまいました。
おっしゃるとおり、温暖化対策や環境問題は諸説さまざまで、専門家ではない私にはなかなかわからないことがたくさんあります。
しかし「やれることをやる」のは大事なことだと思います。
「ハマー」がエコカー補助金の対象だったというのはいかがなものかと思いますが・・・。
投稿: 田口 章 | 2010年12月31日 (金) 22時43分