2019年2月21日 (木)

退職手当債、行革推進債、減収補てん債

2月定例会真っ最中。本会議での論戦が続いています。

私は担当である厚生委員会の議案調査を主に進めていますが、やっぱり気になるのは財政のこと。特に平成30年度の補正予算に注目しています。

報道では平成31年度当初予算ばかり取り上げられますが、今回の補正予算“も”昨年同様課題山積です。

それがタイトルの起債です。

昨年3月の「★メルマガ第83号」で指摘しましたが、今年の補正予算も起債による財源補正のオンパレードです。

退職手当債は、以前から“筋が悪い(=生まれてくる赤ちゃんからもおカネを借りて今の職員の退職金を支払うようなもの)”と考えています。

平成28年度は発行しませんでしたが、昨年度、2月補正で30億円発行し、今年度も2月補正で23億円を計上しています。

行革推進債は、行革による将来の財政負担の軽減を償還財源としたもので、行革成果の先食いであり、将来の財政健全化につながりません。

これも昨年度の2月補正で78億円余発行し、今年度約87億円を計上しています。当初予算でも65億円余計上しています。

調べてみると、退職手当債を発行している道府県は、平成29年度で32、行革推進債は32あるようです。

減収補てん債は、今年度の税収が当初見込みほど確保できないことによる補てんです。止むを得ない反面、国の地方財政計画策定の甘さ(景気見通しの甘さ)がうかがえます。

臨時財政対策債の発行もしかりですが、国の財政見通しが今のままでは、子どもたちに大きなツケを残すことになります。

こんな財政運営ではダメですね。

平成31年度当初予算の概要

2月13日から静岡県議会2月定例会が始まっています。すでに論戦が行われていますが、議案調査等々ですっかりブログ更新をサボっていました。

平成31(2019)年度当初予算の概要を簡単にお知らせします。(金額は四捨五入で億単位としました。端数処理の関係で計算が合わないところがあります)

<一般会計予算案>

総額は1兆2066億円と前年度当初比で1.6%の増加(+194億円)となっています。

●歳入

歳入の根幹となる県税は4820億円(△10億円)。政令市への税源移譲による個人県民税の減(△39億円)や、自動車税環境性能割の創設に伴う自動車取得税の減(△34億円)などはありますが、企業収益の改善による法人2税の増加(+42億円)、地方消費税の増(+11億円)のため前年度比△0.2%減を見込んでいます。

私が常にチェックしている起債(=借金)は、通常債が893億円(+177億円)、臨時財政対策債が625億円(△135億円)の1518億円(+42億円)と前年増となっています。

●歳出

昨年の豪雨災害を踏まえ国が3年間で取り組む「防災・減災・国土強靭化のための緊急対策」を活用した事業(136億円)など投資的経費が増えています。

また少子高齢化による福祉事業の強化のため扶助費が引き続き増加しています。

●県債残高

一般会計の県債残高は、平成30年度当初見込2兆7511億円に対し、平成31年度末は2兆7633億円となる見込みです。

特別会計と企業会計を合わせた総県債残高は、平成31年度末で2兆8895億円となる見込みです。

<主な事業>

●浜松西警察署が開署

浜松市西区を管轄する浜松西警察署が4月1日に開署します。内装に天竜材を使用するほか、非常電源や井戸の確保など災害時の対応も万全。地域のみなさまの安全・安心が高まります。

●こども医療費助成制度

新年度から所得制限を廃止します。また昨年10月にスタートした18歳年度末までの拡充は、本年10月から浜松市でも実施されることになる見込みです。2022年度までの期間限定で政令市にも一部県が助成することになりました。

●ラグビーワールドカップ2019

地域活性化に資する最大のイベントがラグビーW杯の開催です。9月20日から11月2日までの開催期間中、エコパスタジアムで4試合開催されるほか、浜松駅前にファンゾーンが設置されます。

●次世代産業の創出

EVシフト対応や自動運転の実証実験を進め、自動車産業の変革に対応するとともに、航空機産業や医療健康産業への参入支援に取り組みます。またIoTを活用した農業・水産業支援も行います。

●スクールサポートスタッフの増員

教職員の多忙化が課題となる中、校務を支援する人材を増員し、子どもたちに向き合う時間の確保に努めます。

●多文化共生関連事業

昨年末の入管法改正により4月から外国人労働者の受け入れが拡大されます。県は一元的に対応する窓口を設置するほか、担当理事を設置しこれまで以上に多文化共生施策を推進します。

●防災・減災緊急対策

昨年の西日本豪雨を機に実施した重要インフラ緊急点検の結果を踏まえ「防災・減災・国土強靭化のための3か年緊急対策(136億円)」を実施します。またこれに合わせて緊急治水対策や河川砂防対策を強化します。

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とても書ききれませんので、詳しく知りたい方は県のHPをご覧ください。

★平成31年度当初予算概要

2018年12月 2日 (日)

地域防災訓練

Jisyubou 12月の第一日曜日は「地域防災の日」です。

今年も各地域で自治会を単位とした自主防災隊を中心とした訓練が行われました。

「自助・共助・公助」と言われて久しいですが、最も大切なのは「自助」です。まずはわが身を守ることが一番。

次に「共助」の出番です。特に中学生や高校生の参加は頼もしいですね。

あいさつの機会をいただきましたので、「働いている大人は普段いないんだから、みんな頼むよ」と期待を込めてエールを贈らせていただきました。

2018年11月10日 (土)

“ミニ”ふじのくにカフェ

_20181124_204759 会派会長の岡本まもる議員からお誘いをいただき、浜松学院大学の学生さんたちと“ミニ”ふじのくにカフェを行いました。

テーマは「防災」と「中山間地域振興」。台風24号の際の停電被害を受けた若者の意見を聞くとともに、天竜区の集落支援のお話に関し意見交換しました。

防災について、日頃の避難訓練(住民意識啓発)や高齢者サポート、支援物資の受入訓練、ボランティアコーディネーターの育成など、若者がやれることをしっかり考えていることがうかがえました。

将来の防災人材育成には若者のボランティア体験が有効とも。経験することでボランティアコーディネーターの育成にもつながると感じました。

また浜松学院大学では天竜区春野町勝坂で耕作放棄地解消のお手伝いや伝統芸能「勝坂神楽」の伝承などへの協力を行っているとのこと。

勝坂地区は13世帯、最も若い住民でも50歳代の高齢集落ということで、交流人口増がカギとなりそうです。全国では外国人旅行者を巻き込んだ地域交流を行っておりところもあります。発想の転換が必要ですね。

2018年10月27日 (土)

決算特別委員会

10/26~11/5の予定で決算特別委員会が行われます。私は厚生分科会で健康福祉部関係の審査を行いますが、総務委員会での議論に期待しています。

公会計改革の成果として「統一的な基準」が導入され、今回の決算審査で民間基準に準拠した会計制度による、はじめての全国比較が可能になりました(一部おかしなところはありますが・・・)。

今までは、「いかに導入するか」という議論だったのが、これからは、「どう活用するか、どう利用するか」という新たなステージに入ります。

これまでの分析で、静岡県は他の都道府県に比べて、資産の老朽化が進んでいることや、借金依存度が高いことがうかがえます。

今後の財政運営がますます厳しくなる一方、 必要な事業の重点化などにへの活用が期待できます。

委員会では発言できませんが、担当者にはセグメント情報の分析や市長との連結での分析を依頼してあります。今後、使っていきます。

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もう一つおまけ。

これからH31年度の予算編成が始まりますが、今般、新たに「枠配分」が導入されることになりそうです。

ごく簡単に言うと、これまでは財政課が事業を査定して予算を決めていましたが、今後は、事業部門が一定の予算枠の中で、自分たちの裁量で予算を組むことができるようになります。

独自性が高められる期待がありますが、反面、PDCAが機能していないと、決められない懸念も。厚生分科会では、その点を指摘しようと思っています。

2018年7月 6日 (金)

2 行政経営革新プログラム (3)ファシリティマネジメント

<田口>

県は6年前からファシリティマネジメント(資産経営)の取り組みを本格化してきたが、施設の総量適正化は進んでいない。

県単独での資産の最適化は、職員住宅の削減や県立学校の統廃合等限定的だが、市町と連携した資産の最適化はまだまだ進めることが可能。今後の取り組みをうかがう。

<杉山 経営管理部長>

今年から庁内に「ファシリティマネジメント委員会」を設置し、教育・警察・職員住宅・県営住宅やその他の庁舎など県有施設の総量について目標設定していく。

行政経営研究会に設置したファシリティマネジメント研究会では公共施設のオープンデータ化と施設情報の共有化を進め、成果が出ている。

引き続き県内全体の最適化に取り組んでいく。

2 (2) <再質問>

<田口>

自治体戦略2040構想研究会では自治体職員も減るとみている。仕事の見直しが重要になるとともに、市町の水平補完や県と市町の垂直補完も議論していくべき。

行政経営研究会の取り組みは評価するが、将来の懸念に備えて準備が必要と思うがどうか。

<杉山 経営管理部長>

研究会に参加している職員は将来について危機感を持っている。あとはトップの理解と姿勢が大きく影響するので、そうした思いを含めて実質的な仕事ができる形にしていく。

2 行政経営革新プログラム (2)行政経営研究会

<田口>

2014年に広域連携を推進するための「行政経営研究会」が設置された。機関の共同設置や自治体クラウドの導入などが始まったが、全県的に見ると地域差がある。

地方自治法2条15項には「地方公共団体は、常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに、他の地方公共団体に協力を求めてその規模の適正化を図らなければならない」と書かれている。

財政効果が期待できる取り組みの推進が求められるが、これまでの評価と今後の取り組みをうかがう。

<杉山 経営管理部長>

行政経営研究会ではこれまでに15の課題に取り組み成果をあげ、参加市町のほか有識者からも高く評価されている。

地域課題は多様で、医療、介護のサービス体制や水道等公共インフラの老朽化対策など問題は山積しており、昨年度からは首長に成果を報告するとともに課題の共有に努めている。今後も具体的な戦略で行政運営を進めていく。

2 行政経営革新プログラム (1)民間との連携協働

<田口>

財源も人も不足する中、行政サービスを「官」がすべて行うのは困難であり、民間でできることは民間で行えるよう県の体制を整備する必要があるが、静岡県は民間活用に対する姿勢が十分ではない。

PPP手法を最大限活用する方針を策定し実践すべきと考えるが所見をうかがう。 (※PPP=パブリック・プライベート・パートナーシップの略)

<杉山 経営管理部長>

県は大平台高校をはじめ中部運転免許センターなどをPFI手法で整備してきた。またPFI手法の他にも公設民営方式や包括的民間委託等さまざまな公民連携手法を活用してきた。

これらPPP手法の導入にあたってはトータルコストや民間資金・技術の活用による優位性検討により最適な手法を選択する必要がある。

今年度中にガイドラインとなるPPP手法導入検討指針を策定する。

1 <再質問・意見>

<田口>

社会減対策の取り組みを個別に聞いたが、今のままでは改善は進んでいるが歩みが遅い。転入超過の目標達成に向けた決意と取組の再構築について所見をうかがう。

<佐藤 政策推進担当部長>

新しい総合計画「新ビジョン」では、社会減をなるべく減らしていこうということで位置づけをしている。このPDCAを回しながら社会減の減少に努めていく。

<田口>

転入超過は難しいという判断をしているようだが、無責任だ。全ての施策を総動員してゼロを目指すべきではないか。

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