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清貧と復興(9/30)

火曜日から続く本会議の質問。来週月曜日まで続きます。

「民主党・ふじのくに県議団」からは、昨日は浜松市東区選出の源馬謙太郎議員が「地域主権」や「教育(委員会)改革」などで一石を投じました。

今日は会派幹事長の高田泰久議員と、沼津市議3期のキャリアを持つ曳田卓議員が1期生のトップを切って登壇し、「エネルギー政策」や、遠野市で学んだ「被災者後方支援」、私も関心の高い「中小企業支援」や「財政」に関する質問をしました。

みなさんそれぞれに研究されていて、非常に参考になる議論でした。

私も12月議会の質問に備えて、そろそろテーマ選定に入ろうと思います。

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ここ数日、新幹線で往復していますが、こんな本をお供にしていました。

“メザシ”で有名になった土光敏夫さんのことを書いた本。

土光さんはサラリーマン出身の企業経営者ですが、第二次臨時行政調査会の会長としても有名です。

行財政改革は30年前から必要とされていますが、いまだに道半ばです。

この本を読むと土光さんは政治家に必要な見識もお持ちだったことがわかります。

こんな時代だからこそ読みたい本です。

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観光振興条例プロジェクトチーム(9/28)

Dscf0763 午前中は会派で「観光振興条例プロジェクトチーム(PT)」の会議を行いました。

会派では、議員発議による条例制定をめざして「観光振興PT」と「食の安全PT」の2つのPTを立ち上げて検討を進めています。

条例制定には、議会全体でのコンセンサスを得るなど、さまざまなハードルがあるので、どこまでできるかわかりませんが、まずは私自身の勉強を含めて、議論に参加しています。

これまで2回の会議では、「全体の進め方」を確認したほか、「他県の条例」を勉強してきましたが、今日は「静岡県の観光振興計画」について県の担当部門と意見交換しました。

「県と市町の役割分担」など条例化することによってわかりやすくなりますし、意欲的な事業者や地域を重点的に支援することなど、施策の重点化もやりやすいのではないでしょうか。

今後、さらに検討を進め、条例化に向けて取り組んでいきたいと思います。

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午後は本会議。代表質問、一般質問が行われます。

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代表質問その2(9/27)

代表質問初日。「民主党・ふじのくに県議団」からは大池幸男議員が登壇しました。議論の一部をピックアップしてご紹介します。

◆浜岡原発

原子力安全規制組織と利用推進組織の分離など国のチェック機能の強化が必要。県として「宣言すればよい」というものではなく、国のチェックを受けた上で県としても多重チェックを行い安全性を検証していく。

◆津波対策

国が「東海・東南海・南海の3連動地震」の被害想定を来年夏までに出す事から、県としても、“来年度後半のなるべく早い時期” を目途に第4次地震被害想定を策定する。

◆来年度予算編成

財政状況は厳しいが、「少子化」、「雇用」、「津波」、「新エネルギー」など必要な施策を進めていくために、補助金のサンセット化や県税徴収の強化を図るなど、行財政改革大綱に基づき財源を捻出していく。

◆地方分権一括法施行による義務付け枠付けの見直し

年度内に福祉や公営住宅など10法律、44条項において県としての条例制定が必要。地方分権の趣旨にのっとり、関係者からも意見を聞きながら条例制定を進めていく。

◆CIO(情報統括官)の設置

これまでも6億円のIT経費削減など進めているが、CIO補佐官の設置を検討。「行政経験」があり、県に「愛情」を持ち、「人柄」のよい人材を求めていく。

◆新東名

県内10のインターチェンジと13のSA・PAを活用し、工場用地開発可能性を調査するなどし、柔軟な土地の利活用を進めたい。ヘリポートなども設置し危機管理にも備える。

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盛りだくさんすぎてとても書ききれませんが、来月上旬発行予定の「後援会だより10月号」で詳しく報告します。

「CIO補佐官」は、最初は部長答弁だったのですが、再質問に対し知事から前向きな答弁をいただきました。

「地方分権一括法に伴う義務付け枠付けの見直しによる条例制定」は、地方分権(地域主権)が進む中、私たちが地方自治体としてまずやらなければいけないことです。分権改革を止めないためにも、国の一律管理から脱却し、“ふじのくに” 独自の条例制定に向けてチェックしていきます。

「津波対策」は県民の関心も非常に高いテーマですが、関心ある方はぜひ「中央防災会議 地震津波対策専門調査会」のサイトをご覧ください。

★中央防災会議(「東北地方太平洋沖地震を教訓とした 地震・津波対策に関する専門調査会」のサイト)

明日、最終報告が出されるようです。

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代表質問(9/27)

静岡県議会では今日から代表・一般質問が始まりました。

午前中は、総合計画の進捗チェックや浜岡原発、搭乗率保証などホットなテーマなどが議論されました。

午後は13:30から、会派「民主党・ふじのくに県議団」から大池幸男議員が代表質問に登壇します。

来年度予算編成の考え方、地震被害想定の見直し、原子力政策、企業立地、失業者支援、地方分権など基本的かつ重要テーマのほか、夏の間会派で研究した「CIO(情報政策統括官)」の提案など盛りだくさんの提案を予定しています。

インターネットでも中継されますので、ぜひご覧ください。

★静岡県議会のHP

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日曜出勤の総括(9/25)

世間的には3連休。先週末からの “シルバー・ウィーク” を楽しまれた方もいらっしゃるのでしょう。

自動車関連産業にお勤めのみなさんは、今日が最後の日曜出勤日。残念ながら “シルバー・ウィーク” は縁のない話でしたね…^^;

今回の土日勤務、個人的にはもともと議員の仕事は土日関係ナシですし、体力にも自信があったので、私の生活にはあまり関係ない…と思っていたのですが、正直 “精神的に休まる日がナイ” というのは結構キツかったです(未熟者)。

個人的な話はともかく、今回の施策の評価はどうだったのでしょうか?

事前に懸念されたのは「保育」や「介護」の問題でした。

特に「保育」については、国の対応の遅さから市町村は相当困惑しました。費用負担や実施施設など、現場を抱えている市町村は大変だったと思います(この問題はまだ解決していません)。

いざ始まりますと、今度は「家族」や「地域コミュニティ」への影響がクローズアップされました。「親子関係」や「ご近所との関係」、とりわけ夏休みのイベントなどで苦労された方も多かったと思います。

「地域の絆」は今回の震災でも再認識されましたが、「家族制度」とともに、これまでの日本社会を支えてきた大きな要素です。地域からは「電力需給の中やむを得ない」との声が聞かれましたが、払った犠牲は大きかったと思います。

自工会や自動車総連は、今後、総括をすると思いますが、自動車産業はPDCAサイクルを回すのが得意ですので、成果と課題をしっかり評価して、新たな施策につなげてほしいですね。

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Dsc_0034写真は週末の記録。

上は23(金)入野地区社協の「佐鳴湖ふれあいまつり」。

下は25(日)入野町道陸地の屋台披露式典。

Dsc_0048背景は八幡神社の見事な楠(樹齢約450年)。

24(土)は県政報告2件+フツーに仕事をしていました。

9月議会の産業委員会 所管事務調査にむけて調査研究中です。

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水防の大切さ(9/22)

Dsc_0031 今日の中日新聞にも書かれていましたが、今回の避難勧告にはいろんなご意見が出されています。

浜松もさることながら、名古屋市の100万人なんて一体どこに避難するのか・・・。とにかく、行政としてふだんから水防の備えが十分でないことを露呈してしまいました。

まずは情報伝達手段。

昨日の避難勧告は「TVで初めて知った」という人が多かったようです。

また「市のHPがつながりにくかった。つながっても情報不足だった」とのお叱りもいただきました。

ネット環境の無い人も多いですし、停電のリスクもありますので、さまざまな告知手段を用意する必要がありますね。

たとえば「消防団」は消防車がありますので警戒告知ができますが、「水防団」にはクルマはありません。「消防団」が広報に動く仕組みになっていたのかなぁ・・・。

そんな中、まずわが身を守るためにできることとして下記をご紹介します。

浜松市は「防災ホッとぼっくす」というサイトで日常の情報提供を行っています。

★浜松市防災ホッとぼっくす(浜松市のサイト)

この中にある「防災ホッとメール」で緊急時にメール配信するサービスも行っています。登録してみてはいかがでしょうか。

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避難の是非についても考えないといけません。

数年前に「洪水ハザードマップ」を配布しましたが、すでに存在を忘れられているかもしれません。自分のおかれた環境を再確認すべきです。

周囲の環境(雨の状況や河川の状況、浸水の程度)によっては、一戸建てならむしろ2階への避難を呼びかけるほうが適切な場合もあります。

避難場所についても適切かどうか考え直す必要がありそうです。地震の時はよくても洪水や津波の時はダメとか、地域によって再確認する必要があります。

今日、「公共施設だけでなくショッピングセンターも避難場所にならないか?」というご意見をいただきました。

静岡県はイオンと防災協定を結んでいます。ただし地震の時の物資支援協定だと思いますので避難場所は入っていないと思います。避難場所は市の業務分担となっていますのであらためて確認します。

今後、浜松市は「津波避難場所」の民間協定を進めていく予定ですが、洪水避難場所まで広げて検討する必要があるかもしれませんね。今回の事例を教訓に課題提起します。

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今日は市内の数ヵ所をみてきましたが、倒木やビニールハウス損壊のほか、浜名湖では岸に打ち上げられた船を片付けている方もいらっしゃいました。

いまだに停電が続いている地域もあります。中山間地域では道路が寸断されて孤立している集落もあります。

行政機能を駆使して、速やかな復旧復興を進めていかねばなりません。

写真は濁流に削られている道路。ガードレールが一部垂れ下がっています。(天竜区)

Dsc_0030

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サイポスレーダー(9/21)

Sipos_2 台風15号で被災された皆様にお見舞い申し上げます。

久々に台風の直撃を受け、あらためて危機管理の大切さを感じました。とりわけ「情報」は重要です。

静岡県のサイトには「土木総合防災情報(サイポスレーダー)」があり、降水量や河川の増水状況がわかるようになっています。

★サイポスレーダー

私の住むところは海抜2mに満たず、近所にはちょっとの雨でも浸水するところがけっこうあります。そのため、私は、豪雨時にはいつも「堀留川」の水位の変化をチェックしています。

今日も気になっていたのですが、県庁にいましたのでなかなか雨風の状況がわかりませんでした。知り合いからは、「停電してる」、「浸水してる」などメールで情報が入るのですが、単発情報なのでなかなか全体が把握できません。

そこでいつものように「サイポスレーダー」を見ようと思ったのですが…、つながらないんです、今日は。よほどアクセスが集中したんでしょうね。これはだれでも見ることができる重要な情報ですので、回線の確保が必要ではないでしょうか。

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余談ですが、先日、視察した西宮市は独自に市内の防災情報をネットで配信しています。さすが吉田CIO。市民の目線で、市民が欲しい情報を提供しています。

★西宮市の防災情報のHP

右下にある「西宮市雨量情報」をみると市内各所の降水量がわかります。キメ細かい対応ですね。

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今日は停電も多かったですね。ウチの近所でもかなりの世帯で停電しており、雄踏街道バイパスでも数ヵ所の信号が動いていませんでした。

「停電の復旧状況が知りたい」・・・近所の人の声です。

地図情報システム(GIS)など使ってできないものでしょうか…、中電さん。

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Kentyo 写真は今日昼前の県庁。

本館4階にある会派控室から、ふと外を見ると、街路樹が倒れていました。幸いケガ人はいなかったようですが、駐車中のクルマにぶつかったようです。

日本中さまざまなところでこうした被害が出ていますが、震災被災地のさらなる被害が心配です。

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雇用創造アクションプラン(9/20)

明日21日から静岡県議会9月定例会がスタートします。本会議の質問者や日程など詳しくは下記をご覧ください(質問テーマはまだアップされていません)。

★静岡県議会HP

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私は12月に質問に立つ予定ですので、今回も「産業委員会」の議案や所管事務を中心にチェックします。補正予算案では円高対策や雇用創出事業など喫緊の課題が提案されます。

★9月補正予算案

関心の高いもののひとつに「雇用創造アクションプラン」があります。

静岡県は平成25年度までに3万人の新規雇用の創造をめざすこととし、来年1月末をメドに「雇用創造アクションプラン」を策定します。今議会にはこの「骨子」が報告されています。

リーマンショック以降、雇用情勢が悪化しましたが、追い討ちをかけるように超円高や震災が起きました。

7月の静岡県の有効求人倍率は0.58倍と、全国平均の0.64倍を下回る状況が続いており、震災時(3月)の0.61倍まで戻っていません。とりわけ県西部地区は0.51倍と厳しい状況が続いています。

ちなみに震災で大きな被害を受けた岩手県は0.55倍、宮城県と福島県は0.62倍と復興需要にも支えられ回復が進んでいますので、静岡県の状況がいかに深刻かおわかりいただけると思います。

(注:県西部は “実数”、その他は “季節調整後” の数値のため相対比較はできません。ちなみに静岡県の実数は0.55倍。統計資料ってのはわかりにくいですね・・・)

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こうした状況を受け、県では8/19に「経済産業政策 第3回本部会議(円高、雇用対策)」を開催。この中で、知事から「雇用対策を総合的に進めるアクションプラン」の作成が打ち出されました。

「雇用創造アクションプラン」の目標3万人は、リーマンショック前、平成19年度の県内の失業者約5.5万人に対し、現在約8.2万人が失業していることから、リーマン前の水準をめざそう・・・という設定です。

私たちの生活の基盤は何と言っても“働くこと”。労働により対価を得、社会に貢献し、共生社会を作っていかねばなりません。

基幹産業の活性化や成長産業分野での雇用拡大、企業誘致など、働く場の確保がまず第一ですが、「雇用のミスマッチ」も大きな課題です。

アクションプランの詳細は、今後、労使や市町、教育界を巻き込んで進めていくとしていますが、“現場”の声を活かして実効性の高いプランにして欲しいものです。

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リーマンショック後の平成21年6月、私は浜松市議会の代表質問で「産・学・官・金・労による雇用プランの構築」を提案しました。

やすとも市長は「計画策定に取り組む」と答弁してくれたのですが、浜松市はいまだに「雇用プラン」を作っていません。

★後援会だより21年6月号(PDF) なつかしいなぁ…

県は、さらなる雇用情勢の悪化を受け、計画策定に取り組むことにしたわけですが、この考え方は、私が当時思い描いていたものに近いと思いますので、早期に実施できるよう、私も前向きに意見反映に努めていきたいと思います。

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台風の影響で名古屋や紀伊半島など非常に切迫した状況です。みなさんもくれぐれもご注意ください。

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歴史に学ぶ危機管理(9/18)

Hamahaku1 浜松市博物館に行ってきました。

3月にリニューアルされた博物館内部の常設展示は、黒基調の内壁に白抜きの説明パネルなど、見やすくなっていました。

「金銀装円頭大刀」を見たかったのですが、豊橋市に貸し出しているとのこと。ちょっぴり残念でしたが、多くの人の目に触れるのは良いことです。

★金銀装円頭大刀のブログ記事(23.1.13)

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さて本題。

今日、博物館にうかがったのは、過去の地震の被災状況を調べるためです。

博物館長の太田さんは、6月に「遺された浜名湖周辺の災害記録」と題した市民講座を開催し、最近も市内各所で「出前講座」を行っています。

今、国で地震・津波被害想定の見直しが行われていますが、公表は来年の春以降になる見込みです。未来のことはなかなか予想できませんが、過去の事実は歴史をひもとけばわかります。

静岡県は平成8年に「静岡県史 自然災害誌」を発刊しています。さまざまな古文書から地震・津波災害などの記述を集めたもので、「さすが防災先進県」と思いましたが、その中で多くの被災状況が明らかになっています(同誌は図書館などにもあるそうです)。

また、江戸時代、入野村に住み、「佐鳴八景」を詠んだ歌人「竹村広蔭」は、著作「変化抄」の中で次のように述べています(原文意訳)。

嘉永七年寅(安政一年1854年)十一月四日朝五ツ半時大地震にて、当村三十二軒皆壊、その余過半大破、本家(竹村家)土蔵一、長屋・小屋皆壊余大破、・・・(略)

当村、即死一人平三郎内、その余怪我人一人もこれ無し、伊場・西鴨江・志都呂一軒も壊家これ無し、前通りの村々これまた左程にはこれ無き候

山崎にては家壊れ手足挟まれ悲しみ候に付き、人々寄りて切り出し申し寄候ところへ、「津波打ち来に候」と呼びたて候えば、そのまま打ち捨て逃げ去り候由、挟まれ居候当人はその節の心中思いやられ候、右様の始末所々にこれあり候

安政二年卯六月まで、日々両三度ずつ揺れ止まずこれ有り候ところ、七月廿六日大風雨にて高潮来たりて田畑荒れ候ところ、高飲みの分は少なく残り候ところ、また八月十九日より廿日大風雨にて高潮満ち来たり、堤を打ち越して人々の居屋敷に乗り、毘沙門堂より本家前道まで付く、薬師堂より北通り三途まで乗り申し候

田畑ならびに川畔残らず塩腐りに相成り、東山田井の元しばらく残り候えども、潮風にて皆無、人々種を失い申し候

舞坂より西篠原まで前後高潮、西鴨江・片草・志都呂・宇布見皆無種無し、・・・(略)

同九月廿八日暮六ツ時また候大地震にて、手前ども手入れいたし候分大破損に相成り、(略)、寅年(1854年)地震よりは余程ゆるやかに候ところ、前通り村々は余程強く米津村廿七間皆壊の由、白羽・中田島辺寅年同様泥水噴き出し渡り候由、当村はこのたびの大地震にて元々へ揺り直し候趣にて、潮は満ち来申さず、それよりだんだん当村人気少し立ち直り候気合に相成り申し候

三島村より下、壊家多くその上泥水噴き出し流れ渡り候由、田畑高低に変地し、町屋辺家過半壊、同泥水噴き出し膝を過ぎ候くらいに流れ渡り・・・(略)

安政東海地震では、入野より海岸に近い地域(前通り)や、伊場・西鴨江・志都呂で被害が少なかった割に、入野の家屋倒壊が大きかったことがうかがえます。また雄踏町山崎では、家屋倒壊のところに津波が来た様子がわかります。

また安政東海地震の翌年、7/26と8/19-20の2度にわたり台風が襲来し、田畑だけでなく家屋まで高潮の被害を受けたようです。今の被災地を思い浮かべると、おそらく安政東海地震の時に地盤沈下が起きたのはないでしょうか。

さらに同年の9/28の余震被害は、入野は“ゆるやか”だったようですが、海に近い地域では液状化の被害が出たことが書かれています。

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なお、抜粋していない記述の中に、地震(11/4)の翌日、(海岸に近い)前通り村々の人が、余震による「津波のうわさ」で、あわてふためいて入野村や伊場村へ駆け逃げる様子(鍋やお櫃、米麦を持って逃げ回る姿)が書かれていました。

「前通り」には、三陸と同じように “津波が来たら山まで逃げろ” という言い伝えがあったのかもしれません。

安政東海地震は今切口から浜名湖に入った水が西から浸水したと言われているのですが、もしかしたら、過去には前浜から津波が浸水したことがあっんでしょうか…(私の推察の域を出ませんが…)。

安政東海地震はM8.4と考えられていますが、それ以前にも、東海・東南海・南海の三連動地震としてM8.6クラスの宝永地震(1707)があり、さらにさかのぼるとM8.4クラスの明応地震(1498年)が起きています。宝永地震の直後には富士山の噴火(宝永大噴火)もありました。

歴史に学ぶことは多いのではないでしょうか。今日は “地元ネタ” でスミマセンが、私自身、イイ勉強になりました。

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視察報告(9/15)

Dsc_0109 先週の視察報告を作りました。

とりあえず「奈良県のクラウド共同化」と「西宮市の被災者支援システム」についてアップします。

★奈良県のクラウド共同化について(PDF)

★西宮市の被災者支援システム(PDF)

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自治体クラウドの先進地は、京都府、佐賀県、北海道と言われていますが、取り組みやすいのは「奈良モデル」といわれています。

「奈良モデル」のネット情報は少ないのですが、次のような記事がありましたので紹介します。私の報告だけではよくわからないと思いますので、あわせてお読みいただくとよいかと思います。

★クラウドWatchのサイト

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西宮市の「被災者支援システム」はあらゆる災害時に活用できるスグレモノです。

東日本大震災でも、「罹災証明書」の発行など行政手続きの遅れが被災者の不評を買った…との指摘がありました。

「被災者支援システム」は西宮市が阪神大震災の時に独自に作ったシステムを改善し、「住所氏名」など基本情報に加えて、「被災状況」、「住居情報(避難所・仮設含)」、「義援金支給」など、実際の復旧事業に必要なデータを一元管理するシステムです。

現在、全国の自治体が自由に活用できる仕組みになっています。

「罹災証明書」をはじめ、各種手続きがスピーディにできるということで、東日本大震災後、問い合わせが増えているようです。知らない人は下記サイトをぜひご覧ください。

導入に慎重な自治体もありますが、行政の役割は「住民の安全・安心、生活を守る」ことですので、基礎自治体関係者の方は、ぜひご一考いただきたいと思います。

★西宮市のサイト

(西宮市のURLは普通の自治体とはちょっと違うんですけど、わかりますかね?)

【写真は奈良県庁屋上からみた若草山と東大寺。今回、奈良市の滞在時間はわずか3時間でした(またゆっくり行きたいです)】

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西遠流域下水道(9/14)

Dsc_0003 一日遅れの記事ですが、昨日「西遠流域下水道 西遠浄化センター」に行きました(写真)。

下水道は基本的には市町村が事業運営しますが(「公共下水道」と呼びます)、複数の市町村にまたがる場合「流域下水道」として県が運営しています。

静岡県には、「西遠 流域下水道(浜松市)」のほか、西から「天竜川左岸 流域下水道(磐田市)」、「静清 流域下水道(静岡市)」、「狩野川 流域下水道 西部処理区(沼津市など5市町)・東部処理区(伊豆の国市など3市町)」の、4流域・5処理区があります。

お気づきかもしれませんが、「狩野川」以外は「流域下水道」なのですが “1市単独” です。これは、以前、複数の市町にまたがっていたものが、市町村合併で1市になったことによります。

ただし“合併特例”により、10年間、「流域下水道」として引き続き運営しているということで、今後、平成25年度に「静清」、平成27年度「天竜川左岸」、平成28年度「西遠」が、それぞれの市に移管されます。

「西遠浄化センター」は県下最大の施設で、日当たり15万トンの処理能力がありますが、移管までに20万トンに増強される計画となっています。

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8月末に、浜松市から県に出された「平成24年度県予算に対する要望事項」のひとつに、「西遠流域下水道施設の地震対策事業及び津波対策促進」がありました。

下記のページで場所を見ていただければわかりますが、「西遠浄化センター」は天竜川河口の海岸端にあり、誰もが「津波・・・大丈夫?」と聞きたくなる場所にあります。

★西遠浄化センター(静岡県下水道公社のサイト)

施設全体の高さは約4.5m。海岸に6m弱の防潮堤があり、現在の第3次地震被害想定では浸水は予想されていませんが、津波被害想定の見直しを踏まえた対策は不可欠です。

浜松市の言い分は、「平成27年度末までに県でしっかり津波対策をやれよ」ということです。聞けば、「流域下水道」の方が、国庫補助を受ける際のメリットが大きいとのことでしたので、移管後に浜松市がやるよりも早めの対策が必要ですね。

また、「下水管(管きょ)」について質問したところ、流域下水道が持っている“幹線”は、大きさと埋設の深さから「耐震性は高い」との話でした。

しかし、幹線の通っている天竜川右岸や浜松市南部は液状化が懸念されていますので、今後、検証したいと思います。

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また、今後の課題として避けられないのは「財政課題」です。

流域下水道の移管に際しては、「資産」はもちろんですが「負債」もセットで移管されます。

浜松市の下水道の借金は1900億円弱。市の借金全体の35%ほどを占めていますが、そこに上乗せされることになります。おそらく約140億円ほどではないか・・・ということですが、こちらも今後チェックします。

幸い(?)、「静清流域下水道」が静岡市に移管されるのが先ですので、そちらの状況をウォッチしていきたいと思います。

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なお、県内の4流域下水道は「財団法人 静岡県下水道公社」が管理運営していますが、5年後には「狩野川」のみになってしまいます。

今後、どうしていくのか? 外郭団体改革のひとつとして検証します。

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「西遠浄化センター」の屋上は緑の芝生が広がる公園で誰でも入れます。休みの日には地域のスポーツ少年団などが活用しているとのことで、地域にも貢献しているようです。

下水道は公共性の高い施設ですので、行政の仕事として当然やっていかなくてはいけませんが、住民に愛される施設であると同時に、安全性や効率性をしっかりチェックしていく必要があります。

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インターネット傍聴(9/14)

浜松市議会では、10時からおおむね15時頃まで「代表質問」が行われます。6月議会は聞きに行きましたが、今日は所用があり傍聴に行けません。興味あるテーマもありますので、ネットで聞く予定です。

★代表質問の質問者一覧(浜松市議会のサイト)

★浜松市議会インターネット中継(同上)

また、県庁では、15時から17時まで「行財政改革推進委員会」があります。9/2に予定されていたのですが台風で今日に延期されました。

こちらも過去2回傍聴していましたが、今日はネット中継で見ることにします。

★静岡県行財政改革推進委員会(静岡県のサイト)

配布資料もダウンロードできますので参考になります。「浜松地域テクノポリス推進機構」もテーマに載っているようです。

今後の予定を見ると、12月に「クラウド」を取り上げるようですね。私も12月の一般質問で取り上げようと思っていましたので、非常に興味深いです。

興味あるみなさんは、ぜひご覧ください。

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搭乗率保証(9/13)

311554_137600803000369_100002513499 川勝知事が、日本航空から提訴された「運行支援金請求事件」について、和解する旨を公表しました。

搭乗率70%を保証するという覚書に基づく請求金額 1億5295万0604円(+両方の訴訟費用) に対し、和解金額は 1億4980万0627円(+県の訴訟費用)ということで、“JAL撤退表明後の310万円余については支払わなくてよい” という事のようです。

いわゆる「搭乗率保証」に関する、現在の私の考えは・・・、「静岡空港活性化のためには、こんなゴタゴタは早く切り上げて、JALに“新路線(難しいかもしれませんが…)”や“チャーター便”を飛ばしてもらったほうがよい」・・・というものでしたので、今回の知事の決断を歓迎します。

県民に対する説明や責任の所在を問う声は出るかもしれませんが、良し悪しは別にして、もともと前知事が約束し議会も承認した「搭乗率保証」を、「払わない」としたことは商慣習的に民間企業出身の私には理解できませんでした(いろんな考え方はあるんでしょうが…)。

7-8月に静岡空港会社を2度訪問しました。また過日、神戸空港も訪問しましたが、私は「空港活性化は “空港の利便性向上”によってしか達成できない」と考えます。

その点、(FDAが就航したというものの)JALの撤退は静岡空港にとって非常にキビしいものだったと思います。神戸空港もJAL撤退のあと、スカイマークエアライン(SKY)が路線を確保しているようですが、やはりJALにはかなわないとのことでした。

現在、空港にぎわい創出事業として「空港ティーガーデンシティ構想」が進んでいますが、どんな付加的な魅力を創出したとしても、空港として“本質的な魅力”=交通ネットワークとしての利便性がなければ、人は訪れないのではないでしょうか。

活性化しようと思えば航空事業者の協力が不可欠ですので、まずは中途半端な状態に終止符を打つためにも速やかに和解すべきです。

静岡空港の是非については、本質的な県民の利便性向上をベースに、費用対効果や経済波及効果など、さまざまな視点から検証していきます。

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視察3日目

視察3日目
午前中は神戸空港へ。
JAL撤退のあとスカイマークエアラインの協力を得て、就航便の確保に取り組んでいますが、経営には苦労しているようです。
海上空港のメリットを生かした活性化に取り組んでいました。

写真は神戸空港屋上からみた神戸市街地。ランドマークの高層ビルと六甲山の稜線がなかなかキレイでした。

午後は西宮市。情報システム改革と被災者支援システムを聞きました。
とても熱いCIO補佐官でした。

西宮市の被災者支援システムは、あらゆる災害時に使える優れもの。
東日本大震災を受けて、導入する自治体が増えています。
浜松市もすでに利用しているようですが、静岡県では24市町で利用しているとのこと(もしかしたら浜松市が7つ(区)でカウントされているかもしれません…)。

県として市町の導入をバックアップする体制を取るべきと痛感。

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スーパーコンピューター京

スーパーコンピューター京
事業仕分けで一躍有名になった理化学研究所のスーパーコンピューター「京(ケイ)」を見てきました。

1200億円を投じて獲得した「世界ナンバーワン」。今後の活用に期待がかかります。

地震や津波の予測をはじめ次世代ものづくり宇宙科学など、さまざまな用途が考えられています。

不得手な分野ですが、いい勉強になりました。

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視察初日

視察初日
昨日は福井県庁で原子力政策を調査しました。

近畿地方の台所を預かる県として、40年もの間培ったノウハウを聞きました。

強く印象に残ったのは、専任スタッフの経験、知識の深さです。

原子力安全対策課の方は「保安院」にいたこともあるとのことで、30年以上、原子力行政に携わっているそうです。

「もんじゅ」の事故の際も、県として積極的に関与したそうです。

法定外課税の「核燃料税」についても、新たな課税基準を設けています。

詳しくは後日。

写真は夕方訪れた「一乗谷」。
ソフトバンクのCMで脚光を浴びていますが、雰囲気のイイところでした。

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明日からの視察(9/5)

久しぶりに太陽を見た気がします。

このたびの豪雨災害にあわれたみなさんに心からお見舞い申し上げます。北海道や新潟などは、まだ雨が続いているようです。被害が最小限に止まるよう祈念します。

明日から会派有志で視察に行きます。テーマと訪問先は次のとおりです。

①福井県 原子力発電所の安全対策

②奈良県 自治体クラウド

③理化学研究所(神戸市) 次世代スーパーコンュータ計画

④神戸市 神戸空港

⑤西宮市 被災者支援システム

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①福井県には13基の原発と原子炉・もんじゅがあり、「原発銀座」とも呼ばれています。

今回の福島第一原発事故を踏まえ、県としてどのような安全対策を講じているのかを調査予定です。

②自治体クラウドの先進地域は京都府や佐賀県だと思っていたのですが、「視察に行くなら奈良県の取り組みが参考になる」と教えていただきました。

県として市町を支援するためのクラウドの取り組みを勉強してきます。

③「2位じゃダメなんですか?」で有名になった“スパコン”。

直接、県政にフィードバックできるかどうかわかりませんが、クラウドに関連して視察します。世界一の評価をいただいた“京(ケイ)”のある理化学研究所計算科学研究機構をうかがい今後の展望を聞きます。

④国内97番目に開港した神戸空港。

関西地方では最後発で、関空・伊丹など競合する空港も多く、さまざまな工夫があると聞きます。スケールは違いますが、富士山静岡空港活性化の参考にするために調査します。

⑤阪神大震災で被災した西宮市はICTを活用した「被災者支援システム」をつくり、無料で他の自治体でも使えるようにしています。

危機管理(被災者支援)とICTの両面から、勉強してきます。

この夏最後の視察。これが終わると、いよいよ9月定例会が始まります。

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地域主権の行方(9/2)

前首相の辞任発言以来3ヵ月目にして、やっと新政権がスタートしました。

先ほど記者会見をやっていましたが、野田新総理の真摯な態度にはとても好感が持てました。また、内閣のキャッチフレーズを自分ではつけない というのも、パフォーマンスに走らない、氏の実直さを感じます。

ねじれ国会の中、紆余曲折はあるでしょうが、とにかく日本丸一丸となって、復興、経済、外交、エネルギー対策などに取り組んでいただきたいものです。おおいに期待したいと思います。

さてそんな中、地方議員として気になることのひとつは、やはり何といっても「地方分権(地域主権…どっちでもいいですが…)」の行方です。

個人的には、片山善博さんに大きな期待をしていたので、このタイミングでの交代は非常に残念。

川端新総務大臣からは、これまであまり地方分権についての話を聞いたことがありませんので、どのような認識をお持ちか存じ上げませんが、元々「1丁目1番地」だった政策の柱が「住所不定」にならないよう、着実な進展を望みます。

野田総理は地方議員の経験もあるので、十分承知しているとは思いますが、せめて逢坂政務官が残ってくれないかなぁ…。

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今日の午前中は浜松市と市内選出県議の意見交換会が開催されました。

その中でも、静岡市とともに進める「特別自治市研究会」の報告がありました。平成24年秋頃には「第1次提言」を出したいとのこと。

このように地方は自立・自律に向けて一生懸命取り組んでいます。

総務省の副大臣、政務官人事にも注目したいと思います。

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議員の“夏休み(?)”(9/1)

後援会だより9月号をつくりました。

★後援会だより9月号(PDF)

小見出しを「議員の“夏休み(?)”」としましたが、静岡県議会は、6月定例会が7/12に終わり、9月定例会が9/21に始まるまで、約2ヵ月強、閉会となっています。

閉会中だから遊んでてもイイや・・・というわけにはいきません。子どもたちと違い「夏休みの宿題」は出ませんが、自発的に勉強することで、議員としての資質を高める必要があります。

今月号は、この長い閉会中の活動をピックアップしたものです。これまでのブログで報告していたものが中心ですが、ご覧いただければ幸いです。

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Suiboudaqn 今日は「防災の日」。

ご家庭での防災グッズの備えを怠りなく。また家族で避難場所や連絡方法、災害用伝言ダイヤルの使い方なども話し合ってはいかがでしょうか?

写真は今朝佐鳴湖で行われた、水防団による「ボート訓練」。強風の中、操船も大変だったと思います。

折りしも台風が接近中ですので、風雨への備えも怠りなく。

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