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PSUファーマーズマーケット(ポートランド視察報告9)

201705131 5/12(土)、初日に会った田中 雄太 くん(PSU留学生)に、PSUファーマーズマーケットおよび大学施設を案内していただきました。

ファーマーズマーケットはポートランドのにぎわいづくりに大きな役割を果たしているといい、市内数カ所で曜日を変えて行われているようです。PSUの校内では毎週土曜日にファーマーズマーケットが行われています。

201705112 PSUは生徒数2万5千人を超える大きな大学ですが、そもそも敷地が壁などで囲まれているわけでなく、ダウンタウンの数ブロックをそのまま使って校舎があり、公園スペースもふんだんにあり、街並みに溶け込んでいます。

そこで行われるファーマーズマーケットは多くのポートランド市民が集まり、地産地消の食材を通してポートランドの食文化を創出しているとのこと。

ポートランド市民は環境意識が高くオーガニックや遺伝子組み換えなどに関心が高い人が多いとも聞きました。

そうしたニーズに応える豊富な食材を提供するのが、前日視察したUGBに守られた郊外の農家ということ。

ちなみにポートランドの飲食店数は人口比で全米一ということで、そのレベルも高い評価を得ています。

201705132 PSUで驚いたのがトレーニング施設の充実です。4階建て施設の3フロアに広大なジムがあり、1周150mのトラックやプールまでありました。トレーニング機器は高級スポーツクラブのようなイメージです。

文武両道と言いますが、頭脳だけでなく身体も鍛えるのが米国流の大学教育なんですかね・・・。

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都市成長境界線(ポートランド視察報告8)

201705122 5/12(金)は ポートランド市郊外のトラウトデール市にあるサンディリバーの都市成長境界線付近の様子を視察しました。

都市成長境界線( UGB = Urban Growth Boundary Line area)はポートランド周辺の都市開発に大きな影響を与えており、環境や景観の保全、さらに農業などの保護にも役立っているそうです。

写真ではよくわからないかもしれませんが、河川の右側は建築OK、左側はNGとなっています。

日本の市街化調整区域に似た制度に感じますが、日本よりも規制が厳しいとのこと。

UGBはポートランド市周辺の多くの地域(3郡25市)にまたがることから「メトロ政府」という広域自治体を設置して管理しています。

「メトロ政府」については興味があったのですが、今回詳しい説明を聞くことはできませんでした。広域行政として公共交通の管理運営も行っているとのことで、まちづくりに大きな役割を果たしているようです。

この日はこのほかに、1930年代のニューディール政策の時にダムや施設等の開発が進められた地域を訪問しました。

201705121 中でもルーズベルト大統領が地場の産業技術や先住民族の生活文化を活かして建設した巨大な山荘「ティンバーラインロッジ(Timberline Lodge)」は、富士山に似た山体の「フッド山」の観光拠点として現在も活用されていました。

歴史は1日にしてならず。今年完成予定の富士山世界遺産センターも長く住民に愛される施設として育てていかないといけませんね。

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ネイバーフッド アソシエーション(ポートランド視察報告7)

Dscf1786 5/11(木)NETミーティングに続き、19時から「バックマン ネイバーフッド アソシエーション(Buckman Neighborhood Association)」の月例会を傍聴しました。

場所は同施設内にあるマルトノマ郡議会の議場内にある小部屋です。ネイバーフッドアソシエーション(以下「NA」と略)がオーソライズされた組織であることがうかがえます。

「NA」は日本の自治会連合会に近い組織に見えますが、様子は全く異なります。

私が知っている自治会の会議では、報告事項や行政の業務代行の伝達事項が多いのに対し、ここはまるで議会のような議論が行われていました。

役員は15人ほどと聞いていましたが、提案者や一般参加者も同じテーブルを囲んでおり、はっきりわかりませんでした。

会議室のホワイトボードに会議テーマが書かれており、当日のテーマは、①治安問題、②学校債の発行とプール問題、③近隣の「NA」からの治安維持活動への協力、④駐車許可証など10項目でした。

私たちは1時間ほど滞在しテーマ③まで傍聴して退席しましたが、後日聞いた話では議論百出で半分までしか議論が進まなかったとのこと。その一端は③までの議論を聴いていて十分うかがえました。

①は地元警察との意見交換で定例的に行われているテーマのようです。犯罪の発生状況やホームレス対策などについて、現状報告を受け住民側の意見を伝えていました。

②はポートランド市が「学校債発行の賛否を問う住民投票」を翌週実施するにあたり、賛同を得るためにポートランド市教育局職員が住民説明に来たものです。

この議論の中で「住民参加」の一端を強烈に体験しました。

ポートランド市の住民投票制度そのものはよくわからないですが、日本では議決事項である「起債」が住民投票ということにまず驚きました。

ポートランドをはじめ米国は「小さな政府」を志向しているため常に「おカネが無い」とのことです。

住民投票の提案は、バックマン地区の学校は築後77年を超えており、その他の地区の老朽校舎を含め建て替えが必要なため学校債を発行するというものです。

この提案に対し住民からは、容赦ない質問が当局に浴びせられました。

建て替えに関するそもそもの議論のほか、質疑は付随した課題である「学校用地の売却」におよび、跡地利用についてもっと住民の声を聴くべきだという意見が出され、当局に再考を約束させていました。「NA」でここまでの議論をやるとは、まさに住民参画の仕組みが機能していると感じました。

ちなみに帰国後の連絡で住民投票は可決されたとのこと。

またプール問題はプールの水が塗料に含まれている鉛で汚染されたというもので、この点についても管理状況に対し厳しい意見が出されていました。

③は、バックマン地区の近隣にある富裕層が多く住む「NA」が、市にホームレス対策を要望するにあたり、周辺「NA」の賛同を得て進めていこうという趣旨で、年配の落ち着きある男性がバックマン「NA」に説明に来たものです。

この提案に対し20代前半と思える若い女性から「あなたがたの言っていることは理想論で、もっと現実的な活動をやるべき。私たちはすでにやっている」との意見が出されました。

老若男女を問わず誰もが自らの主張をキッチリ述べる風土(民主主義に対する文化)が強烈に印象に残りました。

こうした住民の参画意識とPDCのような行政の仕組みがマッチして、ポートランドのまちづくりが進められていることの一端を垣間見ることができたように思います。

本県にこの仕組みをスグに導入できるとは考えられませんが、人口減少、財政が厳しくなる中で、住民参加は不可欠です。将来をみすえ、バックキャスティングで今何をすべきか考えていきます。

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ネイバーフッド エマジェンシー チーム(ポートランド視察報告6)

201705116 5/11(木)、今回の視察コーディネーターが所属するネイバーフッドアソシエーションの一つであるバックマン(Buckman)地区を訪問し、危機管理に備えた住民組織(NET=Neighborhood Emergency Team)の月例会に参加させていただきました。

会場はマルトノマ郡庁舎 (Multnomah County Building)内の会議室です。

日本にも「消防団」「自主防災隊」があり、「住民の命を自分たちで守る」という目的は同じですが、組織の違い、民主主義の考え方の違いを目の当たりにしました。

今回の訪問にあたり「静岡県の防災対策の話を聞きたい」というリクエストをもらいましたが、そのことからも積極的な組織であることがうかがえます。

Dscf1783 お会いしたNETメンバーは、チームリーダーのクリストファー・ドリン氏ほか5名。

ドリン氏は建築家であり、オレゴン州では家屋の倒壊防止対策が全くとられておらず大きな課題だということから、静岡県の防災対策の一環として取り組んでいる「プロジェクトTOKAI-0」を説明しました(写真)。

アメリカは自分のことは自分で守るという考え方が徹底しているせいか、税金を投入しての安全対策に興味津々の様子でした。

NETメンバーはリーダーのほか、水難救助に役立てると元漁師のアンドリュー氏、元グローバルコンサルタントで野外救命士のケビン氏、看護師の経験があるナービー女史、ICTに興味があるタニヤ女史、ウィル氏(自己紹介が聞き取れなかった)、また今回のコーディネーター中田理恵氏もメンバーとのこと。

日本との違いはメンバーの自主性と専門性です。日本では消防団や自主防災隊のなり手が少なく関係者が様々な人に頼んで組織を維持しているところが多く、また最近女性が増えてきたが男性中心の組織です。

一方NETは男女を問わず参加しており、特に自分の能力を活かして、自分ができるサポートをやろうとしているメンバーが多いようです。その点はPBEMでも伺いましたが、まさにその現場を見せてもらいました。

「アメリカ人は誰かから“やらせられる”のはイヤなのよ。だから自発的にやるの」という声が印象的でした。

民主主義の原点を見たような気がします。

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ポートランド開発局(ポートランド視察報告5)

5/11(木)、ポートランド開発局(PDC=Portland Development Commission)を訪問。

対応者は、山崎 満広 氏(都市開発部 国際事業開発オフィサー)。4月末に大阪でお会いし事前の打ち合わせをし、ポイントを絞ってポートランドの都市開発の考え方をうかがいました。

PDCが行っている住民主体のまちづくりのポイントは、まず「行政が住民を抑えない」ということ。それには行政職員の育成が重要で、これまでの考え方を変える必要がある。

オレゴン州は40年かかってここまで来たが、日本には時間が無い。1世代で変われるかがカギで、20代30代の育成が大切。

職員や議員の意識改革にPSUのカリキュラムは有効。カラを破ってほしい。

次に具体的なプログラムの優先順位をつくること。「どのボタンを押せばよいか」を誰が見てもわかる仕組みが必要。

そのためにはまず「現状の教科書(評価書)」を1年間で作ること。そして、「アドバイザリー・ボード」等を設置し、外部の目で見てもらい、「現状分析→評価→課題→方向性→ベンチマーク」を示すこと。

そこに「人(住民・ディベロッパー・PDC)」+「計画」+「おカネ」を加えて検討する。

ポートランド流のまちづくり手法は日本でも「柏の葉キャンパス(千葉県)」などで行っており、ここでは調整池の計画を変更し親水公園にした例がある。これはポートランドの成功体験を具現化した例だ。

ポートランド市の仕組みは市町村にはなじむが、県は組織が違う。広域自治体である県が「アドバイザリー・ボード」を作る場合は、①世界中の英知を集めおカネも拾ってくる、②県のスペシャリティチームを作り各地の取組を調整する、③市町長・議員の調整を行うことが肝要ではないか。

このほか「東静岡文化力の拠点」をケースに官民連携の意見を聴きましたが、ダイバーシティの考え方を入れることや当事者の意見を聴くことが重要ではないかとのこと。

また、職員の人材育成に対しては、日常の仕事にとらわれず10年20年先にその仕事が必要かどうか、よく考えるべきとも。

氏からは高校卒業後アメリカにわたりアメリカ社会を生き抜いてきたたくましさと、アメリカ的な発想を存分に伺うことができました。

201705113

オフィスでの意見交換の後、氏が開発に携わったPearl地区を視察。

ここは20世紀初頭の建築物をうまく再利用しながら、居住人口の確保と歩いて楽しめるまちづくりを行っています。

201705114 1階には大きなウインドウを持った個性的なショップが並び、2階以上には居住空間を確保しています。歩道も比較的広くとってあり歩きやすさを優先しています。

1496136831890 公園空間もふんだんにあり、居住者の住宅付加価値を高めています。

バスやトラムなど公共交通が発達していますが、路上駐車をOKとし買い物などの利便性も確保しています。

Dscf1724 このほかオレゴン州には1979年に制定された「都市成長境界線」という特徴的な土地利用規制があります。

こうした住民参画のまちづくりの仕組みを踏まえると、今後の県土づくりは・・・、

1496137103211 県が「内陸フロンティア」構想などを軸に、住民を巻き込んで県全体のまちづくりや景観構想の大枠を作り、それを共有化することがまず大切で・・・、

次に、具体的な都市計画は市町の役割ですが、中長期的な視点で、地域の特性を活かし、住民を巻き込んだ都市構想を作り、20年30年スパンで徐々に進めていくことが重要・・・、

と感じました。

「今より早い時はない」。20年30年先を見すえて取り組んでいきたいですね。

【上2枚はPearl地区。下3枚はダウンタウンの別地区。一番下は路駐されているシェアリングカー】

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ポートランド州立大学(ポートランド視察報告4)

Dscf1741 5/11(木)、ポートランド州立大学(PSU Portland State University)を訪問。

対応者は、パブリックサービス研究・実践センター 副所長の西芝 雅美 氏と、経済学教授の伊藤 宏之 氏(写真)。

人口減少社会を迎え財政状況が厳しくなる中、私は、「住民参画」は日本の地方自治にとって重要なカギとなると考えており、以前からこの大学の取り組みに関心がありました。

今回は短時間ではありましたが非常に有用なご意見をうかがうことができました。同行した鈴木議員は、すでに8月に再訪するとしています。

ポートランドには先進的な住民参加システム「ネイバーフッドアソシエーション(Neighborhood Association)」があります。

西芝先生はこの合意形成における住民との対話の重要性などに着目し、PSUのカリキュラムに「Community Based Learning」「Service Learning」と言われる手法を導入し、これまでも東京財団の「週末学校(自治体職員研修)」を受け入れています。

「ネイバーフッドアソシエーション」は、ポートランド市内に96あるエリアごとに分かれた住民参画組織で、イメージ的には「自治会連合会」に近いものです。

日本との大きな違いは、行政の肩代わりではなく、住民から声が上がるしくみを持っていることですが、もちろん最初からこうしたシステムがあったわけではなく、ポートランドでも最初はぶつかっていたということです。

伊藤先生は本来経済学者ですが、震災復興事業に関心がおありで、日本の東日本大震災の復興事業に日本とポートランドの合意形成のしくみの違いがよく表れていると指摘されています。

たとえば、想定津波高より低いコンクリートの防潮堤や、耕す見込みがない田んぼの復旧など、どの程度民意を反映しているのか疑問。中央政府は地方政府を信用していないように見受けられるが、もっと自治体の自立を促すべきだが、現在はお互いに責任がない状態になっていると言います。

さらに民主主義の基本は政府の介入が無いこと(民間でできることは民間で・・・補完性の原理ですね)で、震災復興事業の予算が減ってきてNPOが引き上げているが、本来は民間のアイデアを採用して行政が予算化すべきであり、日本のNPOビジネスは逆行している。行政が丸抱えでなく、少なくとも50:50で民間の自助努力も必要としながら事業をやるべき。日本はノンプロフィットセクターを育てるべきではないかと厳しく指摘されています。

最後に西芝先生から「Community Based Learning」や「Service Learning」を静岡県でも県立大等で取り入れてはどうかとの提案をいただきました。

PSUは国際部で1週間単位の留学を受け入れており、早稲田大学や広島修道大学(2週間)から来た学生が住民参加やイノベーションのプログラムを行っているとのこと。

このほか8月には自治体関係者や議員、一般市民を対象にしたプログラムを実施し、10月には日本の大学関係者を招いた会議を予定しているので、そうした機会への参加促進も考えられます。

すでに牧之原市で取り組みが進んでいますが、静岡県内でも住民と行政との新たな関係づくりを進める必要があります。

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ポートランド危機管理局(ポートランド視察報告3)

Dscf1722 5/10(水)、ポートランド危機管理局(PBEM Portland Bureau of Emergency Management)を訪問しました。対応者は写真のジェレミー・ヴァン・コーレン氏(NET Program Manager)。

オレゴン州の住民が感じている大きなリスクは「銃乱射事件」や「戦争」ということで、日米の差を感じます。これに加え米国南部では「ハリケーン」ということですが、一般的に「地震」のリスク認識は低いようです。

カリフォルニア州周辺では大きな地震が発生していますが、オレゴン州の住民は大きな地震の経験がありません。しかし歴史上300年に1度の頻度でM8クラスの地震が発生しているとのデータが示されています。

行政当局は危機感を募らせていますが住民の関心は薄く、ポートランド市は消防局組織を改編しNET(Neighborhood Emergency Team)を結成し、地震防災対策を進めています。

NETは住民有志の災害対策チームであり、日本の消防団や自主防災隊に近い位置づけです。現在ポートランド市のNETメンバーは1250人。研修中の予備軍が300人います。

年間12時間の研修を受けており、平均年齢は52歳で男48%、女52%と女性が多いとのこと。

平均年齢が高いことから、高校生や大学生にも募集をかけており、「障がい者でもやれることはある」と門戸を広げています。

出動は2年前までは年に2-3回でしたが、昨年は30回。これは市消防がNETの存在感を知ったことによるもので、最近は豪雨災害などでも出動しているとのこと。団員の招集は緊急時で20%、気象異常など予測可能な場合は40%とのこと。

201705103 PBEMの常駐者は18人で、施設内には「ECC(Emergency Control Center)」があります。2年半前に22億円かけて設置。各種災害に対応できる施設。M9クラスの地震でも100人が2週間活動できるような備蓄と発電施設等を持っています。

PBEMの組織自体は私たちにとっては目新しいものではありませんが、NETのような老若男女を問わない自主的組織はとてもユニークです。

自らの能力を活かして地域貢献しようという地域住民による、自主防災隊と地区社協を合わせたような住民組織ができると、実際の災害時にも今以上に機能するのではないかと感じました。

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ビジネスオレゴン訪問(ポートランド視察報告2)

Dscf1677 5/10(水)、ビジネスオレゴン(オレゴン州経済開発局)を訪問。

対応者は、トム・ディコルチャ氏(グローバル トレード スペシャリスト)と、ポートランド州立大学に留学中のインターン学生で早稲田大学4年の田中くん。こんなところで日本からの留学生に会えるとは驚きでした。

ビジネスオレゴンはオレゴン州の産業振興や貿易等を所管する組織で、最初にオレゴン州の産業や対日経済振興策などのレクチャーを受けました。

米国は州ごとに税体系が異なり、オレゴン州には「消費税」や「在庫税」はなく、「法人事業税」は国内でも最も低いとのこと。また豊富な水力発電により電気料金はカリフォルニア州の約半分で事業環境が整っています。

またポートランドは全米一住みやすい都市と言われ、若い移住者が増えているのが特徴。

主要産業はハイテク産業(電気・半導体等)で“シリコン・フォレスト”とも呼ばれている。生産額は8667億円、10万人が働いている。特に1万7500人を雇用するインテルの工場があります。

スポーツ産業も盛んで、ナイキの本社や研究開発施設、ミズノのデザインスタジオがあるほか、アウトドアグッズメーカーが多数あり、これはたとえば車でもスバルの人気が高いことなど、住民のライフスタイルにも表れています。

森林林業を背景にした環境ビジネス(グリーンビジネス)も盛んで最近CLTの取組をスタートしており、Vanportという民間企業が中国向けなど積極的に輸出しているようです。また内陸でありながら港が発達しており、コメや小麦の輸出基地があります。

将来に向けては、ONMI(オレゴン・ナノ・マイクロ・インスティチュート)で環境科学やナノ技術の開発、バイオテクノロジーなどの研究を進めています。

静岡県関係では川根本町の茶農家から輸出の相談を受けているとのことでした。

Dscf1684 インターン学生の田中くんは早稲田大学商学部の4年生。昨年9月からポートランド州立大学に留学しており、3月からビジネスオレゴンでインターン中。7月に帰国予定ですでにスカイプで就活しているとのこと。

こうした若いグローバル人材の育成は本県にとっても大きな課題であり、若い世代の留学を積極的に支援したいと改めて感じました。

オレゴン州との関係について、すぐには産業連携につながらないかもしれませんが、ポートランドには有名な日本庭園もあることから、茶文化の交流など可能と推察します。

また大学卒業後の若者を呼び寄せる地域ということで、まちづくりや起業の仕組みに学ぶ点は多いと考えます。

県内に姉妹都市提携を結んでいる自治体が3市あることからも、本県がオレゴン州と連携を取ることについては効果が期待できるのではないかと思います。

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オレゴン州とポートランド市(ポートランド視察報告1)

City_art 5月9日(火)から15日(月)まで、阿部卓也議員、鈴木智議員と3人で訪米。全米1住みたい街として有名なオレゴン州ポートランド市を視察しました。

視察テーマは大きく「都市再開発」と「防災対策」。またそれらを支える「先進的な住民参画のしくみ」です。数回に分けて視察報告をアップします。

最初に視察地についてです。

(1)オレゴン州

米国北西部、ワシントン州の南に位置。人口403万人。面積は日本の本州と四国を合わせたよりやや大きい。富山県と友好提携を締結しています。県内では掛川市とユージン市、袋井市とヒルズボロ市、御殿場市とビーバートン市が姉妹都市提携しています。

年間9か月は雨が多く、夏場の7-9月は晴れ間が多い。この気候によりアウトドアグッズが発達している模様で、オレゴンの人々は雨でも傘を差さないのが印象的でした。

(2)ポートランド市

オレゴン州北部にあり、コロンビア川をはさんでワシントン州と接する同州最大の都市。人口約60万人。ビーバートン市やヒルズボロ市など周辺の都市圏人口は約170万人。

人口は増加しており、特に近年、シリコンバレー周辺地域の物価上昇等により、当地からIT起業家などがポートランドに流入しているとのこと。

街中には魅力的な雑貨店や飲食店が多く、人口当たりの飲食店数は全米1といわれレベルが高い。

1900年前後に建てられた建造物を再利用したまちづくりを行っています。ダウンタウンは碁盤の目になっており、1ブロックが小さくなっており、これも歩いて楽しめる理由の一つです。

バスや路面電車などが発達しています、クルマの路上駐車も許可されており、交通体系が共生しています(エリアによって時間制限アリ)。

面積はかなり違いますが、静岡市や浜松市のイメージに近い地方都市圏であり、都市再生のモデルになりうると考え調査しました。

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サスティナブルシティをめざして

サスティナブルシティをめざして
好天に恵まれた今年の浜松まつり。直虎効果もあってか、昨年を上回る185万人余の参加だったとか。
青空に舞う凧のように、景気もグングン上がってほしいですね〜(^^)

さて、久々の投稿ですが、今日からアメリカに行きます。

知事選や年度行事がある中ですが、将来に向けて持続可能なまち(サスティナブルシティ)づくりの参考にするため、北西部オレゴン州のポートランドという都市に行きます。

「どこ?」という声が聞こえてきそうですが、ネット検索するとポートランドの特徴がおわかりいただけると思います。
人口60万人余の地方都市で旧浜松くらいの規模。人々が住みたくなる街という魅力もありますが、都市開発や住民参加の仕組みなどユニークな取組を進めているようです。

なかなか行く機会が無いところですが、受け入れてもらえるチャンスをいただいたので、会派のメンバー3人で行くことにしました。

数ヵ所の視察を予定していますが、防災活動に取り組む住民組織との意見交換では、先方から「静岡県の地震対策について聞きたい」と、逆にリクエストをもらうほどで、民意の高さを感じます。

詳しい報告は帰国後にしますが、ホットな話題はアップするつもりです。

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メルマガ5月号

メルマガ5月号をアップしました。

★メルマガ5月号

県政報告会や浜松まつり、視察準備のため、やや軽めの内容です。

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