2018年1月28日 (日)

静岡まるごと移住フェア

Iju1 東京・有楽町で行われた「静岡まるごと移住フェア」を視察しました。

今回は、県が単独で行う初めての移住相談会で、県内35市町中28市町が移住相談ブースを出展する大規模なモノでした。

市町ブースの他、UIターン就職サポートセンターなどによる就労案内や民間事業者による住まい相談も同時開催。さらに会場内のセミナースペースでは移住者の体験談の他、静岡県の魅力の発信、就職(転職)事情のセミナーを開催するなど盛りだくさんの内容でした。

11時の開始から1時間で100組を超える来場者があったほか、私は15時前までしかいませんでしたが、終了までに220組 約500人の相談者があったとのことでした。

同日別フロアで愛媛県も同様のイベントを開催しており、担当職員さんからお話をうかがいましたが、来場者は静岡県が圧倒的に多く、同所で全国の自治体をサポートしている「NPO法人ふるさと回帰支援センター」の高橋理事長からも、「静岡人気をあらためて感じた」との評価をいただきました。

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この「移住促進」の取り組み、私には思い入れがあります。

2014年7月、たまたま時間ができたので、当時、東京に開設されたばかりの「U・Iターン就職支援センター」を当日アポをとり突然視察。

その足で他県事例も知りたいと、アポも取らずに山梨県の取り組みを調査に、いきなり東京交通会館を訪問しました。

そこで出会ったのが、「NPO法人ふるさと回帰支援センター」のみなさん。山梨県の取り組みをご紹介いただくと同時に、「静岡県の移住ニーズに対し県の取り組みが弱くもったいない」とのお話を、高橋さんからいただいたのです。

県にその話をすると、さっそくアクションをとり、当時、文化観光部の所管だったこの事業をくらし・環境部に移管し、静岡県相談窓口の開設につながったという経過があります。

★U・Iターン就職支援(2014.7.22のブログ)

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静岡県への移住人気はあいかわらず高く、「ふじのくにに住みかえるセンター」の活動の成果を感じます。

今後は来場者アンケートをしっかり分析し、効果的なPRや当日必要とされている情報を整理し、会場ディスプレイの改善など、次回につなげていくべきでしょう。

また首都圏における情報発信については、現在検討されている「(仮称)ふじのくにショールーム(アンテナショップ)」や、既存の「東京観光案内所」、「UIターン就職サポートセンター」、さらに東京事務所との効果的な運営が必要となります。

引き続き効果的な県のプロモーションにつながるよう研究します。

Iju2 西伊豆町では東京の大学生ボランティアがブースのお手伝い。

ユニークな取り組みです!

2017年6月25日 (日)

環境エネルギー問題

投票日の今日は「惜春の会」に参加。

この会は慶應義塾大学理工学部出身者による同窓会で、静岡県西部地区では年1回、講演会&懇親会を行っています。

私は法学部出身なので畑違いですが、都合がつくときには参加しています。

今日は理工学部の植田利久教授による講演。

「環境エネルギー問題はどのように克服されてきたか」と題し、技術者・研究者から見た環境エネルギー対策と政策の連携についてお話をいただきました。

1970年の「マスキー法(アメリカの大気環境規制法)」の制定と、それを克服したホンダのCVCCエンジンやマツダのロータリーエンジン(こちらは知りませんでした)の日本企業の技術革新。

さらに日本の排ガス規制とNOx法を通し、法規制が技術革新を促し、政策の実効性を高めてきたことなどをご紹介いただきました。

また「省エネ」については、「やりたいことをガマンしてエネルギーを使わないのは省エネではない。目的を達成するために、できるだけ少ないエネルギーで行うことだ」と言います。

今後の環境問題解決のためには、科学による「課題発生メカニズムの解明」、工学による「対策設備やシステム開発」、そして政策による「規制値設定や研究開発助成」の連携が不可欠とされました。

技術的なことはよくわかりませんが、理想論や理念を並べるだけでなく、将来を見据えたうえで、科学や工学の進歩に合った政策を実施することが重要との示唆をいただきました。

懇談会では、浜松で最先端研究をされている技術者の方とお話することができました。ベンチャー支援の重要さを指摘されました。

「同窓」はありがたいものです。

2017年6月20日 (火)

佐鳴湖をきれいにする会

「佐鳴湖をきれいにする会」の総会が行われました。

備忘録としてここ数年のCOD値を記しておきます。

H17 11

H18 10

H19 9.8

H20 8.8

H21 8.0

H22 8.6

H23 8.0

H24 8.1

H25 7.9

H26 7.9

H27 6.8

H28 7.7(速報値)

H27に比べ悪化しているようで残念ですが、以前に比べると改善傾向にあります。

今日は大平台高校の生徒さんによる報告がありました。「クロロフィルα」という成分を測定し、湖水の濁りを把握する取り組みをしているとのこと。

大平台高校自然科学系列の生徒さんは、信州大学と連携し諏訪湖との比較をするなど本格的な調査をしています。近くの高校生がこんな素晴らしいことをやっているとは驚きました。

佐鳴湖の他にも、地域のジオ資源の発掘をしている生徒さんもおり、「浜松ジオツアーをやりたい」という動きがあるようです。期待したいですね。

2017年4月 6日 (木)

静岡県・浙江省環境フォーラム

Ecoforum 4月からの組織改編により新たに設置された「危機管理・くらし環境委員会」の委員長として、浙江省訪問団をお迎えしての「環境フォーラム」に参加しました。

フォーラムでは浙江省の状況報告と県内企業の取組紹介がありました。

県内企業からは、「バーチャルパワープラント(最新のIoT技術を活用した新たな電力需給システム)」や「廃棄物を利用したバイオマス発電システム」など先進的な取組が紹介されました。

浙江省からは、官民の努力でかなり改善されている事例があったほか、スマホアプリを活用した河川環境改善の取り組みなど日本より進んだ取り組みが紹介されました。またバイオマス発電にも取り組んでいる事例が報告されました。

5年前訪問した際には、中国では大気や水質など環境対策が求められており、環境産業の参入余地は大きいと感じました。

今でも日本の環境技術を生かした支援は可能でしょうが、報告を聞く限りではかなり取組が進んできており、レベルの高い支援が求められると感じました(専門家ではないのでこのあたりは詳しい人にあらためて確認したいと思います)。

一方で、日本の「ゴミ分別」を参考にしたいとの声がありました。特にこれを進めるにあたって「住民参加のしくみづくり」が課題とも。ベトナムでもこうした話を聞いたことがありますが、こうした地道な取り組みが大事なんですね~。

2017年2月13日 (月)

環境審議会

先週に続いて、企画くらし環境委員長の「あて職」会議がありました。環境審議会は県内の有識者の他、環境政策に携わる市民団体の方などからなる審議会です。

今日のテーマは「鳥獣保護計画」のほか「地下水の利用に関する規制緩和」などでした。いささか専門性が高く、私のような素人が発現をするのは難しい雰囲気ですが、鳥獣保護計画の答申で部会から設置に向けて踏み込んだ提言が示された「鳥獣保護センター」について、質問させていただきました。

「鳥獣保護センター」を設置している都道府県は22ありますが、静岡県にはこれまでなく、静岡市と浜松市の両政令市にある動物園に委託していたようです。

しかし高病原性鳥インフルエンザなど、動物園で保護する場合、飼育動物への影響が懸念されるケースもでてきており対応が求められるとのこと。

今後、審議会や議会で議論に上ってくると思いますが、自治体間連携を活用しながら、実効性のある施設環境を整える必要がありそうです。

2017年2月 8日 (水)

中央新幹線環境保全連絡会議

昨日、JR東海が進めている「リニア中央新幹線」の工事の環境への影響を検討する会議に、今年度「企画くらし環境委員会」の委員長を務めていることから出席しました。

今回のテーマは、導水路トンネルや残土置き場など工事計画の変更に伴う影響についてです。

環境への影響については、大きく「大井川の減水」、「希少生物への影響」、「土壌や水質への影響」が懸念されています。

とりわけ、大井川の水量減少への懸念は大きく、利水者からは心配の声が多く聞かれました。この件は議会でも取り上げられておりますので、私からもその旨を強く伝えました。

生物や環境汚染については、大学教授から専門性の高い発言がありました(動植物の種類や汚染物質など初めて聞く名前ばかり・・・)。

リニア新幹線が通過する神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県には新駅が設置されますが、静岡県はトンネルだけで、残土や水流などへの影響が出るだけです。

県民にとって直接のメリットはほとんどない事業ですので、少なくとも環境保全はキチンとやっていただく必要があります。議会としても引き続き注視していきます。

★リニア中央新幹線工事予定地(2015.7.23のブログ)

2017年1月19日 (木)

民間に学ぶ環境対策

20170119_192106 県議会企画くらし環境委員会で県内企業2社を視察しました。

午前中は御殿場市にあるリコー環境事業開発センター。

株式会社リコーは1995年、日本で初めて「ISO14001」を取得した企業で、環境経営に積極的に取り組んでいます。

この事業所では年間8万台のコピー機を回収し2万台を再生生産しているとのこと。再生できないものはパーツを再利用するなど「コメットサークル」をコンセプトにリユース・リサイクルを進めています。

さらに省資源、創エネ、省エネをキーワードに、カメラの技術を活かした自動運転システムやドローンの活用の研究なども進めています。

またユニークな取り組みとして通称「御殿場油田」の実証実験も行っています。これは廃プラスチックを処理して「油」を抽出する取り組みで、各方面から注目されているとのこと。

昨日の東京ビッグサイトでもリコーさんは数ヵ所のブースを出していましたが、将来を見据えた取り組みが大切ですね。民間に学ぶことはたくさんあります。

写真は記念に撮った“エコ宣言”。委員会を代表して私がコメントを書きました。

★リコー環境事業開発センター

午後は静岡市の静岡ガス本社を訪問。

平成25年に建設された本社ビルは、省エネと創エネにより建物内のエネルギー消費量を大幅に削減する「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル」と呼ばれる施設です。

ガスコージェネレーションシステムをはじめ、太陽光・太陽熱はもちろん、さまざまな技術を導入してエネルギーの効率化を図っています。

同エネルギー消費量は、標準的な規模の施設に比べ、1年目で37.4%の削減、2年目はさらに改善を進め53.9%もの削減を達成したとのこと。

温暖化防止に寄与するとともに、エネルギーコストの削減で初期投資も7-8年で回収可能というお話でした。

県が進める地球温暖化対策(CO2削減計画)では、排出量が多いとされる産業部門や輸送部門での取り組みが進んでいるのに対し、民生家庭部門と民生業務部門(=事務所等)の削減が進んでおらず課題となっています。

初期投資は確かにかかるでしょうが、事業者の皆様には積極的な取り組みをお願いしたいですね。

★環境への取組(動画ライブラリー「静岡ガス本社ビル」をご覧ください)

★新本社ビルの紹介 (「案内パンフレット」をご覧ください)

2016年10月18日 (火)

県のプロモーションと水道広域化(香川県視察)

Udon 常任委員会で香川県を訪問。①「うどん県」プロモーションの取組と②水道広域化の取組をヒアリングしました。

①平成10年に都道府県知名度ランキングで47位となった香川県。その後ブランドプロモーションの取組をはじめ、「さぬきうどん」ブームで平成22年には24位まで浮上しました。

平成23年にスタートしたのが「うどん県」の取組。一点突破の取組成果で平成25年にはランキング14位にまで上昇したとのこと。

正しくは「うどん県。それだけじゃない香川県」であり、さぬきうどんだけでなく、アートや観光地の紹介などを、ショートムービーを積極的に活用して進めています。広報はネット中心で、年間予算は約6000万円。TVは手が出ないということでした。

平成28年度は「カッコつけます。うどん県」として、女性をメインターゲットにアピールしています。

県産品拡販も含めた県ブランドプロモーション活動なので、庁内横断的な広聴広報活動なのかな…と思っていましたが、観光振興部門が所管していました。

以前、静岡県のブランドプロモーションを質問で取り上げたことがあります。静岡県は魅力がたくさんあるのですが、“コレだ!”というカギに欠けています。富士山は日本ブランドだったり山梨県もイメージできたりして、パッと静岡県がイメージできるわけではありません。

「うどん県」は広告代理店も絡めて進めたらしいですが、決め手は内部の意見だったとのこと。静岡県も危機感を持って知恵を出すということでしょうね。

②香川県は、岡山県から受水している直島町を除く全ての自治体(8市8町)で、水道広域化を進めています。

議論のスタートは平成20年度(はやっ!)。県水道局と市町水道担当者で勉強会を開始。その後、平成23年度に協議会を設置、平成27年度に法定協議会を設置したとのこと。

インフラ広域連携の取組としては早いほうではないでしょうか。キーワードはやはり“危機感”ですね。小さな県で水不足に悩む県ならではの取り組みと言えます。

今後は平成30年に「企業団」を設置。浄水場を半減し管理コストを削減したり、重要度や優先度を考慮した管路などの設備更新をおこなったりして、将来の水道料金の抑制を図り、10年後に料金統一を進めるとしています。

静岡県全体を統一するのはムリとしても、たとえば県企業局が持っている「遠州水道」の供給範囲はちょうど香川県と同じくらいの面積、給水人口です。広域連携の大きなテーマとして検討すべきです。

2016年10月 6日 (木)

企画くらし環境委員会

4・5・6の3日にわたり「企画くらし環境委員会」が行われました。6日は他の委員会はすでに審査を終了しており、1委員会だけでした。

最も議論になったのは、県が東静岡駅南口に整備を計画している「文化力の拠点」形成の取組です。

今回は議案ではなく報告があったのですが、議員からの質問は、コンセプトや必然性、事業費、スケジュール、県議会の意見を反映する機会など多岐にわたりました。

この施設は、人口流出やグローバル化への対応といった喫緊の課題に対応するため、学術・文化・芸術スポーツ施設が集積する東静岡地区に整備するものです。

今後、導入する機能を整理し民間事業者にサウンディングを実施し、県議会の意見も踏まえながらよりよい施設となるよう取り組んでいきます。

またこの夏、モンゴル、ブラジル、台湾と立て続けに訪問した「地域外交」も話題となりました。知事の肝煎り事業として、今後「通商推進プロジェクトチーム」を設置します。

県産品の販路拡大推進体制や県内企業の海外ビジネス展開支援体制の強化、さらに農産物の輸出促進などのテーマごとに県庁内関係課で組織するタスクフォースを設置し取り組みます。

2016年9月17日 (土)

大阪府営住宅の再整備

大阪府営住宅の再整備状況を調査しました。

公営住宅は「くらし環境部」の所管ですが、今年度は委員長なので、委員会では質問できません。しかし、今後の県と市町の全体最適を考えるうえで、公営住宅の再整備は行革の柱のひとつですので、先行している大阪府の話を聞きました。

府営住宅は330団地127,827戸。入居者222,408人(府人口の2.5%)。府内を6-7区分し指定管理者制度で維持管理を実施しています。

建替は直接実施・PFIを併用。H16-25の建替実績はそれぞれ11,815戸・3,834戸。用地活用は27.7ha・11.1ha。 PFIはBT方式という手法でオペレーションはエリアごとに決められた指定管理者が行っています。

20160917_120818 PFIを行う団地は、民間事業者が付加価値を見込める場合や建て替え地で民間事業者のノウハウが生かせる場合とのこと。

建替は基本的に居住者分の戸数を確保し、従来の5階建程度の住宅を高層化し棟を集約、余剰地を民間が活用する手法。分譲マンションを建てるケースが多いようです。

余剰地の活用は地元の市町村の意向を優先し、無ければ事業者に委ねています。PFIでは「サ高住」や子育て支援施設を設置したケースのほか、直接実施でも特養や市民サービスセンターを設置しています。なお余剰地の売却益は新たな建て替えの原資となっています。

空き室の利活用にも取り組んでおり、新築団地や倍率が高い団地を除き、自治会活動への協力などを要件に、高齢者の見守りや交流拠点、子育て広場や一時預かり事業などで活用しているとのこと。ユニークな取り組みですがこれは県でもできそうです。

なお大阪市内の府営住宅を昨年大阪市に移管したそうです。管理の一元化は以前から推進すべきと考えています。しかし受け取る市側の負担が大きく、なかなか難しいのが現実。さすが橋下改革ですね。

今回はPFIの活用を聞きに行ったのですが、規模の違いや立地環境の違いが大きく、PFIの県内での導入は難しさを感じました。

一方、高層化による建物の集約は可能であり、立地環境によりますが、市町とともに余剰地の利活用を検討すべきではないでしょうか。

20160917_120802 写真は千里ニュータウンにある吹田竹見台団地。 5階建を11階建にし、土地面積をほぼ半減。余剰地を民間事業者が分譲マンションとして活用していました。

道路を挟んで古い府営住宅があり、改修前、改修後の比較ができました。