多文化共生のネクストステージ(10/25)
昨年12月の一般質問で「外国人のこどもへの進学支援、キャリア形成支援」を取り上げましたが、ブログには書いていませんでした。
こちらもご覧いただければと思います。
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さて、今日・明日の2日間、浜松市を舞台に「日韓欧多文化共生都市サミット2012」が開催されています。
メインイベントは明日の午後。やすとも市長などにより「首長サミット」が行われます。面白そうですが、私は別の予定があり、参加できません(残念)。
今日はそれに先駆けて「実務者セミナー」が行われ、明治大学の山脇教授の基調講演と、「都市間連携」「外国人人材を生かしたまちづくり」の2つのセッション(討論集会)が行われました。
とりわけ「都市間連携」では、浜松市、新宿区、東大阪市の話を聞きましたが、多くのことを考えさせられました。
いずれの都市も、リーマンショック以降外国人は減っていますが、下記のような特徴があります。
★浜松市の外国人市民は、リーマン前の2008年12月のピーク時には33,702人いましたが、2012年8月では24,079人にまで減っています。
国別にみると、一時2万人近くいた日系ブラジル人は11,701人にまで減りました。したがって、浜松市の外国人市民の減少はほとんど日系ブラジル人ということになります。
以下多い順に、フィリピン2,924人、中国2,905人、ペルー1,932人、韓国・朝鮮1,441人、ベトナム1,061人、インドネシア643人などとなっています。このほか私の周辺ではインド人も増えています。
★東大阪市は人口51万人。外国人は16,995人となっています(2012.7.31)。
最も多いのは韓国・朝鮮の12,359人(72%)。以下、中国3,189人、ベトナム333人、フィリピン298人、ブラジル167人などとなっています。最も多い時期には98%を韓国・朝鮮人が占めていたとのことです。
★新宿区は人口32万人。外国人は多国籍化が進んでおり114ヵ国にもなるそうで、32,410人(2012.8.1)と人口の1割を占めています。
韓国・朝鮮が12,139人、中国11,649人の2ヵ国がダントツに多いですが、以下、ネパール1,155人、ミャンマー1,050人、フランス816人、アメリカ758人、フィリピン660人、タイ615人などなどとなっています。
ちなみにネパール人はインド・ネパール料理のお店をやる人が多いようす。またミャンマーは軍事政権下で亡命してきた人もいるようです。
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1991年の入管法改正後、南米系の日系人が職を求めて多数日本に来ました。彼らは「ニューカマー」と言われています。
それに対し以前から住んでいる在日韓国・朝鮮人を「オールドカマー」と呼んでいます。
浜松と東大阪は「ニューカマー」と「オールドカマー」という点で全くタイプが違うことがわかります。
さらに近年、新宿区に代表されるように、「アジア系ニューカマー」がどんどん増えていることがわかります。浜松においても「南米系ニューカマー」は減っていますが、「アジア系ニューカマー」は減っていません。この傾向は今後も続くと思われます。
私自身、これまで「多文化共生」というと、「南米系ニューカマー」のみなさんへの取り組みが中心でしたが、これからは「アジア系ニューカマー」への対応も考えていかないといけません。
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今回のサミットは、「アジア系ニューカマー」や「オールドカマー」も含め、幅広く多文化共生社会づくりを考えていこうとするものです。
実態として海外からの移住・定住者が増える中、国の移民政策はまったく白紙状態です。
一方、地方自治体は、浜松市を中心に「外国人集住都市会議」を立ち上げるなど、これまでも独自に活動し、国を動かしてきました。
国もやっと検討を始めたようですが、現場の声をしっかりと伝えていく必要があります。浜松市の新たな挑戦に期待するとともに、私も多角的に「多文化共生」に取り組んでいきます。
★「外国人との共生社会」実現検討会議(内閣官房)
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