ムンド・デ・アレグリア訪問

Dsc_4362 ふじのくに県民クラブの議員7人で、浜松市西区雄踏町にあるムンド・デ・アレグリア学校を訪問しました。

ムンド校は幼稚園から高校3年生まで約270人の子どもが学ぶ南米系日系人学校で、ブラジルとペルーの高卒資格が取れる認可校。日本では各種学校の扱いになっています。

開校は2003年。松本校長が私財を投じ開設しました。当初は狭隘な施設で運営していましたが、2010年に合併後遊休施設となっていた旧雄踏町役場を浜松市が改修し移転、現在に至っています。このような行政支援は国内でも珍しく、ムンド校の評価の表れと言えます。

母語での授業に加え日本語の習得にも力を入れており、日本とブラジル・ペルーの懸け橋となる人材育成を進めています。卒業後の進路は母国の大学のほか、国内の4年制大学に通う子どももおり、在校生のロールモデルとなっています。

学校運営は厳しい状況です。

日系人の子どもが公立の小中学校に通う場合授業料は不要ですが、ここは当然ながら有料です。授業料を高く設定すると保護者負担が増え生徒が減少、低くすると生徒は来ても運営が厳しくなります。

それを支える行政支援は、県と市を合わせても児童生徒一人当たり年間10万円程度しかなく、公立学校とは大きな差があります。こうした中、現在は赤字運営をサポートするため、地元の民間企業の寄付に頼る状況です。

将来の地域社会に必要な次世代人材を育成する施設として、さらなる行政支援が必要ではないかと思います。

Dsc_4370_2 訪問時にお話した高校3年生クラスの子どもは、建築デザインの仕事やバイリンガルを活かしたキャビンアテンダント・サッカートレーナーをめざし、4年制大学や専門学校への進学にチャレンジするとのこと。流ちょうな日本語で熱く夢を語ってくれました。

★ムンド・デ・アレグリア

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卒業式

20170130_103109 タイトルを見て「1月に卒業式・・・!?」と思われた方も多いと思います。

今日行われたのは南米系外国人学校「ムンド・デ・アレグリア」の卒業式。この学校はブラジルとペルーの正式な学校資格を持っている浜松市内にある学校です。

南米では1月と2月で学校の年度が変わるそうで、日本においても時期を合わせているとのことでした。

今日は在浜松ブラジル総領事館から副総領事とペルー共和国大使館から書記官をお招きするなか、幼稚園(9人)、小学部(ペルー3人、ブラジル6人)、ブラジル中等部11人、ペルー中等部(=日本の高校2年)4人、ブラジル高等部(=日本の高校3年)6人の園児・児童・生徒が、式典に臨みました。

外国人学校にはさまざまなレベルの学校がありますが、ここは母語による母国の正規カリキュラムの学習の他、日本語教育も積極的に行うなどすばらしい教育理念を持っています。

卒業生にはペルーやブラジルの大学はもちろん、日本語をしっかり習得し日本の4年制大学に進学する生徒や、語学力を生かして国境を越えて海外の大学に進む生徒もいます。

校長先生に話をうかがうと、今年はペルーとカナダの大学に進学する生徒がいるとのこと。浪人してさらに進学をめざす子もいるようです。

以前、県議会の「次世代人材育成特別委員会」では、「外国人の子どもも静岡県の次世代を担う子どもとしての支援が大切」との提言を出しましたが、国内外の懸け橋として積極的に支援すべきです。

★次世代人材育成特別委員会報告書(PDF)

★ムンド・デ・アレグリア学校

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多文化共生の現場

20160730_181535 多文化共生のカテゴリーでブログを書くのは久しぶりです(いかんですね・・・)。

浜松市内の県営団地の自治会役員さんが集まり、外国籍住民との共生について意見交換する「地域共生自治会会議」に参加しました。

多文化共生・県営住宅とも「企画くらし環境委員会」の所管なので、最近の状況について興味深く聞かせていただきました。

最初に“愛知県 県営住宅自治会連絡協議会”会長の 川部 様から、愛知県の取り組みを伺いました。

そもそもそんな協議会があることを初めて知りました。静岡県にはないと思います。共通課題についてヨコ連携を取っているんですね。氏は“外国人との共生を考える会”会長でもあります。

ゴミ問題、生活騒音、迷惑駐車の3大課題の解消に向けた地域での工夫をご紹介いただきましたが、結論は外国籍住民と顔を合わせ話をし理解を深めるという粘り強い取り組みだということです。

磐田市で取り組みを推進された元連合自治会長の杉田さんから聞いた“顔の見える関係を作る”という話とまったく同じ。納得です。

参加された市内の自治会のみなさんからは、うまくいっている事例の紹介もありましたが、「言葉がわかる人がいない」、「多国籍化が進んでいる」などご苦労されている様子がうかがえました。

さらに外国籍住民との共生だけでなく、「高齢化などもあり自治会役員のなり手がおらず活動が維持できない」、「子ども会がなくなった」などの声も。

日系人で自治会役員をされている方からは、こどもに「ボール遊びはダメ」というルールを伝えたら、「じゃあどこでやればいいの?」と聞かれたそうです。外国人の子どもに限った話ではありませんが「自分で遊ぶところを探せ」というのはかわいそうですね。

講師からは「公営住宅法」の勉強と「国民生活白書(地域のつながり)」を読むことをお勧めいただきました。「共益費」の徴収などの課題についてもお話を聞きましたので、あらためて調べてみたいと思います。

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避難所での多文化共生

避難所での多文化共生
入野協働センターで、外国人市民と地域住民のみなさん約70人ほどが集まり、浜松国際交流協会の講師を迎え、「防災ワークショップ」が開催されました。

避難所生活で想定される外国人市民との共生課題について、言葉の問題や文化、生活習慣、食物の違い(禁忌食)など幅広く議論されました。

たとえば「外国人だからダメ」ではなく、なぜダメなのかが伝わらないと、被差別感を強く持つケースもあるとか。注意の仕方ひとつで変わるようですね。

言葉の問題もさることながら、コミュニケーションをいかにとるかが大切です。

浜松国際交流協会では、有事に他言語サポートセンターを設置するそうですが、カバーできる範囲は限られています。

いざという時に備えて、さまざまなことを想定できる人材の育成が必要です。

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グローバル人財の育成(4/24)

グローバル人財の育成は日本にとって急務です。しかし今の受験制度やカリキュラムを考えると、なかなか時間が取れないのも現実です。

そんな中、こどもが通う高校では、昨年の創立50周年を記念して、インドネシアの高校生との交流事業をスタートしました。

この事業を立ち上げたのは“同窓会”のみなさん。母校のこどもたちに国際感覚を身につけさせたいというメッセージです。

今日は事業をスタートして初めてインドネシア人の高校生2人を学校に迎えました。

2人は交流事業にご協力をいただいた「浜松インドネシア友好協会」が招いた高2と高3の男女。昨年、インドネシア・バンドン市で行われた日本語スピーチコンテストの優勝、準優勝者です。

Janken 昼間の学校訪問では1年生の英語の授業などに参加してもらい “インドネシア式じゃんけん” で国際交流を楽しみました。

ちなみに「グー・チョキ・パー」ならぬ「ゾウ・ヒト・アリ」のじゃんけんです。「ゾウ(gajah)」は親指、「ヒト(orang)」は人差し指、「アリ(semut)」は小指。勝ち負けは何となくわかりますよね。

同年代のインドネシア人が、上手に英語や日本語を話すのを聞いて、こどもたちはいろんな意味で刺激を受けてくれたのではないかと思います。

Cimg7844 今夜はホームステイ。

我が家には“ルトゥフィくん”という男の子が泊まりに来ました。先ほどまで晩ごはんを食べながら、こどもと一緒にお話をしました。

グローバル人財の育成はそう簡単にできることではないでしょう。先生方にもかなりのご負担をいただくことにはなりますが、さまざまな人の協力で何とかやっていけないか、と思います。

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多文化共生のネクストステージ(10/25)

557701_359651454128635_1037895464_nカテゴリー「多文化共生」の記事を書くのは久しぶりです。

昨年12月の一般質問で「外国人のこどもへの進学支援、キャリア形成支援」を取り上げましたが、ブログには書いていませんでした。

こちらもご覧いただければと思います。

★後援会だより(H23年12月号)

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さて、今日・明日の2日間、浜松市を舞台に「日韓欧多文化共生都市サミット2012」が開催されています。

メインイベントは明日の午後。やすとも市長などにより「首長サミット」が行われます。面白そうですが、私は別の予定があり、参加できません(残念)。

今日はそれに先駆けて「実務者セミナー」が行われ、明治大学の山脇教授の基調講演と、「都市間連携」「外国人人材を生かしたまちづくり」の2つのセッション(討論集会)が行われました。

とりわけ「都市間連携」では、浜松市、新宿区、東大阪市の話を聞きましたが、多くのことを考えさせられました。

いずれの都市も、リーマンショック以降外国人は減っていますが、下記のような特徴があります。

★浜松市の外国人市民は、リーマン前の2008年12月のピーク時には33,702人いましたが、2012年8月では24,079人にまで減っています。

国別にみると、一時2万人近くいた日系ブラジル人は11,701人にまで減りました。したがって、浜松市の外国人市民の減少はほとんど日系ブラジル人ということになります。

以下多い順に、フィリピン2,924人、中国2,905人、ペルー1,932人、韓国・朝鮮1,441人、ベトナム1,061人、インドネシア643人などとなっています。このほか私の周辺ではインド人も増えています。

★東大阪市は人口51万人。外国人は16,995人となっています(2012.7.31)。

最も多いのは韓国・朝鮮の12,359人(72%)。以下、中国3,189人、ベトナム333人、フィリピン298人、ブラジル167人などとなっています。最も多い時期には98%を韓国・朝鮮人が占めていたとのことです。

★新宿区は人口32万人。外国人は多国籍化が進んでおり114ヵ国にもなるそうで、32,410人(2012.8.1)と人口の1割を占めています。

韓国・朝鮮が12,139人、中国11,649人の2ヵ国がダントツに多いですが、以下、ネパール1,155人、ミャンマー1,050人、フランス816人、アメリカ758人、フィリピン660人、タイ615人などなどとなっています。

ちなみにネパール人はインド・ネパール料理のお店をやる人が多いようす。またミャンマーは軍事政権下で亡命してきた人もいるようです。

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1991年の入管法改正後、南米系の日系人が職を求めて多数日本に来ました。彼らは「ニューカマー」と言われています。

それに対し以前から住んでいる在日韓国・朝鮮人を「オールドカマー」と呼んでいます。

浜松と東大阪は「ニューカマー」と「オールドカマー」という点で全くタイプが違うことがわかります。

さらに近年、新宿区に代表されるように、「アジア系ニューカマー」がどんどん増えていることがわかります。浜松においても「南米系ニューカマー」は減っていますが、「アジア系ニューカマー」は減っていません。この傾向は今後も続くと思われます。

私自身、これまで「多文化共生」というと、「南米系ニューカマー」のみなさんへの取り組みが中心でしたが、これからは「アジア系ニューカマー」への対応も考えていかないといけません。

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今回のサミットは、「アジア系ニューカマー」や「オールドカマー」も含め、幅広く多文化共生社会づくりを考えていこうとするものです。

実態として海外からの移住・定住者が増える中、国の移民政策はまったく白紙状態です。

一方、地方自治体は、浜松市を中心に「外国人集住都市会議」を立ち上げるなど、これまでも独自に活動し、国を動かしてきました。

国もやっと検討を始めたようですが、現場の声をしっかりと伝えていく必要があります。浜松市の新たな挑戦に期待するとともに、私も多角的に「多文化共生」に取り組んでいきます。

★「外国人との共生社会」実現検討会議(内閣官房)

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日伯運動会(10/11)

Img_1637 2日前(10/9)のこと。秋祭りまっただ中でしたが、元城小学校でおこなわれた「日伯運動会(浜松市制100周年事業)」に行きました。

実行委員長の児玉哲義さんは浜松市内で空手道場の師範をやっている日系2世。「日伯交流協会」の副会長でもあります。外国人のこどもたちの健全育成に取り組むなど、その活動は高く評価されています。

以前から存じ上げていましたが、過日、ひょんな出会いからこの運動会へのお誘いをいただきました。

初めての開催で相当なご苦労があったと思いますが、約150人が参加。子どもたちの笑顔が印象的でした。来年以降も、ぜひ続けていただきたいですね…。

私は1参加者として行ったのですが、残念ながら日本人の参加は少数(ボランティアさんはたくさんいましたが…)。

「国際交流」とか「内なる国際化」とか、言葉では“多文化共生”が進んでいますが、実態はまだまだ。“草の根”を育てていくことが大切ですね。

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上の写真は100m競争。トップはボランティアさん。2位が児玉さん。4位は斉藤代議士。

児玉さんに負けてなるものか…と踏ん張りましたが、日頃の鍛え方の違いか…あえなく惨敗しました(下記写真…革靴・ネクタイの斉藤さんにはなんとか勝ちました)。

Img_1639

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ムンド・デ・アレグリアの確かな一歩(8/16)

Dsc_0040 このブログでも時々紹介している「ムンド・デ・アレグリア学校」。その校長の松本雅美さんが、このほどペルー共和国の「コメンダドール勲章」を受章されました。

今日はペルー共和国大使をはじめ多くのみなさんがお祝いに駆けつけました。「ムンド校」の子どもたちも踊りや歌でお祝いです(写真)。

ペルー人とブラジル人の子どもたちが通うこの学校は、松本さんが2003年に立ち上げ、苦労する中でさまざまな支援のもと維持運営されています。

詳しくは下記のサイトをご覧ください。

★ムンドデアレグリア学校のサイト

私も市議会時代、「外国人のこどもも“浜松のこども”。こどもへの支援に国籍は関係ない」と考え、さまざまな課題を提起してきましたが、今でも教育の壁は結構厚いと感じています。

国をはじめ行政の支援がなかなか進まない中、浜松市では、やすとも市長が外国人児童生徒の「不就学ゼロ」の取り組みをスタートしました。

外国人集住都市としての第一歩に大きな期待をしたいものです。私もそうした取り組みを支え、引き続き多文化共生施策の充実に取り組みます。

【カテゴリー「多文化共生」の記事がしばらくありませんでした。リスタートします】

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日系人の子ども(4/14)

P3250006 日経新聞のWEB版に、浜松の外国人学校(ムンド・デ・アレグリア)に通う日系人のこどもの様子が紹介されています。

「写真ニュース」で生活の一面を切り取っています。

いつまでアップされているのかわかりませんが、ぜひご覧ください。

★日経新聞WEB版

トップページにある大きな写真の下に、小さく「写真一覧」というリンクがあります。

そこをクリックすると、ビューア画面が現れます。

「テーマ特集」の中の「勉強がしたい」をクリックしてください。

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ムンド デ アレグリア(3/25①)

P3250010 1月のオープン以来、久しぶりに「浜松市外国人学習支援センター」に行きました。毎日、いろんな研修を行っており、バリエーションも増えているようです。

また、視察の受入も徐々に増えており、浜松の特徴的施策として注目されているようです。今後の多文化共生拠点としての情報発信に期待します。

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P3250002今日の訪問の主目的は、2階にある「ムンド デ アレグリア学校」。

手狭だった卸商団地の旧施設から、オープンと同時に移転して、この地で日系ペルー人と日系ブラジル人の子どもの教育活動を行っています。

元々、ペルー人学校としてスタートしたムンド校。今日時点の児童生徒数は108人とのことでしたが、いただいた1月末の資料では、ペルー人32人、ブラジル人67人の99人となっていました。

ちなみに、ペルーの教育制度は、小学校6年+中学校5年とのことで、ムンド校を卒業後、ペルーの大学には進学可能とのこと。

ペルー人の子どもが日本の大学に行くには、文部科学省の“準備課程教育”を1年受講する必要があるそうですが、実際に日本の大学に進学した子どももいるそうです(優秀!)。

ブラジルの教育制度上、学校に与えられた認可は小学校6年+中学校3年となっています。現在、高校3年課程の認可を現在申請中ということで、こちらも充実を目指しています。

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P3250009 松本校長は、現施設を貸与した浜松市への感謝を述べていました。

これまでの息苦しいほどに狭かった施設から、十分な環境で勉強できるようになった子どもたちの顔を見るにつけ、「良かったね・・・」と声をかけたくなります。

通学範囲は、豊橋から掛川まで、相当広いようです。それだけのニーズがあるということの裏返しですね。

進学など子どもたちのキャリア開発について一生懸命取り組んでいる他にも、日本語教育の充実や、地域の小中学校との連携、中体連への加入など、学校として積極的に取り組んでいます。

同じ“浜松の子ども”として応援したいものです。

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ただ、財政的には相当厳しいようです。

親の失業などで、他の外国人学校の児童生徒が著しく減少している中、100人規模を維持するのは大変なことです。

授業料が払えない家庭に対して授業料を免除するなど、子どものために学校経営を継続していますが、企業などからの寄付金などで、何とか維持しているとのこと。

先日も、ペルー関係組織から奨学金をいただいたり、篤志家からの寄附をいただいたりしたとのことでしたが、そうした支えなしには大変だそうです。

今後、「オープンキャンパス」などPRにつとめ、「みなさんに学校のことを知ってもらいたい」と話していましたが、日本人、日系人問わず、注目していただきたいと思います。

★ムンド デ アレグリア学校のサイト

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