富士山静岡空港 33億円の増改築?(6/11)
6月4日、富士山静岡空港は開港5周年を迎えました。
当初、138万人の需要予測の下に建設されましたが、平成25年度の利用者は約46万人にとどまっています。
毎年5億円ほどの一般財源投入により、空港施設の管理運営が続いていますが、経営健全化に対しては、とりわけ県西部のみなさまから、さまざまなご意見を頂いています。
そんな中、先導的空港経営検討会議の答申を受け、県は、今年度から空港ターミナルビルを県有化し(従来は「富士山静岡空港㈱」が所有)、利活用促進をめざし、増改築を計画しています。
★旅客ターミナルビル等改修・増築工事設計プロポーザル(富士山静岡空港のサイト)
◆募集要項(本文)(PDF)にはさまざまな情報が書かれています。
P10に、既存の12,093㎡を6,000㎡程度増築すると書かれています。
またその下に、国際線を「ピーク1時間3便(B767×1便+A321×2便)の離発着に対応できる規模」にすると書かれています。
B767は280人、A321は180人乗りですので、600人以上がスムーズに利用できる通関施設などを考えているようです。
図のとおり、増築部分を国内線とし、既存の施設の国際線機能を増強する計画です。
P11には「予定工事費」として33億円程度と書かれています。
もちろんこれは公募価格で、実際の建設費ではありませんが、現在のターミナルビルは約27億円ですので、同等以上投資することになります。
◆別添2 諸条件の整理及び検討課題 には現状の課題が縷々記載されています。
開港5周年を機に、富士山静岡空港のポテンシャルの高さを評価する声が聞かれます。天津航空など新たな乗り入れの検討も進んでいます。私も2020年の東京五輪や国のインバウンド戦略など追い風は吹いていると思っています。
一方、その実力はまだまだと言わざるを得ません。
もちろん施設の利便性は高いにこしたことはありませんが、民間感覚だと“費用対効果”を考えざるを得ません。「今後の路線誘致に必要」との声も聞きますが、安易な税投入は許されません。
潤沢に利益が出ており、混雑が日常的になっているなら増築は理解できますが、一度に600人以上が来ることがどのくらいあるのでしょうか。
もちろん、そうなれば嬉しいですが、人口減少時代にあって楽観的な行政経営をするわけにはいきません。
私はこの増改築計画がオーバースペック(過剰投資)になることを懸念しています。
空港のコンセッション方式導入など、新たな経営手法の検討は全く否定しませんが、今回の増改築は、それとの関係も言及されていません。また利用者が70万人、85万人になったときの経営状況も示されていません。
すでにサイは投げられましたが、予算は議会の議決が必要ですので、ギリギリまで検証を続けます。
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