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2017年3月27日 (月)

未来の学校「夢」プロジェクト

「未来の学校『夢』プロジェクト」は教員の多忙化を解消するため、H28年度から3年計画で県が設置したプロジェクトです。

スタートしてちょうど1年となるこのタイミングで中間報告が公表されました。まだ県のHPにはアップされていないようですが(公表されたらリンクを貼ります)、どんなことをしているのか概要をお伝えします。

◆モデル校の設定

富士市立富士見台小学校、清水町立清水中学校、藤枝市立高洲中学校、吉田町立住吉小学校の4校をモデル校とし、中学校単位でプロジェクト推進地区を設定。モデル校には加配教員やスクールカウンセラー(SC)、スクールソーシャルワーカー(SSW)などの人的資源を重点配置しました。

◆「校務の洗い出し」による分析

教員が携わる校務を「管理運営に関する業務」「指導に関する業務」「校内・校外行事」に分け、教員以外が分担可能な業務を整理・分類しました。改善策として次のような点が挙げられています。

○管理運営に関する業務

・文書処理やアンケート調査などの事務作業は事務職員協力のもと効率的に処理する

・学校の施設管理や徴収金に関する業務は、学校単位でなく行政当局(教育委員会)で対応する

○指導に関する業務

・SCやSSW、学校支援員など外部人材の協力は有効

・登下校指導、花壇・農園管理、教室の掲示物管理などの教育環境整備は保護者や地域住民の協力を得やすい

○校内・校外行事

・企画運営段階から保護者や地域住民と連携することが重要

・芸術鑑賞会や交通安全関係行事は行政当局や警察などと連携

◆退勤時刻の上限設定

校務の整理により勤務時間が縮減できることから、8月に2週間、17:30退勤を試行。その後11月下旬~1月中旬までの約2か月間、小学校19時、中学校19時30分として本格実施しました。

試行期間は夏休み中でほぼ退勤できたとのこと。本格実施期間の達成率は約70%。時間管理の意識が高まり、会議時間の短縮等が見られたとのこと。

◆これらを踏まえた提言

①校務の整理(やめる、へらす、かえる)

②教職員の意識改革(時間管理の徹底)

③積極的な情報発信(注:多忙な状況を世間に伝える・・・文末参照)

④人的措置の充実

⑤管理職の学校マネジメント力の向上

⑥チーム学校の推進

◆H29年度に向けて

①モデル校ではKPI評価を行い、生み出された時間の使い方を検討

②勤務時間把握の統一的方法の検討(モデル校以外含)

③ICT化の推進

④中学校の部活動指導のあり方

⑤文書連絡等の可視化と削減

◆私見

1年間実施しての「提言」はこれまでも言われ続けてきたことであり正直新しさはありません。成果は実証データを「見える化」できたということでしょうか。

こうした業務の「見える化」は先日福島県でうかがった「BPR」や「DTI」と同じ取組です。すべての公務職場でやるべきだと思います。

また県職員がやっている「ひとり1改革運動」のような改善活動を教員もやったらどうか…と思います。

(注)

ちなみに教員の長時間勤務の状況は、OECD調査(2013)による1週間の勤務時間は、日本53.9時間、参加国平均38.3時間となっています。

また“連合総研”の調査(2016.12)によると、出退勤時刻と在校時間は、小学校教諭で7:31-19:04 11時間33分、中学校教諭で7:25-19:37 12時間12分となっているそうです。OECD調査より少し長めとなっており長時間勤務の実態が見てとれます。

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