2024年10月19日 (土)

KIOKU

10月16-18日、危機管理くらし環境委員会で福岡県・熊本県・鹿児島県を視察しました。

熊本県では「熊本地震震災ミュージアムKIOKU」を訪問。ここは2016年に起きた熊本地震の記憶を伝える熊本県の拠点施設です。

震災前は東海大学農学部キャンパスとして若者が集っており、近隣の学生寮などを含め、被災された学生さんも多かったそうです。

活断層の真上の遺構を見たのは初めて。直下型地震の恐ろしさをあらためて感じ、阪神大震災のボランティアに行った約30年前の情景がまざまざと蘇りました。

熊本県は58の震災遺構をフィールドミュージアムとして遺しています。こうした施設を多くの人に見ていただきたいものです。

また東日本大震災の被災地にも多くの遺構があります。被災者のみなさまには辛い記憶でしょうが、被災地以外の方には地震への備えの必要性と被災者への強い想いを感じていただけると思います。

このほかの視察先は、①北九州市エコタウンセンター(このエリアの視察は2回目。次世代エネルギーも進めています)、②IGES北九州アーバンセンター(①の場所で三島出身の研究員によるご説明)、③くまもと型復興住宅(ご説明は熊本県庁で建築士事務所協会から)、④九州電力川内原子力発電所(東日本大震災後最初に新規制基準をクリアした原発)でした。

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2024年9月 1日 (日)

慶應議連視察研修会

Kuki慶應義塾全国議員連盟 令和6年度 視察研修会を実施しました(8/28-29)。私は会の副会長を務めており年1回の視察研修会の企画を担当しています。

今回は東京・埼玉で行いましたが、台風10号の影響で一部中止せざるを得ませんでした。視察した内容を一部ご報告します。

視察先

1.虎ノ門ヒルズ ①CIC tokyo、②ARCH

2.埼玉県久喜市 ①新ごみ処理施設、②陸上ウニ養殖

3.さいたま市 まるまるひがしにほん(東日本連携センター)

4.埼玉県 ①埼玉版スーパー・シティプロジェクト、②「住むなら埼玉」

慶應議連の視察は毎年実施していますが、私が特に議連視察で主眼に置くテーマは「人口減少下に求められる自治体政策」です。

これまで自治体が行っていた行政サービスは、人口減少によりこれまでどおり提供することはできなくなります。

ではどうするか?

そのカギとなるのが「官民連携」と「自治体間連携」です。視察先ではそれらを中心にヒアリングしました。

・・・・・・・

視察した事業内容は割愛しますが、以下所感を備忘録としてまとめておきます。

CIC tokyoとARCHではスタートアップとの連携の新たなヒントを得ました。社会課題の解決に向けた★逆プロポの活用は面白そうです。

久喜市の新ごみ処理施設は、従来の「迷惑施設」というイメージを一掃するものです。財政負担を懸念する声はありますが民間事業者の知恵を活かし公共施設を「単目的⇒多目的化」しています。私たちの仲間、慶應議連出身の梅田市長らしい中長期的課題解決に向けたユニークな事業です(写真)。

陸上ウニ養殖は、中小事業者でも自社の特徴ある技術や資源を活かし新たなチャレンジができるという事例。廃棄物の有効活用による循環型経済にも対応しており知恵の出しどころです。梅田市長のおすすめでした。

さいたま市の広域連携は県を超えた都市間連携の事例です。

埼玉版スーパー・シティプロジェクトは人口減少下で県が基礎自治体を伴走支援する自治体間連携事業として秀逸です。本県でも参考にできないか検討します。

「住むなら埼玉」は市町村目線のショートムービーを活用しています。静岡県は移住者目線です。移住希望者にはどちらがフィットするのかなぁ。

当初この後予定していた「新座市版スーパー・シティプロジェクト(市から見た県の伴走支援のあり方)」と「ところざわサクラタウン(民間による地域活性化)」は台風の影響で視察を中止しました。

官民連携と自治体間連携は今後の行政サービス提供体制強化に不可欠です。議連では今後も研究を続けていきます。

2024年7月30日 (火)

インド訪問

8年ぶりにインドを訪問しました。通常の議員視察と異なり静岡県・浜松市の職員と一緒にグジャラート州とデリーに行きました。

県議は自民改革会議の良知淳行議員(焼津市4期)と私。私たち2人は昨年12月、静岡県議会に設立した「日印友好議員連盟」の役員で、良知さんは幹事長、私は副会長を務めています。

今回の訪問の主目的は「静岡県とグジャラート州」「浜松市と同州アーメダバード市」の間で相互連携ができないかを調査するものです。

訪問にあたっては、スズキ(株)のみなさまにさまざまなご協力いただきました。感謝申し上げます。

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まずスズキ・モーター・グジャラート社の工場見学を始め、マルチ・スズキ社のCSR活動により設立した病院や学校を視察させていただきました。

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また、グジャラート州印日友好協会・アーメダバード経営者協会主催によるセミナー&レセプションを開催していただき、キーマンのみなさまとの友好を深めることができました。ちなみにグジャラート州は禁酒州ですのでレセプションはノンアルコールでした。

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さらに、休日にもかかわらずグジャラート州首相、アーメダバード市副市長とも面談させていただき、今後の相互連携の礎となる第一歩を築けたのは大きな成果でした。

デリーでは在インド日本大使館、JETROニューデリー事務所、ANAデリー支店を訪問させていただき、それぞれ非常に興味あるお話をいただきました。

内容は添付のレポートをご覧ください。

★インド視察報告書.pdf

2018年11月12日 (月)

慶應議連研修会

_20181125_082356 毎年恒例の慶應義塾全国議員連盟総会&研修会が開催されました。

超党派の地方議員で作るこの議員連盟、私は副会長を務めています。今年度は5月に静岡県東部で視察研修会を主催しました(★視察の様子)。

今日の研修会は・・・、

1.福沢諭吉と政治(慶應義塾にとっての明治150年)

 都倉 武之 慶應義塾福澤研究センター准教授

2.人口減少社会の自治体のあり方

 浅野 史郎 神奈川大学教授(元宮城県知事)

3.減災学のススメ(多発する自然災害、今こそ必要な減災対策)

 冨田 洋 ジオ・サーチ株式会社 代表取締役(塾員)

4.特別講義

 石破 茂 衆議院議員

・・・というラインナップ。

都倉先生からは、「明治150年は見方を変えれば戊辰150年」であり、慶應義塾命名150年とのお話し。独立自尊の気風が当時からあったことをお話しいただきました。

浅野先生は塾の教授時代から毎年講演をお願いしています。今回は人口減少時代の自治体連携のあり方をご教授いただきました。

冨田社長は地中空洞化診断の必要性を指摘いただきました。事前防災が必要です。

石破さんには本会の顧問をお願いしています。前地方創生担当大臣として、地域活性化のヒントやエールをいただきました。

2018年9月 3日 (月)

多様な働き方推進特別委員会

多様な働き方推進特別委員会
多様な働き方推進特別委員会
多様な働き方推進特別委員会
県議会 多様な働き方推進特別委員会で、京都府庁とコニカミノルタジャパン関西支社を視察しました。

京都府庁は都道府県では初めてRPA(ロボティック プロセス オートメーション)に取り組んでいます。
導入に際してはまずBPR(ビジネス プロセス リエンジニアリング)が必要ですが、工数がかかるのでたいへんだとか。
しかし内部統制の仕組みづくりが求められていることを考えれば、いつかは手をつけないといけない課題だとも思います。
静岡県でも検討しており県庁の働き方改革につながればと思います。

コニカミノルタジャパン株式会社は、2013年から働き方改革に取り組んでおり、「日経Smart Work大賞2018 大賞」を受賞しています。

柱は3つ。「働き方改革を目指したオフィスの実現」「紙にしばられない働き方の実現」「時間・場所にしばられない働き方の実現」です。
関西支社の従業員は約500人とのことですが、座席数を45%、収納スペースを70%削除したとか。代わりにコミュニケーションスペースを増やしても総オフィススペースを38%削除しコストメリットも生み出しています。
オフィスはフリーアドレスとして、文書の電子化を進め、個人持ち文書も削減。管理ルールもわかりやすくしたとのこと。
コアレスフレックスタイムの導入やテレワークも推進しています。
うーん、スゴイ!ここまでできるんだな~と目からウロコでした。

明日は愛媛県のベンチャー企業等に行く予定でしたが、台風の影響でムリかもしれません…。

2018年8月11日 (土)

東南アジア視察レポート

7/30~8/4に訪問したミャンマーとインドネシアの視察報告書を県議会に提出しましたので、下記にアップします。

今後大きな成長が見込まれる東南アジアですが、国によって事情はさまざまですね。中期的な視点が必要と感じました。

★2018東南アジア視察報告(PDF)

2018年8月 3日 (金)

ジャカルタ再訪

2度目のインドネシア訪問。

昨日は午前中にジャカルタの静岡県ビジネスサポートデスクを訪問し、ビジネス環境や企業支援の状況についてヒアリングしました。サポートデスクは6年半前の訪問後、県に提案し設置していただいたものです。

午後は始まったばかりのモーターショーに。
次世代自動車や環境対応車はまったく注目されておらず、ジムニーなどSUVに人だかりができていました。

夜は静岡県の進出企業の駐在員と意見交換。製造業の進出に沸いた6年半前から、大きく変化している現場の状況をうかがいました。

持ち帰って県の産業支援や観光、地域外交部門に伝えていきます。

今日は工場を訪問します。_20180803_065036


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2018年8月 1日 (水)

ヤンゴン再訪

5年ぶりにヤンゴンに来ました。

ヤンゴン再訪前回同様、語学学校を運営している浜松出身の土屋昭義さん、スズキミャンマーモーター、ふじのくに親善大使のアウン・タン・ウーさんなどとお会いしましたが、様子は大きく変わっていました。

土屋さんはヤンゴン市内の学校だけでなく、郊外に「MSM国際女学院」を設立し、女性の人材育成に力を入れています。氏は発展しつつあるミャンマーでは女性の教育が重要になるとし、日本への留学生派遣にも取り組むとしています。

スズキミャンマーモーターは、今年ティラワ経済特区に新工場を稼働させました。前回来たときは、牛が草を食む広大な荒地でしたが、目を見張るばかりの変貌です。今後の日本企業の進出などについて、関係者と意見交換しました。

アウン・タン・ウーさんは、前回、通訳としていろんな手配をお願いしたのですが、スキルを生かして静岡県海外サポートデスクを始めました。静岡県とミャンマーの架け橋としてガンバって欲しいですね。

最後のフロンティアとも言われるミャンマー、途上国特有の課題もありますが、人口5000万人を越える若くて元気な国であることは間違いなさそうです。

7/30の夜着いて8/1の朝出発というわずか中1日の視察ですが、経済成長に沸く途上国のパワーを感じました。

今からジャカルタに行きます。       Fb_img_1533035521230

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2018年7月25日 (水)

PPP/PFIの活用

_20180726_101823 東京で行われた日経グローカルセミナー「人口減少時代の財政健全化のヒント-老朽施設の更新へPPP/PFIなど知恵絞る-」に参加してきました。

講師は官民連携の事例を研究しておられる(株)大和総研 鈴木文彦氏。氏のセミナーはこれまでも、上下水道の民間活用やパークマネジメントなどについて聞いています。以下、備忘録的に抜粋しておきます。

◆公共施設の最適配置の本質は、簡単に言えば、つくるか(更新・転用)、やめるか(売却)、ほっとくか(修繕) 。

◆少子高齢化により施設ニーズは変化しており、人口が減る前提で多目的化していく必要がある。

◆最適配置はマクロアプローチ(取り巻く環境)、ミクロアプローチ(個別施設の状況)、財政制約で検討する。

◆わかりやすい例が「デパートのテナントミックス」。市場ニーズに合わせフロア占有面積を変えていく。大手百貨店に東急ハンズが入るケースも。これが公民連携。

◆他施設の改装・コンバージョンによる市庁舎設置の例(石巻市、栃木市、むつ市、木更津市、土浦市etc…)や統合の例(市民プールと学校プール・・・北九州市思永中)など事例を参考にする。

◆都市公園では多くのケースがある(山下公園・南池袋公園・三鷹の森ジブリ美術館、ガンバスタジアム、横浜スタジアム、広島市民球場、ガンバスタジアム、楽天生命パーク宮城)が、これらは都市公園法の管理許可を活用。PFIではないが優良事例。

◆このほか成功事例として有名な「オガールプラザ(紫波町)」は金融機関の活用がカギ。

◆タラソ福岡の失敗例を参考にすべき。事前の提案に対する完成後のVFM管理(モニタリング)が重要。

◆民間活用か直営か。施設の特性を考慮し検討すべき。

今回は失敗事例のお話も聞くことができましたが、PPP/PFIなど民間活用は今後の人口減少適応対策に不可欠な仕組みであり、しっかりしたモニタリングを前提に活用すべきと考えます。県と市町の連携もアリかなと感じました。

Screenshot_20180725133822 Dsc_0390写真は「丸の内シャトルバス」。

暑い中、丸の内歩くのイヤだなーと思っていたら、こんな便利なものを教えていただきました。

2018年5月31日 (木)

生徒数1万人の専門学校「NSGグループ」

Nsg1 地方創生、人口減少対策のお話を聞きに新潟県に行きました。

訪問先は新潟県庁と「NSGグループ」の2ヵ所です。特に「NSGグループ」の取り組みにはビックリ(!)しました。

「NSGグループ」は1976年創業。53の法人からなるグループです。従業員数はグループ全体で11,000人を超え非正規社員も含めると5万人、売上高は1275億円と新潟では大きな規模といえます。

「ひと・あんしん・しごと・まち」を事業の基本とし「事業創造による地域の活性化」に取り組んでいます。

グループの中心は27の専門学校からなる「NSGカレッジリーグ」。今回の視察の目的は、この多様な学科を持つ専門学校グループでした。

新潟県内だけで約1万人の学生が在籍し、地域人材の育成を進めているほか、新潟医療福祉大学、新潟食料農業大学、事業創造大学院大学や高校、塾なども持っています。

戦略は「オンリーワン」「ナンバーワン」で、「外語・観光・エアライン」「音楽・エンタメ」「アニメ・マンガ」「サッカーカレッジ」等ユニークかつ就労能力を身に着けられるカリキュラムを多数持っていました。

グローバル化に対応した人材育成も導入しており、20ヵ国121校と提携、学生は1週間から1か月程度の海外留学に行くとのこと。海外からの留学生も1千人を超えており、さらに3千人を目標にしているとのことでした(大学よりすごいかも・・・)。

学生はほとんどが新潟県内出身者ですが、家賃の半額負担など「ひとり暮らし支援制度」を導入し、近県や上越新幹線沿線からの学生獲得を強化しているとのことでした。

新潟県も静岡県同様、高校卒業後の若者の県外流出に悩んでいるようですが、専門学校への進学率は全国No1だそうです。「NSGグループ」が若者の「ダム」になっていると感じました。

今回訪問した「NSGスクエア」は、地元資本のデパート跡地を活用して開設したとのことですが、この中にある4つの専門学校を視察させていただきました。

①「国際こども・福祉カレッジ」は7学科、学生数261人。9割は県内出身で県内に就職する。介護課程には留学生もいるとのこと。

②「国際外語・観光・エアライン専門学校」は約300人。8割近くは県内出身ですが帰国子女や留学生も70人ほどいます。大韓航空と提携しており、就職先は県外が6-7割。新潟空港で働いている人の8割は本校出身者。卒業時には多くの生徒がTOEIC800点とのこと。

③「国際トータルファッション専門学校」は200人弱で8割が県内出身者。国内外のコンペに積極的に参加し、国際的な評価を得る学生もいるそうです。県内就職は6-7割とのこと。

④「国際音楽・ダンス・エンタテイメント専門学校」は約170人。アーチストとスタッフが半々。県内就職は6-7割。勉強だけでなくスタジオを使った実践も可能。東京に行かなくても新潟で将来の夢に近づけるのが最大の魅力。

Nsg2 Nsg3 Nsg4 いずれも「国際」と銘打っているだけあり、海外からの留学生がいたり、グローバルな授業を行っていました。すごいレベルの専門学校があるんですね・・・。

「NSGグループ」の代表者様は、人材をはじめ起業支援など幅広く新潟の活性化に取り組んでいます。著作も読ませていただきましたが、新潟愛にあふれている方のようで、サッカーJリーグのアルビレックス新潟の経営にも関与されています。

「地方創生のカギは人材にあり」とは使い古された言葉ですが、リーダーとそれに続く人材の育成が必要です。

静岡県においても、若者の人口流出対策というネガティブな捉え方ではなく、郷土愛にあふれた人材を育て、教育の場所を確保することが重要と感じました。

Dokaben Iwaki Satonaka新潟・アニメといえば「ドカベン」ですね。商店街にこんなモニュメントがありました。

アニメ専門学校の近くでは老舗お菓子屋さんとのコラボを発見。

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