2040年の自治体戦略

総務省の「自治体戦略2040構想研究会」の第一次報告が示されました。

★第一次報告(総務省のサイト)

これまで議会内で主張してきた内容とほとんど相違ありませんが、こうした危機感をいかに伝えていくかが課題だと思っています。

今後の検討の方向性として「大胆な標準化・共通化」、「県・市町の二層制を柔軟化した、地域に応じた行政の共通基盤の構築」とありましたが、広域連携からさらに一歩踏み込んだ行政システムの構築が必要と考えられます。

6月に予定されている一般質問に反映していきます。

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熊本地震の避難者対策

視察2日目は熊本県宇城市。熊本地震では地震による直接被害だけでなく震災関連死が注目されました。今回は現場の実体験を聞き、被災者支援のあり方を学びました。

宇城市は熊本市の南に位置する人口約6万人(23,674世帯)の市です。2016年4月の熊本地震では、全壊539、大規模半壊362、半壊2,030、一部損壊5,634、地震による直接の死者はゼロですが、避難の段階で震災関連死が10人発生しました(申請は26件)。

震災関連死に認定されていないケースを含め「持病があった人」の病状が被災により悪化し死亡する例が多いとのことでした。

「地域防災計画」は策定済みでしたが、主に台風災害などを想定したもので、今回のような地震や長期避難の計画はなかったとのこと。

その中で、本震の翌日(4/17)に最大11,341人が避難。20カ所の避難場所にはスペースが足らず建物のピロティも使用し、テレビでもよく見かけましたが、車中避難者も多数いたとのことです。また避難場所以外の車中避難者は把握していないとのこと。

また防災計画の想定を超える甚大な被害により、健康福祉部門の業務負荷が増し、事前に取り決めていた職務分掌はマヒしたとのこと。

避難所では、被災者が徐々にお客様化(サービスを受けられて当たり前と思ってしまう)していったとのこと。平時からの地域住民主体の避難所運営訓練の必要を指摘されていました。今後は警備会社など民間企業との協働も検討するとのこと。

地域防災計画の見直しは本県でも必要で、すでに避難所運営マニュアルの見直しを行っていますが、実態に合った中味になっているかどうかチェックをするとともに、住民中心の避難所運営のためHUG(避難所運営ゲーム)を活かした運営訓練が必須と感じます。

合わせて避難所の収容能力についても再確認が必要かと。体育館だけでなく必要に応じて教室なども使用できるような仕組みが必要ではないでしょうか。トイレ対策や障がい児など要支援者対策、女性目線の避難所運営なども実態を踏まえた現実的な見直しが必要です。

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火の用心

Waterspray Net Net2 浜松市消防出初式。

1000人を超える浜松市消防隊員と浜松市消防団員が参加し盛大に開催されました。

市民の生命と財産を守るためご尽力いただいているみなさんに心から感謝します。

昨年(H29)の浜松市内の火災発生状況は・・・(カッコ内はH28年)、

 火災件数 212件(166件)

 死者 7人(5人)

 損害額 4億6,910万円(2億5,814万円)

・・・と、一昨年に比べ大幅に増えています。静岡県のデータは後日確認したいと思います。

年末年始も全国でいたましい火事のニュースを見ました。

今一度、火災警報機などの備えを確認するとともに、火元となりそうなリスクをチェックしておきましょう。

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地域防災訓練

A1 12月第1日曜は「地域防災の日」。県内各地で防災訓練が行われました。

私は例年同様、地元の自主防災訓練に参加しました。

私たちの地域では、以前から多くの中学生に参加してもらっています。平日昼間に災害が起きた場合、お勤めのみなさんは地域での活動ができません。いざという時のために、中学生のみなさんにはいろいろ学んでいってほしいと思います。

A2 今日は民生委員さんの声かけで、地域の一人暮らしの高齢者の方、障がい者の方も訓練に参加しました。顔の見える関係をつくることは大切ですね。とても良いことだと思いました。

最近、地震防災の話を聞く機会が増えていますが、地震そのものでは助かった命が、被災生活を送る中で避難所などで亡くなる“震災関連死”が増えています。

避難訓練もさることながら、その後の対策も入念に講じるべきです。今後の課題かと。

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静岡県原子力防災センター

Bousaic1 昨日の午後、7月から一般公開を始めた「静岡県原子力防災センター」に行きました。

きっかけはスズキ労組役員のひとこと。

「田口さん、夏休みに“社会科見学ツアー”をやりたいんですが、富士山静岡空港とか見せていただけませんか?」

家族連れで楽しめ、子どもの夏休みの自由研究のネタにもなる企画のようです。

県の担当者に相談したところ、空港では一部、一般見学できないバックヤードに入れてもらい、さらにおススメいただいたのがこの施設でした。

Bousaic2 実は私も初めての訪問でした。

この施設は「環境放射線監視センター」と原子力災害時の拠点となる「オフサイトセンター」が併設されたもので、国の補助を受け平成28年4月から稼働しています。

以前は浜岡原発の近くにありましたが、東日本大震災のあと、“近すぎる”ということで当地に移転したものです。

放射線の監視は県が行いますが、いざという時のオフサイトセンターは国が設置するため、国の職員も常駐しています。

Bousaic3 この日は「原子力災害対策エリア」の見学もさせていただきました。施設そのものは一般公開していますが、このエリアは事前に連絡しておく必要があるそうです。担当のみなさんには土曜日にもかかわらずご対応いただきありがとうございました。

詳しくは下記のサイトをご覧ください。

★静岡県環境放射線監視センター(県のサイト)

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地方自治体の基金

昨日の日経新聞に「地方『貯金』巡り国と火花」という記事がありました。

貯金=基金のことですが、2015年度末の基金残高がバブル期並みの21兆円を超えたことを財務省が問題視しているとのことです。

地方交付税の削減など、地方財政計画への関与を強める狙いがあるのでしょうが、県の立場からすると、潤沢な基金を持っているわけではないので、違和感があります。

県の基金総額は平成28年度末で5470億円。うち新聞で取り上げられている「財政調整基金」は89億円しかありません。

新聞報道によると大阪市1679億円、港区676億円などとなっており、たしかに大きな政令市や特別区の財政調整基金残高は多いように見受けられます。

私もおカネを寝かしておくのはムダだと思い、これまでも決算委員会などで「動いていない基金」の見直しを求めてきました。

しかし今後のインフラや公共施設の更新にかかるおカネを考えると、自治体が基金を積んでおきたいと思うのはよくわかります。近い将来、必ず必要となる老朽更新費用を適切に把握する必要があるのではないでしょうか。

民間では「減価償却」による内部留保ができますが、行政にはこの仕組みがありません。大きな課題です。

★静岡県の基金(H29当初予算参考資料から)

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豊田市のフレックスタイム制度

働き方改革が求められる中、豊田市は「豊田市職員かえる運動」の一環として、H28年10-11月にフレックスタイム制度(以下FT)を試行しました。約1800人の行政職員のうち26部門534人を対象とし221人が利用したとのこと。

豊田市の定時勤務は8:30-17:15で、これまでも、8:00-16:45、9:00-17:45、9:30-18:15の3種類の時差勤務を導入していました。

試行したFT制度は、勤務可能時刻(フレキシブルタイム)を午前7時から午後10時とし、コアタイムは午前10時から午後4時と設定。

中でも「未就学児を養育する職員(育児職員)」と「要介護家族を持つ職員(介護職員)」はコアタイムを、午前10時から午後2時までと短くし、さらに週1日に限り「コアタイム以外の勤務」「週休3日」「最短勤務時間4時間未満」も可能としました。

このあたりの設定は国家公務員の制度に準拠しているようです。

施行後のアンケート結果では、「時間外勤務が減った」は全体で18.2%、育児介護職員では26.0%。「家族と過ごす時間が増えた」は全体10.7%、育児介護職員22.1%。

そのほかに「渋滞回避」17.4%、「その他(通院・自己研さん等)」24.8%など、WLBの確保につながっているようすがうかがえます。

課題は、「出退勤管理」「勤務の割り振り」など管理面と、住民サービスへの影響を懸念する意見が出されており、勤務管理の工夫と対象職場の選択が必要なようです。

今後、本年10月の正式導入に向け制度を検討していくとのこと。全国初の自治体FT導入に向けた取組に注目したいですね。

ちなみに本年、静岡県では時差勤務の時間帯拡大などフレキシブルな働き方を試行しています。WLB(ワークライフバランス)と業務効率化の両面から、本県においても働き方改革を進めていきたいと思います。

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ちなみに豊田市役所の中は「色」を使った誘導がお見事でした。「課の名前」でなく「利用者目線」の表示板もナイスでした。

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福島県庁でのヒアリング

22日の福島県庁でヒアリングした内容を備忘録として書いておきます。

「企画調整部」から復興計画や復興支援、エネルギー政策の取組を、また「危機管理部」から東電福島第一原発の現状と県の監視体制、広域避難についてヒアリングしました。

県の平成28年度当初予算は1兆8819億円、うち1兆384億円分が震災・原子力災害対応分ということで、震災前に比べ予算規模が倍以上になっている。29年度当初はインフラ整備の進捗などにより1兆7184億円、復興関連は8750億円に減るとのこと。

震災復興計画では10の重点取組プロジェクトに設定し、あわせて地方創生総合戦略に基づく人口減少対策も進めている。主なものは「生活再建支援」「環境回復」「健康」「農林水産業」「新産業」などで国等の協力も得ながら多くの事業に取り組んでいる。

震災後16万人を超える避難者がいたが、6年経過した今も7.7万人が避難生活を送っている。そのため市町村と連携して県内外への避難者のために相談窓口の設置や広報資料などの情報提供を行ってきた。

徐々にではあるが避難指示区域の解除が進んでおり、今後は帰還や生活再建の情報提供が求められており、避難者の多い都府県に13人の職員を派遣し相談対応にあたっている。また県外避難者への相談業務のため、生活再建支援拠点の業務委託を25カ所で行い、本県では臨床心理士会がその任にあたる。

自主避難者への国の住宅支援が今年度末で打ち切られることから、県として29年度1/2上限3万円、30年度1/3上限2万円の家賃補助を継続実施するとのこと。

産業では復興関連事業や住宅新設は需要が旺盛で、有効求人倍率は全国を上回っている。また復興事業として雇用創出を視野に医療や再生エネルギーなど新産業の拠点整備に力を入れている。

農林水産業は改善傾向にあるが風評被害の影響もあり震災前の状況には回復していない。安全確保のためモニタリングを強化しており、今では山菜や野生きのこ、川魚を除く食材に放射性物質の基準値超過はない。今後は観光産業の再生に取り組んでいきたいとのこと。

インフラ整備は被災した公共土木施設の98%で事業着手し84%が完了。課題は「浜通り」で県全体の事業件数2126件のうち1566件を占める。うち事業完了は1234件(79%)。施工中289件(18%)、未着工48件(3%)となっている。

避難指示を解除された区域では徐々に復興事業が着手されているが、帰還困難区域ではいまだ災害査定もできていない。

エネルギー政策は2040年に再生可能エネルギーへの100%シフトを進める計画で、国の支援も受け洋上風力やバイオマス発電などさまざまな取組を進めている。

福島第一原発の現状は報道で伝えられるとおりだが、県としてHPを充実させて県民への情報提供を行っている。また監視体制では原子力対策監・原子力専門員を設置し知見を得るほか、廃炉安全監視協議会を設置し県としての監視体制を強化している。また駐在員を5人派遣している。

福島第二原発については廃炉を求める声が多く、県議会からも廃炉を求める意見書が出されているが、東京電力からはまだ今後の方向性は示されていない。

昨年12月に広域避難計画を改定した。UPZ圏内13市町村の避難先は県内46市町村を基本に、人口が多いいわき市については茨城県、新潟県も避難先としている。避難時に動線が重ならないよう計画されている。

避難先市町村に「避難中継所」を設置し、コミュニティ単位でまとまって避難するような仕組みをとっている。これは避難先にとっても一度にすべての避難所を開設せず徐々に開設できるメリットがあるという。本県でも参考にすべき仕組みと感じた。

なおこれらの情報は先日リンクした福島県のサイトに詳しく示されています。

★福島復興ステーション

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6年経った今も・・・

Dsc_4298 福島県視察最終日は南相馬市。相双建設事務所を訪問し復興事業の状況などをうかがいました。

福島県というと原発被災地のイメージが強いですが、津波被害も相当のものです。今日は南相馬市中心部に近い「渋佐萱浜地区」の防潮堤+防災林+県道のかさ上げ+圃場整備など総合的な事業をご説明いただきました。

Dsc_4294約2.7kmの海岸整備に約128億円、約3.8kmの県道かさ上げに約23億円、そのほかの事業にも多額の事業費が投じられています。

相双建設事務所は香川県に匹敵するくらいの広範な地域を所管しており、今年度予算は960億円と震災前の10倍になっているそうです。一方、人員は1.5倍の160人ということで、忙しい状況が続いているとのこと。愛知県や岡山県、島根県などから応援要員が来ており、今日も長崎県からの派遣職員さんが同行してくださいました。

県内でもこの地域は、原発事故の影響で“帰宅困難区域”の復興事業が思うように進まない現状があります。南相馬市南部の小高地区は昨夏規制解除されやっと着手できるようになったとのこと。

Img_20170323_132914 さらに南部の浪江町や双葉町、大熊町といったあたりはまだ立ち入りが規制されており、6年経った今もまだ時が止まったかのような感がありました。

大量の除染廃棄物も事業の大変さを物語っていました。復興支援はまだまだこれからです。

説明してくださった職員さんは、復興事業に携わる県職員であると同時に被災者でもあります。親族のご不幸などもお伺いしましたが、「東京から2時間、温泉や食べ物、おいしいお酒などイイところがたくさんありますから、ぜひみなさんで遊びに来てください」と笑顔でお話されていました。その心中をお察しするばかりでした。

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減収補てん債

2月定例会の話題は何と言っても「当初予算」。スポーツや観光、産業振興など来年度のさまざまな事業がマスコミにも取り上げられています。

こうした中ですが、平成28年度補正予算の中にも、見逃せない項目があります。そのひとつが「減収補てん債」です。

「減収補てん債」は、税収が見込んだ収入額を下回ると見込まれる場合に発行することができるもので、元利償還金の75%が後年度の基準財政需要額に算入されます。

今年度の税収がキビシい静岡県は、リーマンショック後のH21年度以来となる「減収補てん債」を発行することになりそうです。

補正予算による今年度の発行見込額は通常分66億68百万円、特例分46億46百万円の計113億14百万円となっています。

“通常分”とは建設債のうち、税収不足により一般財源確保が難しい部分の補てんに活用するもので、“特例分”はいわゆる赤字地方債(資産形成につながらないモノ)です。

財政担当に聞くと、財政力が近い他の都道府県でも同様に「減収補てん債」を発行するようです。平成28年度の国の地方財政計画の税収見込みが“大甘”だったと言わざるを得ません。そのツケです。

ちなみに、H20年度は通常分40億円余、特例分334億円の合計374億円余を発行、H21年度は通常分約25億円、特例分584億円余の609億円余を発行しています。リーマンショックの影響の大きさがわかります。

平成29年度当初予算審議が行われますが、税収見込みは大丈夫か、不安になります。地方財政計画をもう一度見直してみます。

国会議員、もっと地方財政を勉強しろよ!

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