雇用創造県民会議(12/27)
今日開催された「静岡県雇用創造県民会議 第2回本部会議」を傍聴しました。
この会議では、平成24-25年度の2ヵ年で、3万人の新規雇用創出を目標とする「雇用創造アクションプラン」の策定を議論しています。
このプランの策定については、私も9・12月定例会の「産業委員会」で2回にわたって質疑を行いましたが、現下の社会情勢を鑑みれば極めて重要な計画であり、決して“絵に描いた餅”に終わらせてはいけないと思っています。
今日はその「プラン案」が示されました。詳細は今後報道されるでしょうが、以下に概要を記します。
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◆施策展開の2つの方向
新たな雇用の場を創出するための取り組みを実施することで雇用を誘発し、併せて、雇用の場へ人材を供給する取り組みを実施することで、新たな3万人の雇用創造の実現を目指す。
1.雇用の創出
成長分野の産業の育成や地域基幹産業の活性化、企業誘致を積極的に推進し、新たな雇用の場の創出を目指す。
<施策展開の柱>
(1)新エネルギー、医療・健康など成長分野の産業の育成(6200人)
(2)介護、福祉サービスの充実(5600人)
(3)製造業、建設業など地域基幹産業の活性化(10500人)
(4)企業立地の促進(6600人)
(5)創業等の促進、NPO活動など多様な就労機会の創出(3700人)
(6)産業施策と連動した民間主体の雇用の創出(15300人)
【雇用誘発人数 47900人】
2.人材の供給
雇用のマッチング促進と未来を担う人材の教育・育成を両輪とし、労働市場のニーズに応じた人材の供給を目指す。
<施策展開の柱>
(1)雇用のミスマッチ解消など雇用のマッチング促進(16600人)
(2)未来を担う人材の教育・育成や能力開発の支援(13400人)
【人材供給人数 30000人】
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1.については、基本的には「総合計画」に沿った事業展開により、このくらいの雇用誘発効果があるだろう、というもののように見受けられました。
「総合計画」は予算の裏付けを取っていますので、“インプット”は確保できると思います。問題は「どう “アウトカム” につなげるか」です。
たとえば、企業立地による6600人の雇用誘発は、総合計画の目標である年間100件の企業誘致(アウトプット)が前提です。
新東名開通を機に “内陸フロンティア” を進め、環境、医療、健康産業など成長分野の企業を誘致する…という構想は理解しています。
この “アウトプット” が達成できれば、6600人の雇用創出という “アウトカム” が実現するというロジックです。
しかし100社誘致のために何が必要か…の分析はなされていません。こうした細部を詰めていかないと、“絵に描いた餅” になってしまいます。
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2.は重要な視点です。
会議の中でも、多くの方から、事業者の「求める人財」と求職者の「勤労観、就労意識」のズレが指摘されました。具体的には、第1次産業や福祉産業、中小企業に対する理解不足による “ミスマッチ” です。
義務教育時代からの「勤労観の醸成」、中小企業をはじめとする事業者側のPR不足など、課題は山積です。
また会の最後に、麻田千穂子静岡労働局長から、「政策」として①雇用の質の向上(とりわけ「ワーク・ライフ・バランス」への配慮)と②雇用の“維持”、また「推進体制」として③団体ごとのヨコ連携と④県と労働局の連携が提起されましたが、さすが鋭い指摘だったと思います。
特に「ワーク・ライフ・バランス」など“質の向上”は、中小企業に目を向けてもらうためには重要な視点です。
なお「中小企業」という呼称も見直すべきではないでしょか。
今日も「地元企業」と呼んだ方がいらっしゃいましたが、私も先日、会派の政調会で「地域企業」と言い換えてはどうかと提案しました。企業を大小で区別するのは、もうやめたほうがいいのではないでしょうか。これは社会運動にすべきだと思います。
また今日の会議では、女性は麻田委員だけでしたし、一番若い方は浜松市の山崎副市長(54歳)だったと思います。
ミスマッチの解消に向けては、女性や若年層の意見聴取が必要ではないでしょうか。
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