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県民投票条例(10/11)

同条例案は本日の本会議最終日に採決が行われ、原案は全会一致で「否決」、修正案も賛成17人、反対48人で「否決」されました。

こうした議会の対応に否定的なご意見もありますが、議会は決して16万人余の署名を軽視しているわけではありません。不備は不備として本質論も含め真剣な議論を行った上での結論ですので、ご理解いただきたいと思います。

私たち「民主党・ふじのくに県議団」は、識者を招いての勉強会や総会(意見交換会)を重ね、署名の重みや知事の意見を踏まえ、修正案についても検討してきました。しかし、会派として対応を統一することができず、最終的に原案は否決、修正案は自主投票としました。

私は修正案に対し、多くの論点を検討し、悩みぬいた末、下記の理由などから「反対」しました。

なお、本会議後にマスコミから指摘されましたが、中には「反対=再稼働OK」と考えている人もいるようですが、決してそうではありません。

浜岡原発については、「国の要請による停止」という現状や、東海地震の新たな知見から、再稼動のハードルは相当高いと思っていますので、その点は誤解のないようにお願いしたいと思います。

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今回の県民投票条例案には「県民の安全、安心確保」と「今後のエネルギー政策」という2つの大きな論点があったと思います。

“住民自治”という言葉があります。これは「“地方自治”はその地域住民の意思によって行われるべき」という概念で、私もこれをできるだけ尊重すべきと考えています。

自分たちの安全を守るために、浜岡原発の再稼動にあたって意思を伝えたいという県民の気持ち(“反対”がほとんどでしょうが・・・)は十分理解できます。

一方、政治は国・県(都道府)・市(町村)の三層構造になっており、それぞれが果たすべき役割を補完しあって、成り立っています。

外交、防衛や為替、通商などは、国が責任を持ってやるべき政策です。論点のひとつ「エネルギー政策」も、外交・防衛などと同じく、一地方の“部分最適”でなく、日本として国全体の“全体最適”を考えるべき政策のひとつと考えます。その意味で今回の県民投票は、地方の自治権の範囲を超えるのではないか、と感じています。

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なお私は、住民投票自体を否定しているわけではありません。

たとえば「市町村合併」などは地方自治体の範囲を決めるので、まさに当該住民による投票によって決めるにふさわしいテーマだと思います。「直接民主主義」は「間接(代表制)民主主義」を補完するものとして、とても大切です。

しかし今回のテーマは論点が複雑で、住民投票を実施する場合には、県民の情報共有化が不可欠だと考えます。

たとえば「浜岡原発の安全性に係る科学的知見」や「エネルギー安全保障」、「地球温暖化への影響」、「産業や生活への影響」、国としての「エネルギー政策の将来像」など、判断にあたって必要な情報はたくさんあると思います。

今回修正可決し、投票までに情報共有化を進めればよいとの考え方もありますが、十分な情報公開が担保されない中で〇×を判断するのは難しいと考えます。8月に「国民的世論調査(DP)」が行われましたが、その資料をみても情報としてはまだ十分でないと思います。

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今回のテーマは単に再稼動の是非を問うだけでなく、私たちに多くのことを考えさせてくれました。

議会は「県民投票」という選択肢は取りませんでした。では、今後どうするか・・・。

まず、浜岡原発については、停止していても絶対的な安全が確保されているわけではありません。

再稼動の是非だけでなく、地震津波対策や使用済み核燃料の処理、オフサイトセンターのあり方など、さまざまな観点から、議会としても、引き続き安全性をチェックしていく必要があります。

また原子力に代わるクリーンエネルギーの開発を急ぐ必要があります。もちろん主体は国ですが、地方自治体でも、太陽光や小水力発電など「エネルギーの地産地消」を進めることはできます。

そして、議会は「“参加型”民主主義」をめざすべきと考えます。

まず「広聴広報活動」の強化です。議会が皆様の近くにうかがい、県民の皆様に県政に参加していただくこと。そうした中で、浜岡原発のあり方をはじめ、さまざまな県政課題について、県民の皆様と議論することが大切だと考えます。

私が下した判断に対し、すべての方からご理解いただくことはできないとは思いますが、今回の議論をムダにせず、開かれた静岡県議会をめざし、議会改革に取り組んでいきます。

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01.総務・行政経営・危機管理」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
1ヶ月以上さかのぼってコメントしてしまいました・・・。

原発の住民投票について、○×の判断に必要な情報として「科学的知見」や「安全保障」などを挙げられてますが、一般県民の判断でそんなに詳しい情報が必要でしょうか?
“原発が必要”と思っている人はそれらの情報を使って説明されるでしょうが、“原発はいらない”と思っている人は「イヤなものはイヤ!」なのだと思います。
挙げられている項目はどう見ても原発賛成に向かわせる手段としか思えません。
さらに、県民で判断を決める投票なのですから政府や国の構造なんて関係ないと思いますがいかがでしょうか。

とにかく早く県民投票ができるようにしていただきたいです。


投稿: まさたみ | 2012年11月19日 (月) 19時18分

まさたみさん、アップが遅れてスミマセンでした。

この件は本当にむずかしい問題です。正直、コメントバックするのも、とても難しいです。この問題は国全体で全国民が真剣に考えるべきだと思います。

浜岡原発についていえば、再稼働のハードルは相当高いと思っています。

しかし安全保障や温暖化などを考慮しないでよいでしょうか。「水や電気があるのは“当たり前”」と思っている人が多いと思いますが、供給体制はかなり脆弱です。

使用済み核燃料の処理などは、膨大な借金と同じく、間違いなく“次世代へのツケ”です。これは私たちの世代で何とかしていかなくてはいけません。

一方、電力供給のリスクは産業の維持に直結しますので、経済、雇用をハードクラッシュさせてもいけません。

みんなでいっしょに20年30年後の日本を考えていきましょう。

投稿: 田口 章 | 2012年11月22日 (木) 21時05分

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