雇用創造県民会議(7/10)
今日、県庁で「雇用創造県民会議 本部会議」が開催されました。
静岡県は、リーマンショック後も、円高や東日本大震災の影響で、厳しい状況が続いていた雇用問題を最大の課題ととらえ、平成23年度に「雇用創造アクションプラン」を策定しました。
プランでは、「雇用の創出」と「人材の供給」の両面から施策を推進し、「県だけでなく産業界、労働界、教育界、国、市町などあらゆる分野と連携・協力して、平成25年度までに3万人の新たな雇用の創造をめざす」としました。
計画の最終年度にあたり、今後の静岡県の雇用をいかに創出していくかについて、各界の代表者からさまざまな角度の意見が出されました。
◆「雇用の創出」について
・ものづくりは構造的変革の時を迎えている。ピラミッドが崩れ、生産現場が海外に移転する中、海外から受注できるような技術開発力の高度化が必要
・中小企業の経営革新計画の取得促進
・新エネルギーや医療・健康、6次産業など新成長分野のリーダーをどう創っていくか。“業”として育てていくには時間がかかる
・雇用創造には“需要創造”が必要。“川下”をつくらないといけない
・観光、とりわけインバウンド事業の推進
・「イノベーション構想」「新・ものづくり特区」「中小企業の海外展開支援」を3本の矢として、産業基盤を立て直す(浜松市)
◆「人材の供給」について
・農業・商業・工業高校への産業界からの支援はありがたい。早期退職しないような教育が必要
・大学生が“保守的”になっており、居住地から遠い企業に行かない傾向
・インターンシップのデータバンクがあるといい
・最初のマッチングと入社後の定着支援の両面が必要
・「グローバル化」と「イノベーション」がキーワードだが、これまでそういう教育をしてきたのか?
・海外に出て行ける人材が求められるが、家族が反対するケースもある
・福祉分野は雇用吸収力があるが、キャリアパスを示すことが必要。県の努力は評価する。高齢者にも働いてもらえるしくみが必要
・「若者」「女性」「社会的弱者」を重点に雇用創出を図る。中小企業とのマッチングや待機児童対策、ジョブ・サポートを進める(静岡市)
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(雑感)
○「雇用創出」は「新成長分野をいかに育てるか」がカギになります。これは「未来への投資」として、県としてもアンテナを高くして、布石を打っていく必要があると思っています。
○「グローバル化」はもはや不可避です。「エンプロイアビリティ」という言葉があります。これは「雇用される能力」という意味ですが、これからは職種を問わず、「海外で働く力をつけること」がエンプロイアビリティにつながります。さらに、これからは日本人どおしの競争ではありません。英語を話せる外国人との間で、グローバル競争を戦うことになります。20年30年先は、企業も個人も否応なく大競争に巻き込まれています。
○一方、ミクロで見ると、「既存産業の雇用をどう維持していくか」というテーマからは逃れられません。ソフトランディングができるかどうかがカギになります。
○このソフトランディングには、労働移転のミスマッチ解消が必要になります。雇用吸収力のある分野(サービス業や福祉産業)に、いかに雇用を誘導できるか、産業や仕事としての魅力づけが求められます。「自分たちの会社や産業をより良くしていこう」という労働組合の出番じゃないかな・・・。
○若年層のミスマッチ解消は時間がかかるかもしれません。今回の会議には「教育界」も参加していますので、義務教育時代から勤労観を身につける教育が必要と感じます。
今、感じていることを施策につなげていきます。
【写真は浜松駅構内にあった「GSR750」。いいなぁ…】
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