昨日書いた、製造品出荷額の回復遅れは、昨年度半ばにはすでに指摘されていました。
このことから県は、今年3月、県内の産業関係者などからなる「産業成長戦略会議」を立ち上げ、現在次の「4つの戦略」に取り組んでいます。
【戦略1】企業誘致・定着の推進
○(主な取り組み・以下同じ)防災先進県としての取組や企業立地の
優位性をPRするとともに、行政と企業との情報交換・交流を強化
→(アクション・以下同じ)企業160社との意見交換、企業立地優遇制度の
説明会を開催
○遊休地や空き工場といった県内事業用地等に関わる情報をデータベース化し、企業誘致・マッチング等の活動を強化
→物件情報の収集、整理に取り組み中
<所感>
3年前、県議会 産業委員会で、「市町や業界団体だけでなく、企業から直接
話を聞くべき」と意見を述べましたが、やっと直接出向いてくれました。
企業誘致活動はまだ十分ではありません。県に「企業立地推進課」という部門
があるのですが、主に補助金の交付事務などをやっており、誘致活動をやっている
わけではないようです。
企業立地件数 年間100件という数値目標がありますが、単に結果を公表しているだけでした。積極的に企業誘致活動に取り組む体制づくりが必要です。
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【戦略2】事業用地の確保
○企業の受け皿づくりの促進のため、内陸フロンティア推進区域に指定した工業団地の整備等を促進
→全市町とのヒアリング等で推進区域の掘り起こし
○企業のニーズや要望に応じて、オーダーメード方式及びレディメード方式による工業団地を造成
→小山町での用地買収、測量、設計に着手
○企業立地や事業活動を活発化していくうえでの各種規制や事務手続きについて産業成長の視点から見直し
→市街化調整区域内における工場等の新設に係る要件の見直し「産業成長のための規制緩和推進会議」を設置(予定)
<所感>
昨年9月議会で「工業用地不足」を指摘しました。企業局は従来の方針を変更
し、レディメードでの造成に踏み切りましたが、企業誘致との連動に疑問が残ります。部門の一元化も視野に、庁内組織の最適化に取り組みます。
「規制緩和推進会議」は一昨日の本会議答弁で示されました。今後チェックします。
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【戦略3】地域企業の事業活動の活発化
○マザー機能を支えることができる地域企業の共同受注体の組織化等を推進
→検討開始、浜松地域では具体的取り組みがスタートしています。
★協同組合HAMING
★浜松航空機産業プロジェクト(SOLAE)
○世界市場で競争力があると見込まれる地域企業に対する輸出促進や、地域企業の海外取引を支援
→海外WEB上に地域企業の商品を紹介する「静岡県モール」を開設(予定)
○地域企業の設備投資などに向け、金融機関と連携した企業の資金支援を強化
→資金需要の把握、新たな資金支援制度の検討
○U・Iターンの促進等による人材の確保や、企業ニーズに対応した人材の育成、女性などの多様な人材の活躍を積極的に支援
→静岡U・Iターン就職サポートセンターの設置
○グローバル化への対応など、既存の中小企業の枠を超えた地域企業全体を総合的に支援するため、産業支援機関の機能・連携を強化
→産業支援機関による専門部会の設置
<所感>
3年前の産業委員会で、海外での販路拡大支援を提案しましたが、その時はWEBの活用までは考えておらず、見本市などへの出展支援を想定していました。
2年前、中国視察でアリババ社(本社浙江省杭州市。NY証券取引所に上場
し話題に)を訪問し、ネットを使ったBtoBビジネスの話を聞きましたが、まさに時代に合った手法だと思います。アリババ社のサイトは浜松市の企業も活用しています。
★アリババ ジャパン
U・Iターン就職サポートセンターについては下記のブログをご覧ください。他県との比較も書いてあります。
★U・Iターン就職支援(H26.7.22のブログ)
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【戦略4】次世代産業の創出
○ファルマバレー、フーズサイエンスヒルズ、フォトンバレー分野に加え、成長分野における県内企業などが有する有望な技術シーズを調査し、重点化して支援する
とともに、新産業を担う優秀な人材を確保
→技術シーズの調査、目利きによる分析・マッチング(予定)
○県、産総研、NEDOの3者間で連携協定を締結することにより、ネットワークを強化し、情報交換・共同研究を推進
→年度内の連携協定に向けて調整中
<所感>
次世代産業の創出というのは、口で言うのは簡単ですが、なかなか難しいと感じています。経済産業省などとのネットワーク強化が必要と考えます。
今後はこれら「4つの戦略」を基本に取り組みが進みます。
私も、みなさまから寄せられる声を、政策に反映していきます。