静岡県の防災について(8/25)
東京の労働組合関係者から「防災先進県といわれる静岡県の危機管理について聞きたい」とのリクエストをいただき、昨日、お話させていただきました。
とはいうものの県議になってまだ4ヵ月。市議の経験があるとはいえ、たいした予備知識もなかったので、これを機にいろいろ調べてみました。
「明日起こっても不思議はない」といわれた東海地震説から35年。これまでの県の地道な取り組みは、着実に地域や県民に根付いていると感じました。その一方で、今回の大震災を受けての改善点も散見されました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
現在、県は「地震対策アクションプログラム2006」に基づき、想定死者数を半減させることを目標に「住宅や公共建築物の耐震化」、「急傾斜地対策」、「緊急輸送路の整備」などを進めています。
県のサイトには、「平成19年8月修正版」しか載っていませんが、最新版は「平成22年6月修正版」となっています。
最新版では、これまでの取り組みを踏まえ、当初の127アクションから目標を達成したものを除外し、新たな課題として「防災無線のデジタル化」など10アクションを追加し、96アクションを実施することとしています。
また「家具類を固定している県民の割合」のように、すでに当初目標として掲げた66%をクリアしているものについては、目標数値を74%に上方修正するなど取り組みを強化しています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
県の取り組みを振り返る中で、当たり前と思っていたことが、実は他県から見るとスゴイことだったりするんですね。
たとえば、「静岡県では、ほとんどの地域(自治会単位)で自主防災隊が組織されている」、「可搬式ポンプも多くの組織で持っている」という話をしたら、「さすが静岡。行政だけでなく県民や地域にも浸透しているんですね」との評価をいただきました。
(実際には、自主防災隊の隊員や消防団員の確保など、課題は全国共通ですよ・・・とも付け加えましたが)
確かに、自主防について調べたら、県によって相当バラつきがあるんですね(下記P174参照)。なお可搬式ポンプは基本的に市町が所管し配備していますが、県も補助金を出しています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一方、今回の震災を踏まえて、見直すべき点もあると感じました。
たとえば「広域受援計画」。
ここでは“応急対応”として必要な「救助活動・消火活動」、「医療活動」、「物資調達」、「輸送活動」の進め方を定めています。
国・県・市町の役割分担を明確化しており、一見キチンとしているように見えますが、今回のように、市町の行政機能が失われた場合にどうするのか?また想定外の被害があった場合に拠点やルートの確保や代替機能をどうするのか?といった課題があります。
実際には市町が実施する部分もたくさんありますが、県も「計画を立てたがあとは市町任せ」ではなく、市町の対応状況までチェックすべきと考えます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昨日は首都圏在住の方が多かったようで、「富士山の噴火対策」についても質問をいただきました。
まだ勉強不足でお答えできませんでしたが、「“ふじのくに”危機管理計画」の個別計画の中に「地域防災計画編・火山災害対策の巻」がありますので、公表されたら報告したいと思います。
いずれにしても、総括的に県の防災のイロハを学ぶイイ勉強になりました。今後に活かしていきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最初のグラフは「国土地理院」の資料。掛川から見た御前崎の地盤沈降のグラフです。約50年前に比べて25cmほど沈下しているのがわかります。リバウンドがくるのは間違いありません。
8月30日から9月5日まで「防災週間」です。災害への備え、食料や水の備蓄のほか、災害用伝言ダイヤルの体験利用もできますので、ぜひこの機に再確認しましょう。
| 固定リンク
「01.総務・行政経営・危機管理」カテゴリの記事
- 退職手当債、行革推進債、減収補てん債(2019.02.21)
- 平成31年度当初予算の概要(2019.02.21)
- 地域防災訓練(2018.12.02)
- “ミニ”ふじのくにカフェ(2018.11.10)
- 決算特別委員会(2018.10.27)
コメント