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EVシフトの影響

東京モーターショーが始まりました。今後のクルマづくりのキーワードは「CASE」です。

Cは「つながるクルマ(コネクティッド)」、Aは「自動運転(オートノマス)」、Sは「共有(シェアリング)」、Eは「電動化(エレクトリシティ)」です。

特にEV化の影響が気になります。

IEA(国際エネルギー機関)という組織の予測によると2050年には世界中のクルマの約9割が電気自動車になると見込まれています。

世界の状況を見ると、イギリス・フランスでは、2040年までにガソリン車、ディーゼル車の販売を禁止する方針。大気汚染が深刻な中国、インドでは、EVシフトを早める動きもあります。

それに対応してヨーロッパのボルボ社は、2019年から全社EV車に切り替えるという報道も。国内自動車メーカーでも、現在EVを市販している日産、三菱に加え、これまでHV車を軸にエコカーを作ってきたホンダは2020年に国内市場に参入するとし、最大手のトヨタは次世代電池「全固体電池」を2020年代前半に実用化するとしています。

EV化により、エンジンが電気モーターに変わり、変速機も不要になります。従来のガソリン車では部品点数は3万と言われていましたが、電気自動車では2万点ともそれ以下とも言われています。

過日の新聞報道では、EVが普及すると、2014年の自動車部品出荷額 2兆7243億円のうち、不要となるエンジンや変速機などの関連部品は1兆4962億円ということでした。

9月議会の一般質問で取り上げましたが、県内経済や雇用に直結する問題なので、キチンと調査しなければいけません。

こうした部品メーカーの動向を探りに、来週は東京モーターショーを視察しようと思っています。

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路面下空洞対策

一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会「都市の危機管理における路面下空洞対策」を聴講しました。なかなか参考になりました。以下、備忘録です。

1.「福岡市における都市の危機管理」高島 宗一郎 福岡市長

平成28年11月の博多駅前陥没事故の事例を踏まえた「有事の際のリーダーシップ」についての講義。

ポイントは①復旧優先、②二段階復旧。

①について識者から「原因究明が先」との声もあったが「火事の時はまず消火。究明はその後」と明快。またマスコミを通じてさまざまな報道が流されるが中には憶測もあり、「正しい情報を提供することが重要」とも。

②は仮復旧を1週間と設定し、平時にはありえないが、地下埋設物工事を同時進行で実施。迂回路設定したインフラもあった。流動化処理土の投入は遠距離からの搬入は無理。福岡市周辺事業者の協力でミキサーを大集結できた。

安全確保は専門家による数値判断で。住民の安心はリーダーの情報発信。SNSを活用しタイムリーに発信した。 ・平時の備えは、技術コンペを踏まえた年間100㎞におよぶ空洞調査。

2.「路面下空洞生成のメカニズムと地盤陥没対策」桑野玲子 東京大学教授

都市の道路陥没の大きな要因は「下水管の損傷」。全国では1日10件発生。30年以上の老朽管で陥没が増幅。その他、埋戻し不良や地下埋設物の輻輳があるが1/4は原因不明。

空洞拡大要因は雨と地震。震度5弱以上の地震で空洞頻度が倍以上に増加。

道路陥没はインフラ老朽化と不可分。都市の成長から20年超で問題顕在化。

あわせて気象の激甚化による問題の加速化も。

路面下探査による未然防止が不可欠。

3.「事例報告」

○札幌市(道路5612㎞、水道管6050㎞、下水道管8265㎞、地下鉄48㎞)

市強靭化計画の中で空洞対策を位置づけ。緊急輸送路および地下鉄路線約460㎞を調査対象に、年間230㎞を探査。1次調査は空洞探査車。2次調査はハンディ型地中レーダー、孔内カメラ撮影。

H27年度は230㎞調査に対し異常信号370か所で、空洞172か所発見。H28年度は233㎞調査、363か所異常で空洞268か所。H29年度は254㎞調査、464か所異常、空洞205か所。合計645か所発見。

○仙台市

東日本大震災時、道路埋設物による隆起が約1万2千か所。地下鉄駅周辺の道路陥没が発生。開削→埋戻工事で整備したが、地下水の上昇と効果により路面下に空洞が発生した模様。

平時の取組として、路面下空洞調査を、緊急輸送路と幹線道路約500㎞、歩道約20㎞を5年に1回実施、2-4年後に追跡調査を実施。

○熊本市

熊本地震時の被害、道路7416か所 約44億円、橋梁657か所約27億円。市内の通行止は200か所。うち幹線道路44か所。GISを活用し公表した。震災に遭って道路の重要性を痛感した。

○国交省技術調査課

「地下空間の利活用に関する安全技術の確立に関する小委員会答申」の報告

H20年から「国土地盤情報検索サイト(KuniJiban)」オープンデータを公開。自治体や関係機関においてもオープンデータ化が進んでいる。官民の情報共有が必要。

地下埋設物の正確な位置の把握と共有化、施設管理者における老朽化状況の把握と対策実施、関係者の連携などが必要。

4.「維持管理は危機管理 -路面下空洞対策-」加藤孝明東大准教授

危機管理のために行うべき3つのポイントは「物的・人的被害の小さい都市の実現」「災害時の都市機能維持」「円滑かつ適切に復興のための事前準備」。

災害時の交通機能の確保の要諦は、①物理的に使用可能にするために「沿道構造物」や「路面変状」への対策を講じること。次に②交通管制。 ・路面変状対策できるだけの地域応急補修能力(建設事業者)確保ができない場合、致命的な通行障害数を減らすしかない。上記①が重要。

・・・・・・・・・・・・・

本県は防災先進県として取り組んでおり、沿道建造物対策は進めているが、路面下対策はまだできていない。

データが公開されているかのチェック、さらに道路管理部門と施設管理部門、危機管理部門の情報共有化をチェックしたい。優先度が高いのは緊急輸送路。

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視察⑤ 新潟市航空機産業クラスター戦略型複合共同工場

Niigata3 新潟スカイプロジェクトは、2年前に浜松で行われた航空機産業セミナーで初めて存在を聞き、その後も、東京ビッグサイトで行われた展示イベントでヒアリングするなど、以前から関心の高い取り組みでした。

その中核をなす「戦略的複合共同工場」を訪問しました。

全国の航空機産業クラスターはすでに40ヵ所ほどに増えているということでしたが、こうした施設は希少です。松阪市には三菱重工の施設がありますが、行政が主体の例はありません。

この工場は、新潟市産業振興財団(以下IPC財団)が主体となり、平成26年から事業を始め、平成28年5月に竣工しました。事業費は6億5千万円。国が2億円、新潟市が4億5千万円補助しています。

延床面積は2880㎡で、現在3社が入居し、2社はすでに稼働、1社は来年2月に稼働とのこと。入居企業募集は、個別企業対象ではなく一貫生産が可能な企業グループとして行ったとのこと。

アルミ機体部品を製造するこのグループは7社。他の4社は新潟市、燕市、長岡市など近郊にあり、ここをハブ工場として活用しています。

新潟市にはもう1ヵ所、民間事業者が中心になったエンジン部品製造の「JASPA共同工場」があります。

航空機産業は、以前の自動車産業のようなピラミッド構造を持っています。そこで新潟市では、地域の中小企業が集まって一貫生産体制を整えることで競争力を強化し、航空機の需要増に応え、Tier1となる国内重工メーカーを支えるTier2グループとして地域の力をつけたい考えのようです。(→こうした“バックキャスティング”が重要!)

担当者からは、すでに新潟市レベルの取組を超えており、県で推進してほしいとの声も聞かれました。まさに広域行政としての取組と感じました。

本県においてはSOLAEが共同受注体として活動しているが、新潟のような体制にはなっておらず、個別企業の技術で勝負しているように感じます。

国はALL JAPANでの取り組みを強化するとしていますが、各地域の思惑が異なっていることから、うまくいくかどうかわかりません。

こうした中でが、スピーディに対応しないと、せっかくの市場を他国に奪われてしまいかねません。 本県においてもこうした危機意識をもって、バックキャスティングで今後の取り組みを進めるべきと感じました。

あわせて、期待される「MRO(Maintenance、Repair & Overhaul)」についても意見交換しました。国管理空港を持つ新潟に比べ、静岡は大きなメリットを持つことから、これについても競争力をもとに加速させたいと思います。

なお、新潟市はMRO誘致に関し、航空機メーカーだけでなく、金融機関とりわけ航空機リース会社にもアプローチしているということで、非常に参考になりました。

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視察④ 株式会社たくみファーム

Dsc_4899 同社は障がい者を雇用し農福連携を進めている農事法人。ソフトバンクグループのPSソリューションと連携しICTを活用したAI農業を進めています。

ユニークなのは、ICTを農作物だけでなく、障がい者の快適な作業環境維持に活用していることです。写真はインフルエンザの危険度を色で表すUD仕様の温度計。

ハウス栽培のミニトマト「天使の唇」は野菜ソムリエサミットで金賞を受賞するなど好評価。さらにグローバルギャップも取得し、2020東京パラリンピックで同法人の生産する野菜を提供するのが当面の目標とのことでした。

ICTの活用と経営者の思想で、付加価値を高めるだけでなく、障がい者に還元するという素晴らしい事例だと思いました。

AOIパークの今後の取り組みも、農業の生産性向上だけでなく、農業✕「○○」という、次世代をにらんだスキームが必要ですね。

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視察③ 革新的農業実践特区(新潟市)

米どころ新潟が取り組む「国家戦略特区」の取組について視察しました。加計学園問題で評判の悪い特区制度ですが、基本的には間違っていないと思います。新潟市でも積極的な事業展開を目の当たりにしました。

新潟市は平成23年から6次産業化など6つの戦略からなる「ニューフードバレー構想」に取り組んできました。これに加え平成26年5月、国家戦略特区の指定により、規制緩和による農業改革に取り組んでいます。

最大の特徴は民間企業の参入活性化です。

新潟市から始まった「農業生産法人の設立要件緩和」は平成28年度から全国展開されましたが、この先行実施によりコンビニやJRなど販路を持った事業者の参入による販売力強化や、農機具メーカー参入による耕作放棄地の再生、農福連携による障がい者雇用促進など効果が出ています。

人口減少対策として農業関連産業での雇用創出にも取り組んでいます。新規就農者は年間約60人。しかし家業の継承ではなく農事法人への就労が主とのこと。

さらにさまざまな「アグリプロジェクト」が展開されています。クボタは農機具としてドローンの活用を進めており、農薬散布はすでに実用化し、施肥や種まきを検討中。ドコモもドローンを利用した稲や松の病害虫対策を検討中。またイセキは自動運転によるICT田植機を開発中とのこと。

このほか、ICT活用による圃場管理の効率化や、本県のAOIプロジェクトのような取組(AI農業)も推進中。さらにAirbnbとの連携で農家民泊を検討しているとのことでした。

「規制緩和」はやはり地域活性化のカギですね。

民間企業はチャンスがあるとみると寄ってきます。規制緩和によってICTやドローンの活用など、イノベーションを起こす事業のマッチングを支援すべきです。

新潟はそのベースに県の主要産業である「農業」を選びましたが、本県であれば「ものづくり」でしょう。

産業成長戦略会議で規制緩和の議論を進めていますが、ベンチャー起業家やICT関連の若手経営者などの話を聞くと、さまざまなアイディアが出てきそうですね。

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視察② Snow Peak

Niigata2 スノーピーク社は国内アウトドア用品メーカーの中でも高いブランド力を持つ企業です。

金属加工技術の集積地として有名な三条市にあった“金物問屋”がルーツですが、アウトドアレジャー用品の製造販売から、ライフスタイルも提供する企業として注目されています。2011年からキャンプ場を併設したオープンファクトリーを設置し、「見える化」を進めています。

経営者は地域のクリエーターとして活躍するほか、近年、公園施設の指定管理や自治体との連携協定を進め、地方創生コンサルティングにも取り組んでいます。

今回の訪問先は今年3月にオープンした新しい事業所ですが、自由な雰囲気で働き方改革も進んでいるようです。地域の移住政策ともマッチしており、優秀な中途採用者も多いとのことでした。

元気な企業はまちを元気にします。7月に訪問した富山県高岡市と同じ空気を感じました。

静岡県においても行政主体の地方創生でなく、地域企業の若手経営者の力を活かした新しいまちづくりに取り組むべきで、行政は規制緩和等でそれをサポートすべきです。

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視察① 柏崎刈羽原発

Niigata1 衆議院選挙が終わりました。いろんな想いがありますが、まずは日常に戻ります。国政の再編はまだこれからですね・・・。

さてエネルギー政策と原子力安全対策は本県にとって重要なテーマです。選挙日程が決まる前から予定していた「東京電力柏崎刈羽原子力発電所」を会派で視察しました。

昨年、六ヶ所村の再処理工場に行きましたが、浜岡以外の原子力発電所を視察するのは初めてです。

同発電所は7施設で821万KWの出力を持つ国内最大級の発電所です。適合性申請が出されていた6・7号機について、今月原子力規制委員会が適格性判断を行ったこともあり、安全対策等の取組状況について説明を受け、構内を視察しました。

同所は420万㎡の広い敷地を持ち、東電1126人、関連企業5513人が働いています。浜岡は160万㎡、約4000人ということですから、規模の大きさにまず驚きました。

地震への対応ということでは、同所は東日本大震災前の2007年、中越沖地震の際に実践しています。当時、火災が発生しましたが、原子炉の「止める、冷やす、閉じ込める」の基本原則は対応できていたとのこと。

その後、東日本大震災後の規制強化に伴い、原子炉やタービン等施設は規制基準に沿った安全対策を実施しています。

津波対策はレベル2を超える15mの防潮堤を整備したとのこと。電源喪失対策は非常用発電機を用意していますが、敷地が広く分散配置できることからバックアップにもなっています。これは浜岡ではできないかもしれません。

再稼働には地元自治体の同意が必要ですが、新潟県知事は慎重姿勢を示しているとのことで、まだ見通しは立っていないとのことです。

浜岡原発においては安全対策と使用済み燃料の処理問題が急務であり、まだ再稼働の議論にはなっていません。しかし非稼働でも安全対策は不可避であることから、引き続き安全対策と維持管理の強化につなげる必要があります。

事業者が進める「安全」対策は、必ずしも地域住民の「安心」にはつながりませんが、今後の新潟の議論を注視し本県における参考にしたいと思います。

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メルマガ10月号

メルマガ10月号を配信しました。

9月定例会の一般質問から3項目抜粋しています。

★メルマガ10月号

★2017年バックナンバー

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秋の週末

今日から10月。やっと秋めいてきましたね。

昨日午前中は、労組定期大会に参加した後、こども園の運動会を訪問。うちの子どもたちにもこんな可愛かった頃があったな・・・と思い出しました。

午後はスズキ本社と豊川工場の秋まつりに行き、その間、湖西市新居町にある船外機技術センターで浜名湖遊覧を楽しませていただきました。

今日は久々に「連合列島クリーンキャンペーン」に参加。ゴミを拾う時間はありませんでしたが、十数年前、主催者として携わっていたイベントが今も脈々と続き、しかも参加する子どもの数が増えていることに感動しました。

その後、地元入野地区の戦没者慰霊祭に出席。慰霊の言葉を捧げました。入野八幡神社は樹齢450年と言われる立派なお大楠があります。

来週は入野地区秋祭り。今日は各字で屋台の準備が行われました。八幡神社に屋台が集結すると圧巻です。楽しみですね~。

入野方面は通常の土日でも相当混みますが、来週は特に渋滞にご注意ください。

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