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2013年5月 1日 (水)

春野町の地滑り現場(5/1)

Deta1 今日、県議会建設委員会で、春野町の地滑り現場視察を行いました。場所は国道362号線沿いで春野協働センターからさらに川根本町の方に入ったところです(山の村の近く)。

今日から立ち入り規制が一部緩和される見込みでしたが、写真右上の斜面のズレが想定よりも大きく、依然崩落の危険があることから、緩和されませんでした(1日夜に一部緩和決定)。

★静岡県のサイト

崖上に住む自治会長さんからお話をうかがいました。避難住民のみなさまは、一部緩和見込との報を受けて、一番茶の茶摘を予定していたたそうですが、安全には代えられず、つらい思いをされているようです。陽の光に輝く新茶の若葉をみると胸が痛みます。

51genjo さて実際に崩落箇所を見ると、まずその規模に驚かされます。幅約150m、高さ約90m、さらにえぐられた奥行き(?)は最大20mということです(浜松駅前の遠鉄百貨店の新館が高さ65m、ソラモの幅が約20mくらいだと思いますので、想像してみてください)。

さて、この場所は、元々「地滑り防止区域」に指定されており、地下水の流れを抑制する対策を講じていました。しかし残念ながら今回の崩落に至りました。

Teitenkansoku 崩落した斜面をみると、岩が少なく土砂が多いことから、崩れやすい地質だということがわかります。言われてみると、現場へ向かう道中の山の斜面には、こうしたがけ崩れの跡があちこちに見受けられました。本格的な防止対策はなかなか難しいのかもしれません。

しかし決して手をこまねいているわけではなく、県はさまざまな対策を講じています。

Kasentaisaku がけ下を流れる杉川の8割ほどが土砂で埋まっていることから、当面の雨対策として仮排水路も整備しています。

これには地元の建設業者のみなさまが災害応援協定に基づき、スピーディに協力してくれたとのこと。頭が下がります。

Kohaikanshi また後背地の地滑り拡大監視対策として、現在、崖の上では、これまでに13ヵ所にピアノ線を張って、10分間に一度、表面のズレを計測しています(3ヵ所が崩落して残り10ヵ所とのこと)。

私たちが訪問した午後1時頃の右上斜面の1ヵ所のピアノ線のズレが1時間に25.8mmということでした(安全上、移動量10mm/hで避難としており冒頭の措置になったようです)。

Pianoline 中央部分から左側にかけての他の9ヵ所の計測データではズレていないとのことで、今のところ落ち着いているようです。

さらにがけ上3ヵ所で穴を掘ってボーリング調査を行い、土中の監視をしています。

県だけではなく、写真上のテントでは、国土交通省が「地上型SAR(合成開口レーダー)」という最新の観測装置で、崩落斜面との距離を測定し監視しています(この装置は雲仙普賢岳などでも活躍したそうです)。

この観測データはネットで公開されています。

★国土交通省中部地方整備局(緊急情報をご覧ください)

さまざまな関係者の協力のもと、住民のみなさんが、いち早く日常生活に戻れるようになってほしいものです。

なお今後の対策等では、当然、予算措置が必要になってきますので、県議会としても国の制度を見ながら、ソフト、ハード両面の支援を検討していきます。常任委員会の所属は、17日の臨時議会から変わる予定ですが、後任にしっかりと引き継いでいきます。

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