今日11日、「環境経済」「厚生保健」「建設」の3常任委員会が開催されました。
私の所属する建設委員会では、「駐車場事業特別会計」補正予算の“市長専決”についての「報告」がありました。
簡単にいえば・・・、
★H20年度の駐車場事業決算は、約1.7億円の赤字となる見込み
★その赤字穴埋めのために、H21年度の駐車場事業から同額を充当したい(「繰上充用くりあげじゅうよう」といいます)
★この件について、市長が補正予算を “専決” 執行する
・・・というものです。
この話は、大きく3つの問題点を含んでいます。
①経営悪化している市営駐車場事業をどうするか
②繰上充用制度(出納閉鎖期間、公会計のあり方)
③市長の専決と議会の議決(議会のあり方)
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①の駐車場事業については、昨年度、すでに基金(貯金)が底を尽いてしまったこともあり、今後のあり方について議会や行革審から指摘されていました。
今年度中に「売却」や「民営化」も含めて検討する…としていましたが、財政上 “火がついた”状況になってしまいました。速やかにあり方の検討が必要です。
②「繰上充用」は、H21年度のおカネで、H20年度の穴埋めをするという制度です。
公会計には「出納閉鎖期間」という(不思議な)制度があり、3月末決算でも5月末までにおカネが入れば良いということになっています。そこで、新年度のおカネの中から前年度に支払うことが可能になるわけです。
今回はこうして明らかにしていますが、この仕組みを悪用している自治体は夕張市だけではないようです。正しい財政状況を示すには問題のある制度ではないでしょうか。
③次に今年度予算をどうするのかという問題です。
こうした議論は議会の補正予算審議で行うべきものですが、今回は市議会が “閉会中” ということで市長の専決事項として執行されます。
今年度、駐車場使用料金収入が急に増えるわけではありません。本来、3月の「駐車場事業特別会計」予算審議で議論すべき問題ですが、予算を議決した際には、このような問題は表面化していませんでした。
収入増のメドが立たないまま、安易に補正予算を専決することが許されてよいのか…という忸怩たる思いがあります。
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いまさら言ってもしょうがないのですが、H20年度の財政状況については2月議会で補正予算を組むべきでしたし(一般会計からの補てんしか手はありませんが…)、それをベースにしたH21年度予算を議論すべきでした。
今から思えば、私のチェックも甘かったです。
半年に1回公表される「財政事情の公表」では、歳入予算に対する9/30までの収入率はわずか34.4%でした。このときに適切に指摘できていれば、3ヵ月以上も先送りすることなく、スピーディな判断ができたかもしれません。
今後は財務・会計をしっかりチェックし、先送りすることなく改善を進めていけるよう努力します。