内部統制(8/9)
2日間の「内部統制」のセミナー、昨日は財政中心の話でしたが、今日は本題の「内部統制」の仕組みづくりをみっちり聞きました。
面白かったのはセミナー参加者構成。全16人中、議員4人、監査事務局4人、首長部局8人となっており、各セクターの「内部統制」への関心度合いがうかがえました。
「内部統制」は役所内部でリスクコントロールする仕組みを作ることです。上場企業では財務情報の信頼性を高めることを中心に2008年度から導入されています。
行政では、2009年3月に総務省の「地方公共団体における内部統制のあり方に関する研究会」から、信頼される地方公共団体をめざして「内部統制による地方公共団体の組織マネジメント改革」という報告書が出されています。
内部統制の目的は大きく4つ。
住民にとって信頼される自治体であるための前提条件たる「法令順守」、現状分析に必要な「財務報告の信頼性」、「資産の保全と負債の管理」、それらを踏まえた「業務の有効性と効率性」です。
それらを進めるための6つの構成要素は下記のとおりです。
①統制環境・・・内部統制の整備・運用を行う基礎
②リスク評価と対応・・・上記報告書に101のリスクが例示されている。自治体リスクマネジメントの事例はまだ無い
③統制活動・・・決められたルールを運用する
④情報と伝達・・・正しい情報を伝達するルートの整備
⑤モニタリング・・・上記をチェック・評価する内部・外部のしくみづくり(日常的モニタリングと独立的評価)
⑥ITへの対応・・・業務効率化とリスク対応の両面を推進。CIO(補佐官)の活用
「内部統制」はコンプライアンス上の問題をはじめ、非効率な仕組みの改善など行政改革に使える仕組みです。“統制”というと、厳格な規律にもとづく堅苦しい仕組みを想像しがちですが、けっしてそれだけではありません。
リスクに対する個別の「チェック」体制は大切ですが、今日のセミナーでは、さらに有効なのは「予防」であり、全体として“風通しのよい組織”をつくることが重要な要素だということを教わりました。
「公会計改革」同様、行政経営に活かせる民間の取り組みのひとつです。
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