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路面下空洞対策

一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会「都市の危機管理における路面下空洞対策」を聴講しました。なかなか参考になりました。以下、備忘録です。

1.「福岡市における都市の危機管理」高島 宗一郎 福岡市長

平成28年11月の博多駅前陥没事故の事例を踏まえた「有事の際のリーダーシップ」についての講義。

ポイントは①復旧優先、②二段階復旧。

①について識者から「原因究明が先」との声もあったが「火事の時はまず消火。究明はその後」と明快。またマスコミを通じてさまざまな報道が流されるが中には憶測もあり、「正しい情報を提供することが重要」とも。

②は仮復旧を1週間と設定し、平時にはありえないが、地下埋設物工事を同時進行で実施。迂回路設定したインフラもあった。流動化処理土の投入は遠距離からの搬入は無理。福岡市周辺事業者の協力でミキサーを大集結できた。

安全確保は専門家による数値判断で。住民の安心はリーダーの情報発信。SNSを活用しタイムリーに発信した。 ・平時の備えは、技術コンペを踏まえた年間100㎞におよぶ空洞調査。

2.「路面下空洞生成のメカニズムと地盤陥没対策」桑野玲子 東京大学教授

都市の道路陥没の大きな要因は「下水管の損傷」。全国では1日10件発生。30年以上の老朽管で陥没が増幅。その他、埋戻し不良や地下埋設物の輻輳があるが1/4は原因不明。

空洞拡大要因は雨と地震。震度5弱以上の地震で空洞頻度が倍以上に増加。

道路陥没はインフラ老朽化と不可分。都市の成長から20年超で問題顕在化。

あわせて気象の激甚化による問題の加速化も。

路面下探査による未然防止が不可欠。

3.「事例報告」

○札幌市(道路5612㎞、水道管6050㎞、下水道管8265㎞、地下鉄48㎞)

市強靭化計画の中で空洞対策を位置づけ。緊急輸送路および地下鉄路線約460㎞を調査対象に、年間230㎞を探査。1次調査は空洞探査車。2次調査はハンディ型地中レーダー、孔内カメラ撮影。

H27年度は230㎞調査に対し異常信号370か所で、空洞172か所発見。H28年度は233㎞調査、363か所異常で空洞268か所。H29年度は254㎞調査、464か所異常、空洞205か所。合計645か所発見。

○仙台市

東日本大震災時、道路埋設物による隆起が約1万2千か所。地下鉄駅周辺の道路陥没が発生。開削→埋戻工事で整備したが、地下水の上昇と効果により路面下に空洞が発生した模様。

平時の取組として、路面下空洞調査を、緊急輸送路と幹線道路約500㎞、歩道約20㎞を5年に1回実施、2-4年後に追跡調査を実施。

○熊本市

熊本地震時の被害、道路7416か所 約44億円、橋梁657か所約27億円。市内の通行止は200か所。うち幹線道路44か所。GISを活用し公表した。震災に遭って道路の重要性を痛感した。

○国交省技術調査課

「地下空間の利活用に関する安全技術の確立に関する小委員会答申」の報告

H20年から「国土地盤情報検索サイト(KuniJiban)」オープンデータを公開。自治体や関係機関においてもオープンデータ化が進んでいる。官民の情報共有が必要。

地下埋設物の正確な位置の把握と共有化、施設管理者における老朽化状況の把握と対策実施、関係者の連携などが必要。

4.「維持管理は危機管理 -路面下空洞対策-」加藤孝明東大准教授

危機管理のために行うべき3つのポイントは「物的・人的被害の小さい都市の実現」「災害時の都市機能維持」「円滑かつ適切に復興のための事前準備」。

災害時の交通機能の確保の要諦は、①物理的に使用可能にするために「沿道構造物」や「路面変状」への対策を講じること。次に②交通管制。 ・路面変状対策できるだけの地域応急補修能力(建設事業者)確保ができない場合、致命的な通行障害数を減らすしかない。上記①が重要。

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本県は防災先進県として取り組んでおり、沿道建造物対策は進めているが、路面下対策はまだできていない。

データが公開されているかのチェック、さらに道路管理部門と施設管理部門、危機管理部門の情報共有化をチェックしたい。優先度が高いのは緊急輸送路。

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