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歳入確保(一般質問1-3)

◆質問

①「歳入確保」のうち「資金運用の改善」について聞く。

本県では、歳計現金は、指定金融機関の他、県内に支店を持つ都銀や信託銀行などを対象に入札を行い、運用益が最も多い金融機関を活用している。

また基金は、入札を希望する金融機関や証券会社に対し、国債や政府保証債、地方債など安全性の高い債券のうち、利回りの高いものを購入するなど、工夫していることは、昨年の所管事務調査で聞いた。

歳計現金については、事業融資を預託金方式から利子補給方式に改めたことにより、導入していない自治体に比べ、効果的な資金運用が可能になっており、基金についてはスケールメリットを生かした一括運用を行っている。

この効果もあり資金運用実績はH26年度、1年間で0.903%、約45億円の運用益を得ており、大きな歳入確保につなげている。

しかし上には上がいるもので、H26年度1年間で1.558%の運用益を得た自治体もある。リスクの高い株式などの有価証券を運用しているわけではなく、本県と同様の債券運用でも戦略的な運用が可能とのことだった。

自治体の資金管理は、地方自治法の規定にある通り、安全性と効率性の両立が求められているが、法に抵触しない範囲で、運用対象とする金融商品などについて研究すべきと考える。

さらなる歳入確保を図るための資金運用を、今後どのように進めていくか所見を聞く。

②次に「ネーミングライツの実施」について聞く。

公共施設のネーミングライツは2年前の質問でも取り上げたが、まだ行われていない。歳入確保に対しあまりにも消極的すぎだ。

森づくり県民税のように、県民には超過課税までお願いしている。本来ならば超過課税の前に、県庁の中で、もっと積極的に歳入確保に取り組むべきだが、そういう観点に欠けている。

ネーミングライツの今後の取り組みについて県の考え方をおうかがいします。

◆答弁

①歳計現金は、資金収支の見込みを的確に把握し、支払いに支障をきたさない範囲で、預託期間の長期化を図っている。H26年度は177回の預託を行い、運用益は1億2千万円余となった。

基金は一括運用によりロットを拡大し、入札で最終利回りの高い債券を購入している。H26年度は長期の債券での運用を増やした結果、運用益は45億円余となった。

しかし日銀の金融緩和に伴い、市中金利が低下している現状では、資金運用を改善する必要があると考える。

現在運用している国債や地方債よりも比較的高利回りが見込める住宅金融支援機構など政府関係機関の発行する財投機関債など、新たな金融商品について、安全性やリスク分析するとともに、金融アドバイザーの意見を聞きながら、導入について検討する。

②従来検討していた、個別施設ごとにネーミングライツを実施する「施設特定型」から、より応募しやすいように対象施設を特定せずに幅広く提案を受け付けたうえで審査、交渉を行う「提案公募型」に方針を変え、調整を進めている。

今年度中に公募を開始し、導入可能な施設からはじめて、順次、対象施設を拡大していく。

◆再質問

②一昨年あたりから「提案公募型」の話はでているが、なぜ進んでいないのか?理由を聞く。

◆再答弁

名前を変えることで、印刷経費や広報経費が掛かるなどの不安があり進まなかった。

また施設管理者にそれぞれお任せしていたが、一番手になろうという意欲がそこまでわかなかったことも事実だ。

今回は、経営管理部が主体となって各部を取りまとめて提案公募型で受け付けるという方法にチャレンジするのでご理解いただきたい。

◆要望

県の屋外広告物条例では、公共施設に企業名を入れるのを規制している条項がある。必要に応じて見直しを検討してほしい。

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01.総務・行政経営・危機管理」カテゴリの記事

コメント

出納局長 山崎です。県議会での初答弁が「歳入確保」であったことは、県職員として、価値があったと思います。
ご質問ありがとうございました。
日銀は、金融緩和策として、マイナス金利を導入すると発表しました。本当は、国債引受の前に、行うべき施策でした。
金利がますます低下すると、資金運用は、ますます難しくなります。
国の施策の方向を踏まえて、地方の施策を進めることが、大切ですね。国民・県民生活を豊かにする施策であることを願います。

投稿: 山崎 | 2016年1月31日 (日) 10時31分

山崎さん、浜松市議会以来、久々の答弁はいかがだったでしょうか?(^^)

おっしゃる通りですね。この低金利下でどこまでできるか難しいところと思いますが、何もしないのではなく、一歩でも二歩で前進していきたいと思っています。

投稿: 田口 章 | 2016年1月31日 (日) 16時35分

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