“同質性”に安住していては発展はない(6/23)
先日、SPAC(静岡舞台芸術センター)総監督の宮城聰氏のお話を聞きました。
SPACは静岡県が運営する文化事業集団。こうした公設の組織はヨーロッパにはあるようですが、日本では珍しい存在です。石川前知事の時代に、鳴り物入りで設置されたとのこと。
今日のブログはSPACの説明がメインではないので、詳しくは下記のサイトをご覧ください。
★SPACのサイト(静岡県)
宮城さんのお話は、SPACが行っている事業の一つ「中高生鑑賞事業」を通しての青少年の人財育成と芸術性に関するものでした。
最も印象に残ったのがタイトルの「“同質性”に安住していては発展はない」ということでした。
今のこどもたちは、他人との“つながり”を大切にしている。しかしその“つながり”は肉体以外のつながりであり、肉体と向き合うことがなくなってきている。
身体に鈍感になっているため、いろんなサインを見落としている。
他者に鈍感な者は自分にも鈍感だ。こうした“感性の摩耗”が、悲劇につながっている。センサーを復活させることが必要ではないか。
“まわりに合わせる”ことに力を入れすぎている。常に空気を読み、「浮いてはいけない」と考えている。
SPACは“浮いている”と感じている人の居場所になればいいと思っている。
“人と違うことを考える人”がいるからこそ、新しいモノが生まれる。
演劇は“多様性”がないとダメ。美女とイケメンだけでは演劇はできない(笑)。
“同質性”だけでなく、イロイロいるから面白い。「まわりと違うことを考えてはいけない」と思いこまないこと。
なるほど、舞台芸術を通して、今の社会の問題点を、うまく説明してくださいました。
以前、“金太郎アメ”という言葉がありましたが、当時よりもさらに同質性が強くなっていると思います。
グローバル人財の育成とイノベーションには、「自分たちの社会・生活が当たり前」という固定概念からの脱皮が必要です。
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