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2017年7月31日 (月)

6月定例会 閉会

Titan 6月定例会が今日閉会しました。

知事選直後で補正予算など大きな議案はなく、知事提出議案17件はすべて可決。川勝知事3期目のスタートは無難な船出となりました。

追加提出された人事案件では、空席になっていた教育委員に、新たな分野の事業に取り組んでいる女性経営者 加藤 百合子 氏を選任しました。農業の生産性向上を進めている加藤氏は、最近では“やさいバス”で物流改革にも取り組んでいます。教育分野においてもそのユニークな発想に期待したいと思います。

議案のない常任委員会も含め「所管事務調査」が行われました。各委員会の資料の中で備忘録的に3つの資料をアップしておきます。

★移住者数と相談件数

★市町別高齢化率

★待機児童の状況

8月は委員会視察、研修など、例年どおり夏休みのお勉強月間になりそうです。研修会の講師も久々にやります。いささかマニアックなテーマかもしれませんが、興味がある方はお越しください。

★CIPFA Japan 中部部会第1回セミナー (8/26)

【写真はスズカ8耐 31はスズキの社員チーム Titan】

2017年7月26日 (水)

静岡どぼくらぶ

Doboclub1Doboculove1 建設委員会の質問の3つ目は「静岡どぼくらぶ」。

「どぼクラブ」と「土木ラブ」をかけた語呂合わせです。

土木は、新しい道をつくり、橋を架け、施設を造る、いわば未来を創る産業です。また万一災害があれば、すぐに駆けつけ復旧作業をする、地域に欠かせない産業です。

しかし土木を支える若者が減っています。

産業のイメージアップと人材確保のためにも、みなさん「どぼくらぶ」を応援してください!

詳しくは県のHPをご覧ください。

「どぼくラブソング」イケてますよ~^^

★静岡どぼくらぶ

社会資本長寿命化は目的?手段?

質問の2つ目は交通基盤部が進めている「社会資本長寿命化」について。

県はH27.2に公共施設総合管理計画をまとめています。その中で今後30年間のインフラ資産の更新や維持管理に必要な投資額をトータルで約1兆5074億円と推計、年平均で約500億円必要と報告しました。

しかしこれは県が保有するインフラ資産のうち14施設を対象としたもので、昨年度、あらためて全施設(44施設)を対象に推計したところ、1兆9千億円を超えることがわかり、年平均必要額は約500億円から約640億円に増えてしまいました。

ここ数年の事業費が250億円ほどであることから、その差額390億円近くを、何らかの手法でねん出しないと、今後のインフラの維持が難しいということになります。

施設ごとに「中長期管理計画」を策定し、取り組みを進めていますが、例えば「橋梁、トンネル、舗装、大規模斜面施設」の予防保全を進めても、50年間で2000億円、単年度で40億円ほどのコスト縮減にしかなっておらず、差額390億円を埋めるためには、まだ350億円ほどの捻出が必要です。

しかし、今回県が提出した委員会資料にはこうした報告はありません。

私はこうした情報をきちんと公表する必要があると思います。

公共施設等総合管理計画の策定趣旨を踏まえ、将来負担を見える化し、認識を共有化することが必要です。

あわせて庁内の連携、市町との連携を進めるとともに、持論である「公会計がわかる職員の育成」を求めました。

交通基盤部の職員さんは、長寿命化を仕事の「目的」にしていないか懸念します。あくまでも将来にわたって持続可能な静岡県を作るための「手段」です。

天浜線の経営状況

建設委員会2日目、久々に常任委員会で質問に立ちました。

昨年度は委員長だったので質問できませんでしたが、今年は副委員長なので、各委員の質問が終わった後、全体のバランスを見ながら質問できます。

今日は大きく3点質問しました。①どぼくらぶ、②公共施設等総合管理計画、③天竜浜名湖鉄道の経営状況です。

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天竜浜名湖鉄道は、H26年度から30年度までの「中期経営計画」の経営目標として、30年度までに鉄道インフラ整備分を除く営業費用を営業収支で賄えるようにするとしています。

フルーツパークとのコラボや直虎ブームもあり、旅客数は増えていますが、残念ながらH28年度までの実績では、まだそこまでの経営改善に至っていません。

今後、県は来年度半ばをメドに、平成31年度から5か年の次期中期経営計画を検討していきます。

現在の5か年では、県と沿線市町合わせて10億5700万円の助成をおこなっています(県負担1/2)。次期計画の中では、これまで以上に老朽対策が必要になるかもしれません。

県民の理解を得るためにも、目標達成を求めたいと思います。

2017年7月23日 (日)

豪雨災害対策

Received_441982239521594 昨日のFM Haro 後半にお話したのは「豪雨災害対策」。

今日も秋田県で豪雨災害が発生しています。被害が拡大しなければよいのですが・・・。

九州豪雨の時、福岡県朝倉市で1時間最大雨量が129.5mm。24時間では545.5mmでした。

県内でも6/21に豪雨があり、浜松市内でも避難勧告が出されました。エリアメールが一斉に鳴り、驚いた人も多かったのではないでしょうか。

余談ながら、私はこの日、知事選の最中で、豪雨の中、街頭演説をやってビショビショになりました(屋外で聴いている人はいなかったかと・・・)。

この日の最大雨量は、北区の都田ダムで記録された1時間51mm、24Hでは190㎜。ものすごい雨でしたが九州の3-4割程度です。

昨年度の県の記録をみると、8-9月に台風による豪雨が2回。台風以外でも施設被害が出た豪雨が4回ありました。

これからの時期、豪雨はどこで起きても不思議はありません。行政の取組も重要ですし、家庭での備えも大切です。みなさんに知っておいてもらいたい情報を提供しました。

◆行政が行うハード整備

河川整備は43か所の「豪雨対策緊急整備事業」をH27・28の2年間で各20億円、計40億円で実施。H29・30も15億円ずつ30億円かけて39か所を予定しています。

道路冠水等が発生しやすい河川対策としては、 浜松市の堀留川は整備計画を策定し、今後、河川改修が行われる予定で、馬込川も今年度中に整備計画を作る予定にしています。

◆ソフト対策

最近はソフト対策の重要性が指摘されています。

H27.9月に鬼怒川で大規模な堤防決壊が起きました。このあと国は「堤防などの施設では防ぎきれない大洪水は必ず発生する」という 考え方に切り替えています。

県西部地域でも、昨年度「豪雨災害減災協議会」を設置しました。その中で県の浜松土木事務所と市町との連絡を強化する「ホットライン」体制を作りました。

〇タイムライン

また「洪水タイムライン」というのも導入しています。タイムラインは「事前防災行動計画」の略称で、大型台風の接近が予想されるときなどに、「誰が、どのタイミングで、何を準備するか」をまとめたもので、行政だけでなくみんなが行動しようというものです。

〇浸水想定区域図

ほかにも、今月、「洪水浸水想定区域等の指定・公表」が示されました。これは想定しうる最大規模の豪雨による浸水被害を想定したハザードマップです。

H33年度までかけて、県内の47河川で公表される計画ですが、 まずその第1弾として、今月、浜松市内の「馬込川・芳川」、「原野谷川」を含む太田川水系の3河川が公表されました。

★静岡県GIS(洪水浸水想定区域図)

余談ですが、この「静岡県GIS(地理情報システム)」というのはなかなかの優れもので、 津波浸水想定をはじめさまざまな情報が公表されています。100年ほど前の地図もあります。お子さんたちの夏休みの研究にも使えるのではないでしょうか?

〇サイポスレーダー

最後に「サイポスレーダー」のチェックもお忘れなく。これはスマホでも見ることができます。 降雨や河川の水位情報がリアルタイムでわかる優れもの。 計測点が多いので、お近くのデータがわかります。

★サイポスレーダー

私は豪雨の時には常に近所の「堀留」というところを見ています。これからの時期、ぜひ活用していただきたいと思います。

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写真は昨日のUPONスタジオ。レース用つなぎが飾られていました。いよいよ来週はスズカ8耐。私はスズカへ行く予定です。

2017年7月22日 (土)

広域幹線道路の整備状況

今日のFM Haro 「遊佐ちえみの 聞いちゃえ!しずおかの政治」では、建設委員会所管事項である「道路行政」と「豪雨災害対策」についてお話しました。

子どもたちが夏休みに入り遠出の機会が増えることや、九州や東北で豪雨災害が相次ぎ、静岡県でも昨年8-9月に施設被害が出る豪雨が相次いだことから取り上げました。

<前半「道路について」>

◆東名・新東名

H24年に新東名ができて、県内の東西交通が非常に便利になりました。

渋滞が減るなどの効果のほかに、いざという時のリスク回避のWネットワークとして、すでに交通事故の時や台風で由比海岸が通れないときなどに効果出ています。将来予想される大地震の際もWネットワーク効果が期待できます。

御殿場JC以東は、H32年度完成予定ということですが、夏のオリンピックに間に合うかどうかは不明とのこと。どうせならそれまでに完成させてほしいですね。

愛知県方面はH28.2に開通し利便性アップ。大阪方面のアクセスはこれまでの名神高速道路に加えて、豊田JCから伊勢湾岸道から東名阪、 新名神高速のルートができました。

東名阪自動車道の四日市~鈴鹿の区間が慢性渋滞していますが、NEXCO中日本の情報ではH30年度にはこの区間で新名神が完成予定で、かなり緩和されると思います。

高槻~神戸もH30年度開通、高槻~大津はH35年度ということですが、数年後には大阪方面のアクセスがさらに便利になります。

スマートICの整備も進んでいて、東名では三方原PAにできて便利に。 舘山寺にもできる予定。当初予定では昨年度中だったが、少し遅れてH30年度末の予定。 新東名も今後、磐田市内にできる予定です。

◆三遠南信自動車道

新東名のいなさJCから長野県飯田市まで計画されている総延長100㎞の道路。南側はまだ鳳来峡ICまでの約7.8㎞しかできていません。

鳳来峡ICから先、東栄町までは、事業は始まりましたが開通は未定。 東栄ICから佐久間ICまで(通称「佐久間道路」)はH30年度に開通する見通しです。

以前、原田橋が壊れて旧佐久間内の交通が混乱しましたが、この道ができれば便利になります。

佐久間から水窪までは、まだしばらくかかる予定。 水窪北から長野県の南信濃までは一部調査が始まっています。

◆中部横断自動車道

県西部の人にはあまりなじみがないかもしれませんが、静岡市清水区から山梨県の甲斐市(甲府市の北西)までつながる道路です。

昨年度開通の予定でしたが遅れており、H31年度に開通見込みです。

現在、長野方面に行くには、愛知県の豊田JCから東海環状道路、中央自動車道が一般的ですが、東回りも使えるようになり、目的地によっては便利になります。

◆伊豆縦貫自動車道

伊豆も西部地域からは遠いですが、魅力いっぱいなのでお楽しみいただきたいエリア。伊豆縦貫道は沼津から下田までの予定で計画されています。

2020年五輪が伊豆市で行われるので、アクセス道路も含め整備が進んでいます。伊豆スカイラインや東海岸の国道135号、西海岸のR136も景色がキレイ。

ドライブコースとしてはおススメですが、これからの季節は渋滞に注意が必要です。

◆地域高規格道路

R1浜名バイパスを西に進むとR23バイパスにそのまま入ります。蒲郡市内の一部区間が未開通ですが、これも整備されると名古屋まで有料道路を使わなくても便利になります。

以前、「周辺自治体はH32年度の開通を期待」という新聞記事があったようですが、整備は未定です。

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道路整備は便利な生活には欠かせませんが、造るためにはおカネが必要です。人口減少社会を迎え、これまでの道路を維持しながら、どこまで便利な生活を求めるのか、バランスを考えるのも政治の役割です。

2017年7月17日 (月)

浜名湖ジオパーク

Img_20170717_170908 ジオパークは、「地球・大地(ジオ:Geo)」と「公園(パーク:Park)」とを組み合わせた言葉で、「大地の公園」を意味し、地球(ジオ)を学び、丸ごと楽しむことができる場所をいいます。

ジオパークの見どころとなる場所を「ジオサイト」に指定して、多くの人が将来にわたって地域の魅力を知り、利用できるよう保護を行います。

その上で、これらのジオサイトを教育やジオツアーなどの観光活動などに活かし、地域を元気にする活動や、そこに住む人たちに地域の素晴らしさを知ってもらう活動を行います。

(以上、日本ジオパークネットワークのサイトから抜粋)

日本にある「ユネスコ世界ジオパーク」は「洞爺湖・有珠山、糸魚川、島原半島、山陰海岸、室戸、隠岐、阿蘇、アポイ岳」の8地域です。

私も修学旅行などを含め5ヵ所行きましたが、いずれも何千年、何億年もかけて作られてきた大自然の営みを目にすることができる素晴らしいところです。

「日本ジオパーク」の認定を受けているところは国内に43地域あります。うち静岡県には「伊豆半島」と「中央構造線(静岡市葵区・川根本町)」があり、「伊豆半島」は世界ジオパークの登録をめざしています。

何千年、何万年ではなくても、歴史的な痕跡を残す大地がごく身近にあります。

それが「浜名湖」です。

カテゴリーを「文教・警察」にしたのには理由があります。

今日、地元にある大平台高校 自然科学系列の生徒さんたちと一緒に、身近なジオツアーに行きました。

近い将来、本格的なジオツアーを計画したいという生徒さんが、リハーサルとして実施したものです。

高校生がこのような取り組みをしているとはビックリ。なかなかユニークですが、まさに川勝知事が進めている「地域学」の一環と言えます。

ジオツアーのテーマは「旧東海道に歴史地震の津波が与えた痕跡をめぐる(仮称かな?)」。

浜名湖は1498年まで、浜名川という河川により太平洋に流れ込んでおり、河口部は現在の湖西市白須賀に近い新居町浜名のあたりにあったとされており、当時は海水は流入していなかったそうです。

その頃、舞阪と新居は河口部の橋でつながっており、歩いて渡ることができました。今もその地名は「橋本」として残されています。

ところが1498年8月25日に発生した「明応地震」により一変します。

明応地震は推定マグニチュード8.2~8.4とされていますが、その際、浜名湖一帯が地盤沈下し、津波により今切口ができたと言われています。

すでに自然景観は失われていますが今切は歴史的なジオサイトといえます。私も魚釣りを楽しんだことがありますが、汐の干満も明応地震の痕跡といえます。

20170717_171909 それを前提に、生徒さんが紹介してくれたのは「脇本陣」「北雁木」「岐佐神社」の3ヵ所です。

今切ができたあと、当時の幕府は政策的に橋を造らなかったと言います(新居関所)。おかげで渡船が必要となりましたが、最終の船は4時だったそうで、舞阪は宿場町として栄えたようです(ちなみに当時は「舞」でした)。

また、岐佐神社は海抜10mも無いと思いますが、津波の際の避難場所になったようです。

なお本殿脇に祀られている「赤猪石」は、舞阪付近では見かけない種類の石だそうで、同種の石は舘山寺付近で見られるとのこと。津波の引き波の力で転がってきたのでしょうか?これもまたナゾですね・・・。次回は新居の痕跡もぜひ見てみたいな・・・。

・・・とまあ、500年前を想像しながら、若者たちと会話を楽しませていただきました。

地方創生のカギは「若者」にあり。人口減少・東京一極集中とネガティブな話題が多いですが、こんなときこそ若者の声に耳を傾けて、地域の魅力を再発見していきたいですね。

生徒さんたちは、今日のリハーサルをいかして、さらにブラッシュアップした本格的な「ジオツアー」を計画したいとのこと。

みなさん、お楽しみに!

2017年7月10日 (月)

伝統工芸の新たなウエーブ

7月7・8日、富山県高岡市を視察しました。訪問先は2つの行政施設と元気な地域企業3社です。

①富山県総合デザインセンター

20170710_142130 富山県はデザインを産業と結び付けた取り組みを進めています。総合デザインセンターはその支援の中心で、1988年に第3セクター㈶富山技術開発財団に「富山インダストリアル・デザインセンター」を設置し、活動をスタートしました。

ハードとソフトの両面から支援しており、ハード面ではCADなど3Dデザインソフト、3Dプリンター、フォトスタジオなどを擁しており、中小事業者のニーズに対応しています。昨年度の年間利用件数は1296件、相談件数532件で4人の研究員が専門分野を活かしサポートしています。

ソフト事業は1990年から「デザインウエーブ事業」を開始、全国規模のデザインコンペやワークショップを実施しており、全国の若手プロダクトデザイナーの登竜門となっています。

最近では、行政が主体となり統一ブランドを創出。第1弾は越中富山「幸のこわけ」。今年度第2弾の「技のこわけ」をリリースしています。

★富山県総合デザインセンター

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②高岡地域地場産業センター

高岡地域は銅器、漆器、木地などの伝統工芸が盛んです。しかしバブル崩壊以降、厳しい産業情勢になっており、センターでは地場産業の販路拡大支援や人材育成を進めています。

市は伝統工芸伝承のため、2006年から市内の小学校5・6年、中学1年時に年間35時間「ものづくり・デザイン科」という授業を実施しています。子どもたちのためにセンター、さらに伝統工芸事業者がサポートしており、教師への技術指導も行っているとのこと。

さらに高岡工芸高校、富山大学芸術文化学部もあり、一貫した技術者育成を進めるとともに、産学官民連携で伝統工芸の伝承を図っています。

このほか高岡市では30年にわたり「クラフト市」を実施するなど、市を挙げて伝統工芸の維持継続に努めています。

★高岡地域地場産業センター

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③民間事業者訪問

○株式会社 能作

Nosaku1Nosaku2Nosaku3創業100年を超える伝統ある銅器製造業者です。

伝統技術を活かし、100%錫の加工製品で新たな市場を開拓。

目を奪われる製品が多数並んでおり、斬新なデザインや用途で海外市場にも展開しています。

本年4月、富山県総合デザインセンターの近くに新工場を稼働。工場見学や体験コーナーなど産業観光拠点にもなっており、目標年5万人のところ、2か月ですでに2万5千人の来場者があるとのこと。

私も作業場を見せていただきましたが、職人さんの平均年齢は30歳代前半と若い世代が育っているとのことです。

体験工房やショップのほか、木型の展示や、社員おすすめの県内のお店情報など、県全体の情報発信も行っています。

★能作さまのHP

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○有限会社 Momentum factory Orii

高岡の銅器製造は工程ごとに分業で成り立っているといいます。

Orii モメンタム ファクトリー オリイ 様は銅器への着色を行う会社で、現社長は3代目。バブル崩壊後の26歳の時に家業を継ぎ、業界の惨状に危機感を持ったそうです。

「伝統工芸士」として活躍中で、古来の手法に加え、新たな着色技術を開発し、従来のジャンルに加えインテリアクラフトなどを手がけ、高級ショップなどで取り上げられているようです。

社長様に実際に着色作業を見せていただき、現場を回っていただきましたが、この会社も職人の平均年齢33歳と、若手職人が活躍していました。

★Momentum factory Orii さまのHP

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○ホクセイプロダクツ株式会社

アルミを中心とした金属関連企業。グループに製造会社もあり、薬のラミネートなど独特の技術を持っています。

高岡を拠点に、スウェーデン、アメリカに子会社を持つほか、沖縄の事業所は「アジア事務所」と位置づけるなど国際展開を推進。さまざまな商品を輸出入する商社機能も持つとともに、高純度アルミや高機能素材を提供し、地域企業の技術革新を支援しています。

★ホクセイプロダクツさまのHP

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<所感>

伝統工芸ではありませんが、本県のものづくり産業は、すでに海外展開など産業構造の変化の波にもまれており、今後さらに自動運転や電気自動車の開発の中、影響は大きくなってくると考えられます。

これらの中小企業支援のためには、これまで培ったものづくり技術に、デザインの力などを取り入れて、さまざまな分野に展開していく必要があるのではと思います。

浜松には静岡文化芸術大学がありデザインに携わる学生も多数います。産学官連携により若い感性やアイディアによるデザインの力を活かした産業支援に取り組めないか検討します。

高岡の伝統工芸の歴史、現在の展開には、静岡県のものづくり産業の将来を見すえた事業構想を考えるヒントがたくさんあるような気がしました。

9月22日~24日には「クラフト市」が行われるとのこと。多くの皆さんに「ぜひ見に来てほしい」と言われました。誰か行きませんか?

2017年7月 4日 (火)

ドローンが創る未来

浜松商工会議所が開催した公開研究会「日本・世界での無人航空機最新動向と利活用状況」に参加。産総研の講師から最新情報をうかがいました。

「無人航空機」は簡単に言えば「ドローン」です。ドローンは「雄バチ」の意味。でも最初の無人航空機は1931年にイギリスで造られた「Queen Bee(女王バチ)」だとか。戦闘機の訓練用標的機だったそうです。ドローンはアメリカで1935年に造られた無人航空機だそうです。

当時のドローンはプロペラ機(固定翼)で、最近見かける回転翼機の登場は2010年(仏)とのこと。知らんかったです。

現在ドローンは、農業(追肥のチェック)や漁業(魚群探知)のほか、メガソーラーの点検、福島の除染状況チェック、火山の調査、老朽インフラのチェック、測量調査などに活用されています。

シリコンバレーではさらにさまざまなニュービジネスが進んでいるようで、ドローンの侵入を監視するシステムの開発や、トップアスリートの撮影に使われる例もあるとか。

民生部門以外の活用も研究されており、「F35(戦闘機)は最後の有人兵器」になるとの話も。無人航空機が戦争をする時代が来るのでしょうか・・・。

ドローンは二極化が進んでおり、カメラ搭載モデルは小型化し、輸送型は大型化しているとのこと。大型化したドローンは、さまざまな物資輸送に資することができます。

カメラ搭載モデルは、5G(第5世代移動通信システム)の導入でさらに加速するとみられており、集められたビッグデータを利用したクラウドビジネスにつながるとも言います。しかし日本の5Gの開発は遅れているとも・・・。

輸送用モデルは、物流を変える可能性があります。20世紀は陸路物流が主流でしたが、21世紀は空中利用が進むのではないかと。

そうなると、例えばASEANのような海域や砂漠でもスピーディな物流が可能になると考えられます。

国内でドローンによる空中物流をする際には、モバイル通信の仕組みが参考になるとも。ドローン物流事業者は、携帯キャリアのように利用エリアを設定し、その中でルート設定するなどの手法が考えられるといいます(私の理解が違っているかもしれませんが)。

いずれにしても、陸路(と海路)が主流だった大規模物流が、大型ドローンの開発で大きく変わってくるかもしれません。

知的好奇心を満たしてくれた講演でした。「未来予想図」描かなきゃ・・・。

2017年7月 3日 (月)

「子どもいじめ防止条例」を実践段階に

Antiijime 昨年12月に制定した「静岡県子どもいじめ防止条例」。

やっとパンフレットができました(写真は表紙)。

★表紙(PDF)

★中面(PDF)

★裏表紙(PDF)

小学校低学年向けにはもっとわかりやすいモノを用意するとのことですが、これを使って実践していきたいですね。

今日は入野地区社会福祉協議会の関係者で「地域子育てネットワーク会議」を開催。

県教委と市教委の担当者にもお越しいただき、“社会総がかり”のいじめ防止のために地域社会は何をやっていけばよいかという観点で意見交換しました。

まず大切なのは「家庭」。

親子の対話の大切さを指摘する意見や、そのために地域やPTAがやるべきことについても意見が出されました。

次に「地域社会」の役割。

まずは「見守り・声掛け・あいさつ」。多くの大人が子どもを見ることが大切との声。

社協をはじめ地域は、親を巻き込む場を提供し、家庭と地域とのコミュニケーションを増やそうという意見が出されました。

また保育所や放課後児童会からは学校との連携が大切との声。

「居場所」をつくってあげることも大切とも。

私からは以前「ふじのくにカフェ」で出された声として、「子ども会や少年団の指導者コーチや、塾・習い事の先生たちが、子どもの変化に気をつけてやってほしい」、「学校・クラス以外のコミュニティがあればよい」などお話させていただきました。

いじめの認知件数が増えるのは悪いことではありません。深刻ないじめになる前に防止する、あるいは早期発見することが大事です。

さあ、県内各地で、一歩ずつ踏み出していきましょう。

2017年7月 2日 (日)

めざせ「ハママツバレー」

昨日は市制記念日。午前中はアクトシティ大ホールで行われた式典に参加。午後はアクトシティコンベンションホールで行われた「政令指定都市市長会シンポジウム in 浜松」に参加しました。

テーマは「浜松バレーが切り拓く日本の未来」。

浜松は康友市長がシリコンバレーを視察して以来、起業のまちをめざして取り組んでいます。私も大賛成です。

過日行ったポートランドは、シリコンバレー周辺の物価高を受けて、ベンチャー起業家が会社を移転して来るようになったと言っていました。

若手経営者のお話をうかがっていて、浜松も“場の力”を活かして「起業支援」「ベンチャー誘致」の両面からチャレンジすると面白そうだな・・・と思いました。

面白かったので備忘録的に書いておきます。

◆基調講演 FinTechと地方創生(SBIホールディングス 北尾 吉孝 氏)

・FinTechは今に始まったわけではない。SBIは1999年からやってきている。

〇ネットと金融サービスは親和性が高い。

・証券会社の手数料の差を見ても明らか。

・顧客が情報を得やすくなり情報の非対称性が解消された。

・比較検索機能で情報の仕訳がラクになった。

・ユビキタス(どこでも誰でも)社会の到来(銀行に行かない人88%・・・スウェーデン)。

・ブロックチェーン、IoT、AIなどの新技術を使ったFinTechベンチャーの出現。

〇FinTechを使った社会革命による地方創生

・地域金融機関の商品開発力、資金運用力の向上(exスルガ銀行)

・地域金融機関とのJVで資産運用会社をつくる

・FinTechベンチャーとの連携事業(ex横浜銀行、山陰合同銀行)

・農業、食料、流通分野の換金決済手段として活用

・送金コストの削減(内外為替一元化コンソーシアム)

★SBIホールディングス

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◆パネルディスカッション「ベンチャー企業の成長と都市の役割」

市内外のベンチャー起業家3人と康友市長によるパネル討論。

登壇者

 ★株式会社PrmaCeed 岩田彰人 氏

 ★コイニー株式会社 佐俣奈緒子 氏

 ★リンクウィズ株式会社 吹野 豪 氏

(浜松のよいところ)

・家賃が安い(東京は五輪特需で値上がり)

・ドローン・自動運転など試す場所がある(都会にはない)

・金融は東京だが、モノは地方で。

・経営支援、運転資金などサポートある

(課題)

・人件費は沖縄・北海道にはかなわない

・情報は東京にかなわない

・浜松はかなりクローズ

・中にイイものが一杯あるのに外ばかり見ている

・前例踏襲はダメ

・ネットワークづくり必要

・底上げや平均ではダメ、トップを伸ばす

(将来に向けて)

・国境の概念はない

・FinTechによりキャッシュレスで暮らせるまちづくりを

2017年7月 1日 (土)

メルマガ7月号

メルマガ7月号を発行しました。

昨日のブログで書いた、本会議での知事発言のうち「所信表明」の全文を掲載しています。詳しくご覧になりたい方はどうぞ。

また平成28年度決算見込みが示されましたので、それも記載してあります。

★メルマガ7月号

★平成29年のメルマガバックナンバー

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